世界各国の株価指数に連動することを目指すETFに投資する人が増えています。外国株投資口座を開設すれば、海外ETFに投資できます。
今日のクイズ
長期の資産形成では、上場投資信託(ETF:イーティーエフ)をうまく活用することが大切です。ETFを通じて、日本株だけでなく外国株や外国の債券、金(ゴールド)など、幅広い投資商品に投資できます。
今回は、東京証券取引所に上場しているETFで投資できる国について学べるクイズを出します。東証に上場するETFは、外国株に投資するETFであっても、円建てで取引ができるため、手軽に投資できます。
【クイズ】東証上場のETFを通じて、世界各国の株価指数に連動するインデックスファンドに投資しようと思います。以下【1】~【6】の中に東証ETFを通じて投資することができない国が一つだけあります。投資できない国はどれでしょう?
【1】日本
【2】米国
【3】中国
【4】インド
【5】ブラジル
【6】ロシア
ETFとは
ETFとは、上場投資信託のことです。証券取引所に上場していて、普通の株式と同じように、取引所が開いている時間はいつでも売買ができます。
ファンドを通じて、株式や債券などに投資するため、個人投資家が小口資金で多数の銘柄に分散投資できるメリットがあります。
<ETFの仕組み(簡単なイメージ図)>

ETFにおける「ファンド」とは、投資会社(投資を専業に行う会社)が発行する投資証券のことです。株式会社の「株」に相当する金融商品です。個人投資家は、証券取引所でこの投資証券を購入します。
投資会社は投資証券を発行することで得られる資金を、原則全て投資に充てます。その投資成果によって投資証券の価値は増減します。そして、価値の変動に応じてETF価格も上下します。
<ETFの仕組み(より詳しい説明)>

正解
東証に上場しているETFを通じて投資できない国は、【6】ロシアです。【1】日本【2】米国【3】中国【4】インド【5】ブラジルの株価指数に投資するETFは、東証に上場されています。
<東証上場ETF、日・米・中・印・ブラジルの株価指数に投資する代表銘柄:2025年9月2日時点>

かつては、ロシアに投資するETF(NF・ロシア株ETF)も東証に上場されていました。ところが、2022年にロシアによるウクライナ侵攻以降、このETFは売買停止となり、2024年12月20日に上場廃止となりました。現在、東証にロシア株に投資するETFはありません。
米国株に投資するETFは、東証に100ファンド以上上場されています。その一つが、 SPDR S&P500 ETF(証券コード:1557) です。これは、ニューヨーク証券取引所に上場する純資産額で世界第2位のETFである SPDR S&P500 ETF(ティッカーコード:SPY) を東京証券取引所にて円建てで売買できるようにしたものです。
SPDRの読み方は、「スパイダー」です。
今回は、一つの国だけに投資する東証ETFについて学びました。これとは別に、たくさんの国に分散投資するETFもあります。それについては後日解説します。
ところで、日本株や外国株のインデックスファンドに投資する方法として、ETFのほかに投資信託があります。長期で積立投資する場合、投資信託とETF、どちらが良いか、次回のクイズで考えてみましょう。
(窪田 真之)