子どもが生まれると「習い事は小さい頃から始めた方がいい!」と思いますよね。ピアノやスイミング、英語、スポーツ…やらせたいことが尽きず、全てに手を出してしまうと、意外と大きな金額になります。

習い事や教育費は「聖域化」しやすいので要注意です。今回は、6人の子どもを育てるママFPがリアルな習い事事情を大公開します。


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橋本家の習い事ルール

 私も子どもがまだ小さい頃は、いろいろと習わせたいと思ったものでした。しかし、「このままだと青天井になってしまう!?」と気づき、橋本家では習い事のルールを決めました。


 そのルールが「習い事は1人一つまで」。もしやりたいものがいくつかある場合は、優先順位をつけて本当にやりたいものをやるというようにしています。また、学校や地域の活動を最大限活用しています。選手になるような本格的なものでなければ、高いお金を払ってスクールに通わなくても十分だと思っています。


子ども6人の橋本家、子どもたちの習い事について

 今は6人きょうだいになった橋本家ですが、子どもが1人、2人の時代もありました。子ども1人目からの習い事の選び方、決め方をご紹介します。


■第1子(男子)の場合

赤ちゃん時代:ベビースイミングへ
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赤ちゃん時代 イラスト

 第1子が赤ちゃんの頃は、ママ友づくりと私の運動も兼ねて、週2日のベビースイミングに通っていました。月8,000円ほどだったと思います。


2歳~幼稚園時代:スポーツと勉強を始める
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 2歳になると、スポーツも選べるようになったため、週1日スイミング、週1日スポーツを選んでいました。


 幼稚園入園後はベビースイミングを辞めて、幼稚園で開かれていたサッカー教室(月5,000円・週1回)と、幼児教室(月5,000円・週1回)に通いました。合計で月1万円。

この頃はまだ「習い事1人一つ」のルールはできていません。スポーツ系とお勉強系の両方を少しずつ体験させることができました。


小学生時代:無料の児童館クラブと将棋、水泳教室へ
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水泳 イラスト

 小学生になると、児童館で開催されている1年生クラブに通いました。近所に3カ所あったので、週3日それぞれの児童館に通っていました。児童館なので参加費は無料です。


 また、将棋教室(月5,000円・週1回)にも少しだけ通いました。その後、区民プールの水泳教室(月3,000円・週1回)にも通いました。


小学3年生:「中学受験したい!」と衝撃の一言が…!
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「中学受験したい!」 イラスト

 小学3年生になると事件が起こりました。クイズ番組の影響で、「中学受験をしたい!」と言い出したのです…! 中学を私立進学、その前に塾へ通うとなると、家計は大きく変動することになります。学費だけでなく、塾代だけで年間数十万~百万円もかかってくるからです。


 そこで私は「特待生になったら塾に通っていいよ」という条件を出しました。もともと、私立中学進学はまったく考えていなかったため、もし特待生になれるほどの学力があれば、私立中学に進学する意味も大きいだろうと考えました。


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必要なお金を見える化 イラスト

 この決断で、学費についてはライフプランを作り直し、将来の教育費負担で家計が成り立つのか、10年先・20年先に必要なお金を見える化しました。その上で、私自身の収入アップによって対応できるかも検討しました。数字で裏付けが取れたことで、挑戦を後押しすることができました。


 中学受験をしたいと言い出した時は正直動揺しましたが、ライフプランを作って将来の見通しがついたこと、条件をつけて挑戦することで、親子で納得のいく選択ができたと思います。


■第2子(女子)の場合:習い事一つまでルールができる

 第2子は年子で生まれました。いつも長男と過ごしていたので、赤ちゃん期は特に習い事はしませんでした。


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習い事 イラスト

 幼稚園入園と同時に、長男と一緒に幼児教室(月5,000円)へ通いました。小学校に上がってからは、一年生グループに通いました。友達の影響でチア、ピアノ、スイミングとやりたいものが次々に出てきたため、この頃から「習い事は一つまで」というルールを導入しました。


 幼少期は特に熱を入れてやったという感じはなかったのですが、中学生になってからはチアダンス部に入部。強豪チームで毎日部活を頑張っています!


