一度見直せばその効果が長く続く固定費。家計改善でまず手を付けたいポイントですよね。

今回は固定費の中でも特に節約効果の高い項目を四つに絞り、具体的なテクニックを交えながら紹介します。


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毎月必ずかかる「固定費」は今すぐチェック&家計を改善しよう

 家庭の支出は、大きく分けて「固定費」と「変動費」の2種類に分けられます。


  • 固定費:毎月かかる金額がほぼ一定で、一度設定すれば大きく変動しない支出。
  • 変動費:やりくり次第で金額が変動する支出。

 例えば賃貸住宅の家賃は通常は毎月大きく変わることはありませんし、スマートフォンの月額料金や各種保険料も、契約内容が変わらない限り一定です。これらが「固定費」に当たります。


家計の「固定費」見直しチェックシート!節約効果大な4項目から始めよう
 

 一方、外食を控えれば安くなる食費のように、日々使う量や選び方で金額が変わるものが「変動費」です。


 主な固定費と変動費は以下の通りです。


<固定費の例> 住居費 家賃・住宅ローン、管理費・共益費、固定資産税 水道光熱費
(使用量により変動) 電気代、ガス代、水道代 通信費 携帯電話代、固定電話代、インターネットのプロバイダ料金、NHK受信料など 保険料 生命保険、医療保険、住宅保険、自動車保険など サブスクリプション費用 動画・音楽配信サービス、ジム会費など <変動費>

 食費、日用品費、被服費、医療費、交通費、教育費、レジャー費、交際費など


 今回は「固定費」について説明します。


参考: 家計の見直しはどこから手を付ける?節約&貯金につながる5ステップ


節約効果の大きい固定費の項目と具体的な節約テクニック

 それでは、家計に大きなインパクトを与える固定費の節約テクニックを具体的に見ていきましょう。全てを実践する必要はありませんので、あなたのライフスタイルや状況に合わせて、取り組みやすいものから始めてみてください。


家計の「固定費」見直しチェックシート!節約効果大な4項目から始めよう
固定費の見直しチェック4項目

 それでは一つずつ解説していきます。


☑住居費:最も大きな支出なので見直し効果最大級!

 家賃や住宅ローンなどの住居関連費用は、家計の中でも最も大きな割合を占めることが多いため、削減できればその節約効果は絶大です。


 一方で、一度決めてしまうと変更が難しいという特徴もあります。特に賃貸の場合、安全性や快適性を考慮すると「ただ安ければ良い」というわけにはいきません。

安さと安心感、快適さのバランスを見極めることが重要です。


<持ち家の場合>
  • 住宅ローンをより低金利のものに借り換える
  • 繰り上げ返済で利息を減らす

注意点:住宅ローンの借り換えには、事務手数料や保証料などの諸費用がかかります。借り換え後の金利差や残りの返済期間によっては、借り換えによる利息軽減効果以上に費用が高くつく可能性もあります。ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談したり、金融機関が提供する借り換えシミュレーターなどを利用するなどして、慎重に検討しましょう。


<賃貸の場合>
  • 更新時により家賃の安い物件への引っ越しを検討する
  • 家賃の減額交渉をする
  • ルームシェアや勤務先の寮制度の利用を検討する

より安い物件を探すコツ:あなたにとって譲れない点と妥協できる点を明確にすることです。「エリア」「広さ」「駅からの距離」「築年数」「設備(エレベーター、オートロックなど)」といった条件を具体的に洗い出し、優先順位をつけましょう。


「繁華街の近くが便利」と思っていたけれど、「実際はあまり飲みに行かないから、飲食店が多くなくてもよかった」というケースもあるかもしれません。


 世間体や常識にとらわれず、あなたの性格やライフスタイルに照らし合わせて、本当に必要な条件を見極めることが大切です。家賃は手取り収入の3割以内が望ましいと一般的に言われています。


☑水道光熱費:契約プランの見直しで無理なく節約

 電気やガスは、契約プランを見直すことで、現在の料金よりも安くなる可能性があります。特に、電力自由化やガス自由化以降、多くの新電力・ガス会社が参入しており、さまざまな料金プランが提供されています。


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  • 電力・ガス会社の乗り換えを検討する

 電力比較サイトなどを利用し、より安いプランがないかリサーチしましょう。会社によってはお得なキャンペーンを実施している場合もあります。


 適切なプランは契約アンペア数や使用時間帯などの条件で変わるため、わが家の契約・利用状況をしっかり確認することが重要です。


注意点:近年のエネルギー価格の高騰に伴い、必ずしも「大手電力会社よりも新電力・ガス会社のほうが絶対的に安い」とは言い切れない状況になっています。


 また、キャンペーンによっては、一定期間内に解約すると解約金が発生するといった規約が設けられている場合もあるため、契約内容は隅々まで確認しましょう。最新の情報を確認し、あなたの利用状況に最も適したプランを選ぶことが大切です。


