楽天証券は、月替わりでテーマを決めて個人投資家にアンケートを実施しています。今月は「コメの価格」について、普段の意識や行動、食品全体の価格動向が家計や消費・投資行動にどんな影響を与えているか伺いました。


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今月の質問「新米シーズン間近!コメの価格、まだ高い?もう安い?」

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト 吉田 哲


 今回のアンケート調査は2025年8月25日(月)から27日(水)にかけて実施しました。今回のアンケートは、約1,900名を超える方に回答していただきました。


 毎月数千人のお客さまにお答えいただくアンケート「楽天DI」は、日本の個人投資家の動向を測る有力な手掛かりと言えます。


 本稿では、月替わりでテーマを決めて実施している「今月の質問」の回答結果をまとめています。8月のテーマは「コメの価格、まだ高い?もう安い?」でした。


 質問1では、新米のシーズンを迎えつつあるコメの価格動向を、どのように感じているかを尋ねました。


・質問1:新米のシーズンを迎えつつあるコメの価格動向について、現時点での印象に最も近いものをお選びください。


コメ価格「まだ高い」6割。「物価高が投資のきっかけに」の声も
※四捨五入の関係で合計が100にならない場合がある出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

 当該質問において、回答者の59.0%が「想定していた価格より高いと感じる」を選択しました。また、その逆の意味である「想定していた価格より安いと感じる」を選択した回答者は2.7%でした。


「想定していた通りだと感じる」を選択した32.8%の回答者の中には、「想定していた通り高い」と感じている人と、「想定していた通り安い」と感じている人が混在していると考えられます。


 仮に、それらが半々だったとします(16.4%×2)。そうすると、足元のコメの価格を「高い」と感じている人は75.4%(59.0%+16.4%)、足元のコメの価格を「安い」と感じている人は19.1%(2.7%+16.4%)となります。


 足元のコメの価格について「高い」と感じている人が大変に多いことがうかがえます。


 質問2では、コメや食品全体の価格動向を踏まえ、普段の意識や行動を尋ねました。


・質問2:コメや食品全体の価格動向を踏まえ、普段どのようなことを意識したり行動したりしていますか?(複数選択可)


コメ価格「まだ高い」6割。「物価高が投資のきっかけに」の声も
※四捨五入の関係で合計が100にならない場合がある出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

 当該質問において、回答者の18.0%が「家計防衛のため、特売やセールを積極的に利用したり、より安い店を探したりしている」を選択しました。次点は、「食品価格の高騰が、日本全体の消費マインドや経済成長に与える影響を注視している」で17.0%でした。


 また、「コメや食品価格が高止まりしている背景を注視している」が14.4%、「食品価格の高騰が、外食産業や小売業など関連企業の業績に与える影響を注視している」が13.4%と続きました。


 これらの結果から、特売やセールを活用しつつ、価格高騰の背景を注意深く見守っている人が多いことがうかがえます。


 質問3では、コメや食品全体の価格動向が、ご自身の家計や消費・投資行動にどのような影響を与えているかを、自由に記入していただきました。


 大変にたくさんのご回答をいただき、全てを紹介することはできないため、以下のとおり、主要なキーワードとその出現回数を確認します。(主要なキーワードはAIツールを用いて抽出。出現回数は一部調整の上、表計算ソフトで算出)


・質問3:コメや食品全体の価格動向が、ご自身の家計や消費・投資行動にどのような影響を与えていますか?具体的な例があれば教えてください。(128文字以内)


コメ価格「まだ高い」6割。「物価高が投資のきっかけに」の声も
出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

 出現回数が最も多かったキーワードは「米 / コメ」(164回)でした。次点で、投資(82回)、影響(81回)、食費(70回)、食品(65回)、価格(63回)、外食(62回)、購入(56回)、消費(50回)、物価高 / インフレ(34回)、がこれに続きました。


 以下は、回答の一部です(文意をできるだけ変えず、一部を修正しています)。


  • お米を株主優待の品目にしている企業に注目している(20代)
  • 価格転嫁など有効な対処を行っている外食企業に注目している(20代)
  • 外食を控えるようになった(30代)
  • 物価高が出費を減らしたり、投資を行ったりするきっかけとなった(30代)
  • コメはあまり食べないため価格は気にならないが、野菜や調味料の価格上昇が気になる(40代)
  • 家計では節約や代替、投資ではインフレヘッジや農業関連商品への注目度が増すと思う(40代)
  • 食品のうち、お酒やお菓子などの嗜好品をほとんど買わなくなった(50代)
  • 特に影響はない。食事は健康を考え、妥協しない(50代)
  • コメに代わる主食を探したり、ブランド米以外のコメを買ったりしている(60代)
  • 特に大きな変化はないが、無駄の削減を心がけるようになった(60代)

 今回は、「新米シーズン間近!コメの価格、まだ高い?もう安い?」というテーマで行った各種質問の回答結果をまとめました。今後もさまざまなテーマを用意し、個人投資家の皆さまのお考えを伝えていきます。


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