■第3子(女子)の場合:幼児教室に通い、チアを3カ月

 第3子も長男、長女と同じ幼児教室(月5,000円)で、1年生グループに通いました。小学1年生のときに、「友達と一緒にチアを習いたい」と言い、通いましたが2カ月くらいで辞めてしまいました。


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チア イラスト

 その後はコロナの影響もあり、何も習っていません。中学生になった今は、長女と同じチアダンス部で毎日厳しい練習を頑張っています。


■第4子(女子)の場合:週3日の吹奏楽団へ。学校の活動のためコスパ◎

 兄姉たち同様、幼児教室(月5,000円)の1年生グループに通いました。その後、児童館で開催されている卓球クラブ、一輪車クラブに週1で参加しています。


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ピアノ イラスト

 また、小学4年生から小学校で開催されている吹奏楽団に参加しています。週3回の練習がある本格的な活動ですが、学校の活動なので、費用は年会費2,000円と非常にリーズナブルです。コスパの良さに助けられています。


■第5子(女子)の場合:習い事には興味がなく、幼児教室と一輪車クラブのみ

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第5子(女子) イラスト

 兄姉たち同様、幼児教室(月5,000円)で1年生グループに通い、その後、児童館で行われている一輪車クラブに週1日で参加しています。習い事には興味がないようで、「お友達と一緒のバレエとかどう? ピアノは?」などと声をかけてみるものの、何もする気はないようです…。子どもによって性格の違いが出ますね。


■第6子(男子)の場合:幼児教室に通い中

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第6子(男子) イラスト

 まだ年長さんなので、幼児教室(月5,000円)に通っています。習い事ではありませんが、最近近所にある将棋カフェに行くようになりました。カフェに来る方々と将棋を楽しんでいます。


橋本家の習い事代の合計は?全体の平均値はいくら?

 橋本家では、毎月の習い事代は以下を目安にしています。


  • 一人当たり1万円以内
  • きょうだい合計月3万円程度

「6人もいるのに少ないですね!」とよく言われますが、これは「習い事は1人一つ」「学校や地域の活動を最大限活用」という方針のおかげです。


 文部科学省の調査によると、子ども1人あたりにかかる教育費のうち、学校外活動費(塾代や習い事代)の平均は以下の通りです。


  • 私立幼稚園:年間約16万円
  • 公立小学校:年間約22万円
  • 公立中学校:年間約36万円

 これに対し、わが家の場合、1人あたりの習い事代は年間12万円程度です。全国平均と比べると、かなり低めの水準かと思います。


どこまでかける?習い事費用を管理する上で大切な四つのポイント

1. 逆算してためる・かけるバランスを考える


 教育費は、子どもの年齢が上がるにつれて高額になり、まとまったお金が必要になります。基本的な考え方として、「大学資金を貯蓄しながら、高校までの学費は収入の範囲で賄う」というのが鉄則です。未就学と小学校時代はかかる費用が少ないため、学費のためどきです。


 この時期に習い事に使いすぎてしまうと、中学、高校、大学の本格的な教育費負担に備える資金が不足してしまいます。まずはライフプランを作成して、学費としてためなければいけない金額を逆算、その上で、習い事にいくらまでかけていいかを明確にしましょう。


2. 上限額を決める


 習い事はかけようと思えば、無限にお金がかかります。だからこそ「月○万円まで」と予算を決めておくことが大切です。


 橋本家の場合は、「習い事は1人一つ」ルールですが、習い事によっては月謝だけでなく、発表会費用、衣装代、ユニフォーム代など高額な費用が発生する場合もあります。事前にしっかり確認しておきましょう。


3. 学校や地域の活動をフル活用


 公立学校の部活動や自治体主催のスポーツ教室、地域センターの文化教室などは、費用が安いことが多いです。とはいえ、内容は本格的なものも多く、コスパに優れています。


 ぜひお住まいの地域の自治体HPや掲示板、広報誌などで確認してみてください。申し込み期間が決まっていたり、抽選が必要な場合もあるので、早めにチェックしておくことをお勧めします。


4. 子どもの意志を尊重する


 習い事は親が「やらせたい」と思っても、子ども本人が続けたいと思わなければ意味がありません。「せっかく始めたのにすぐ辞めてしまったらもったいない」と思いがちですが、たとえ短期間でやめても、こどもの「経験」として価値はしっかり残るのではないでしょうか。


 本人が「やりたい!」という強い気持ちがある場合には、家計の中で優先順位を上げて検討してもよいでしょう。ただし、無制限に認めるのではなく、ライフプランをベースに「わが家でいくらまで可能か」を見極めることが大切です。子どもの意志と家計の現実、その両方を踏まえて判断しましょう。


まとめ

 親は子どもにいろいろなことを経験させたいものです。子どもが小さいうちはお金がかからないため、習い事に費用が膨らんでしまうことがあります。ただ、将来本当に必要なときに家計が苦しくなってしまっては本末転倒です。

ライフプランをつくって将来の見通しを立て、必要なら他の支出を減らす、または収入を増やす方法を考えましょう。


 急に収入を増やすことはなかなか難しいものです。今のうちからできる対策はないかを考えておくといいでしょう。全体を見通した上での「今」を考えることが、将来にわたって家計を守る上で重要なポイントです。子どもの「やりたい!」を応援する方法として、ぜひ参考にしてみてください。


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(橋本 絵美)

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