2025年7-9月期利益はやや下振れ、創業者の曹会長退任は長期成長にプラス
現地コード 銘柄名 03606福耀玻璃工業集団
(フーヤオ・ガラス・インダストリー・グループ)
株価 情報種類
71.60HKD
(10/17現在)
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自動車用ガラスの中国最大手、福耀ガラスの2025年7-9月期決算は売上高が前年同期比18.9%増と、ほぼBOCIの予想通りの水準だった。国内売上高がBOCIの予想を小幅に下回る半面、海外売上高の伸びが一段と加速し、予想から上振れた。
同社は決算発表と同時に、2027年1月の予想より前倒しで、創業者である曹徳旺(ツァオ・ダーワン)会長の退任を発表したが、新たに会長に就任した曹暉(ツァオ・ホイ)氏は子息であり、BOCIは家族経営における計画的な引き継ぎとの見解。戦略的なガバナンスと持続可能性の最適化に向けた判断だと受け止めている。
短期的には投資家心理に影響する可能性を示しながらも、海外事業の強さや製品アップグレード、EVシフトに伴う利益の回復という長期ストーリーに揺るぎはないと指摘。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
7-9月期の売上高は前年同期比18.9%増の118億5,000万元(前期比では2.7%増)。うち国内売上高は16.2%増の58億元と、4-6月期とほぼ同じ伸び率。国内の乗用車生産台数が11.7%増から14.2%増へ加速したことを考えれば、やや物足りない数字となった。
半面、海外売上高は約29%と、4-6月期の約25%増からさらに加速。高付加価値製品の比重拡大を受け、自動車用ガラス全体の平均販売価格は前年同期比8%と、ほぼ予想通りの上昇率を示した。
7-9月期の粗利益率は37.9%と、前期比0.6ポイント低下した。
海外事業では、19年に買収した独FYSAMの7-9月期の売上高は前年同期比53%減。一過性要因を除外しても19%減と低調だったが、営業効率の厳格な管理の下、営業損失は60万ユーロと、前期並みを維持した。
一方の米国事業の売上高は7-9月期に前期比4%増の3億300万米ドルと、3四半期連続で増加したが、営業利益は前期比20%減。電力価格の上昇と政府補助金の計上による前年同期実績の高さが影響した。
BOCIは2025-26年の予想純利益を93億2,000万元、100億元にほぼ据え置いた。会長の交代については、創業家中心から、制度化されたガバナンスへの進化を意味するとして前向きに評価。さらに曹徳旺氏は退任後も、終身名誉会長兼取締役として「戦略顧問」としての役割を担うとした。
強い影響力を持つ同氏の会長職退任が短期的に株価に影響する可能性を指摘しながらも、同社の中長期の成長ストーリーがトップ交代による影響を上回るとの見方。2026年予想株価収益率(PER)20倍をベースとした目標株価を据え置き、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
(Bank of China int.)

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