  • 水道代は日々の工夫で使用量を抑える

 水道は自治体(水道局)と契約するため、自分で会社を選んで乗り換えることはできません。そのため、「節水シャワーヘッドに取り換える」「食器洗い乾燥機を導入する」「洗濯はまとめ洗いをする」などご自身でできる工夫が大切です。


 なお、水道光熱費は一般的には固定費に分類されますが、家電の使い方など日々の努力によって使用量を抑えられる側面も持ち合わせています。


☑通信費:スマホ・インターネット料金は定期的な見直しがおすすめ

 総務省の調査によれば、平均的な携帯電話の利用料金は年々減少傾向にありますが、それでも月に5,000円以上支払っている人が3割を超えているのが現状です。


総務省 携帯電話の料金等に関する利用者の意識調査(概要)(令和3年5月)


 もし、あなたのスマートフォンの利用料金が高いと感じたら、以下の点をチェックしてみてください。


  • 大手キャリアから格安キャリアへ乗り換えを検討する
  • 格安キャリア間の乗り換えキャンペーンを利用する
  • 「家族割」や「セット割」などの割引を利用する

※家族複数人で同じキャリアを使うと割引される「家族割」、光回線や固定電話などとセットで利用すると割引される「セット割」


 料金プランの見直しや乗り換えについての情報は、以下の総務省のサイトでも確認できます。


携帯電話ポータルサイト(総務省)


 インターネット代も同様に、プロバイダー・回線業者の乗り換えキャンペーンや、前述のスマートフォンプランとのセット割など、安く使える手段がないか探してみましょう。現在の契約内容を見直すだけで、意外な節約につながることもあります。


☑保険料:ライフステージに合った保障で無駄をなくす

 よく理解できていないまま加入している人も少なくないのが保険です。特に生命保険や自動車保険は、家や車を購入する際に勧められたものに入るケースも多く、ともすれば「入りっぱなし」になりがちでしょう。


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 しかし、保険は「一度契約したら終わり」ではありません。ライフステージの変化に合わせて、保障内容を見直すことで保険料を安く抑えることが可能です。例えば、「子どもが独立したら死亡保険金は不要になる」「公的医療保険があるから、医療保険は最低限でよい」といった考え方もあります。


 次のような視点で、あなたの保険を見直してみましょう。


  • 安価な共済・県民共済への切替えを検討する
  • 公的保障(健康保険や雇用保険、各種年金など)でカバーされない部分のみ補う
  • 貯蓄型より掛け捨て型を選ぶ
  • 複数の医療保険で入院給付金が重複していないか確認する

 必要な保障に迷ったら、オンラインでできる保険見積もりサイトや無料の保険相談窓口を利用するのも良いでしょう。専門家のアドバイスを受けることで、最適なプランを見つけやすくなるでしょう。


家計の収支を把握することが成功の鍵!

 ここまで、主な固定費の節約テクニックをご紹介しました。これらは家計へのインパクトが非常に大きいので、ぜひ早めに見直してみてください。


 さて、家計の見直しの際に避けて通れないのは、「わが家の家計の把握」です。固定費や変動費の節約はもちろん大切ですが、そもそもの「収入」と「支出」を曖昧にしたままでは、効果的な節約は難しいでしょう。


 ぜひ、家計の現状もチェックしてみてください。おすすめは、家計簿をつける、または家計簿アプリを取り入れることです。最低限の労力であなたの家計を把握するコツは、以下の記事で解説しています。


参考: 家計簿の項目をざっくり分類!ズボラでも続けられる&無駄に気づける家計簿とは?


 また、固定費の見直しが済んだら、次は日々の工夫で金額を調整できる「変動費」の改善にも取り組むことで、さらに家計の健全化につながります。


まとめ:最初に頑張れば節約効果が続くのが「固定費」

 固定費節約には、


  • 各種の契約書や明細を準備し、内容をチェックする
  • シミュレーションサイトや相談窓口で見積もりをとる、専門家に相談するなど変更に必要な手続きをする

といったある程度の時間と労力が必要です。そのため、ついつい後回しにしたり、放置してしまいがちです。


 しかし、逆に言えば、この最初のステップさえ乗り越えてしまえば、その節約結果がずっと継続し、日々の努力なしで家計を助けてくれるでしょう。まさに「最初に頑張る価値」が十分にあるのが固定費の見直しです。


 あなたにとって取り入れやすいものから、ぜひ今日から早速手を付けてみてください。未来の家計がきっと楽になるはずです。


(しま)

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