2025年上期業績はまちまち、下期の減速懸念も2026年は見通し良好

現地コード 銘柄名 00285

比亜迪電子国際


(BYDエレクトロニック)


株価 情報種類

41.18HKD
(9/1現在)


株価
企業情報
チャート

 スマートフォンなどの電子機器受託製造(EMS)を手掛けるBYDエレクトロニックの2025年6月中間決算は、売上高と粗利益率が市場コンセンサス予想から下振れる半面、純利益は上回った。買収した米ジェイビル(Jabil)中国製造部門の再編によるスマートフォン事業の減速を、自動車用インテリジェントシステム(AIS)事業の成長と研究開発費の縮小がカバーした。


 AISに関する経営陣のガイダンスの下方修正や中国向けサーバー需要の不透明感から、下期業績に対しては一定の減速懸念があるが、続く2026年には収益成長の可視性が高まる見込み。BOCIは目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。


 上期決算はまちまちの内容。売上高は前年同期比3%増の810億元と、市場予想を6%下回ったが、これは米主要顧客による需要と国内アンドロイド機向け需要の低迷が重なり、部品売上高が減少したため。それでも粗利益率は安定的で、営業利益は14%増加した。AIS製品の量産化に伴い研究開発費が10%縮小したことで、純利益は14%増の17億元と、市場予想から8%上振れた。


 経営陣は国内自動車販売の反動減を見込み、2025年通期のAISの増収見通しを「前年比50%超」から「同35-40%」に下方修正した。


 ただ、経営陣によると、2026年に関してはスマホとサーバー事業の見通しが良好。新たなハイエンドプロジェクトの始動による米主要顧客向け部品業務の50%拡大や、サーバー受託製造、液体冷却、電源ソリューション事業による国内外顧客の新規獲得が業績をけん引する可能性が高い。


 部門別に見ると、組立・部品事業は上期に減収。経営陣は2026年について、米主要顧客向けの売上高が前年比約50%増加するとみている。


 新インテリジェント製品(NIP)は上期に4%減収だったが、経営陣はサーバー事業の売上貢献が10億元に上ったと報告し、通期売上目標を30億-50億元に据え置いた。

サーバー事業は向こう2-3年で、年商100億元の目標を達成する見通しという。


 AIS部門の上期の売上高は前年比61%増。新エネルギー車(NEV)最大手である親会社BYD(01211)の販売増と1台当たり付加価値の向上がけん引した。ただ、BOCIは自動車販売台数の反動減によるBYDへのインパクトを見込み、2025-27年のAIS売上高予想を6%、6%、5%減額修正している。


 BOCIはまた、短期的な組立・部品事業とAIS事業の成長減速を理由に、同社全体の2025-27年の予想売上高を3%、4%、4%増額修正。予想1株当たり利益(EPS)を12%、6%、1%減額修正した。


 一方で、サーバービジネスの着実な進展もあり、中期見通しに変化はないと指摘。2026年予想株価収益率(PER)17倍を当てはめて目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。


(Bank of China int.)

編集部おすすめ