2025年7-9月期も急成長持続、「ラブブ」以外の新IP人気が寄与

現地コード 銘柄名 09992

泡泡瑪特国際集団


(ポップマート)


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250.40HKD
(10/22現在)


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 中国のデザイナーズトイ最大手、ポップマートの2025年7-9月期の売上高は前年同期比245-250%増と、市場予想を上回る伸びだった。国内売上高が185-190%増と加速する半面、海外向けは360-370%増に減速したが、これは前年同期実績が高くなったため。


 BOCIは新知的財産権(IP)の「Twinkle Twinkle」シリーズの爆発的人気と海外での店舗網の拡充を理由に、10-12月期も売上高の力強い伸びが続くとみる。また、米関税リスクに関しては、戦略的な価格調整と生産能力の移転を通じて対処可能との見方。目標株価を引き上げ、株価の先行き対して強気見通しを継続している。


 最新業務統計によると、7-9月期の売上高は前年同期比245-250%増と、上期の同204%増から加速した。地域別では、国内売上高が185-190%増、海外では365-370%増(上期はそれぞれ135%増、440%増)。


 国内ではオフライン、オンライン売上高が130-135%増、300-305%増を記録し、上期比でさらに上向いた。主に「ラブブ(Labubu)4.0」の発売と、「Twinkle Twinkle」シリーズの出足早々の人気が寄与した形。


 海外では、米国、欧州での売上高が前年同期比1,265-1,270%増、735-740%増と爆発的な伸びを維持(上期は1,142%増、725%増)。アジア太平洋地域ではベース効果により、170-175%増に減速した(上期は258%増)。


 7-9月期には「Twinkle Twinkle」が爆発的人気となり、うち「Sweet Dreams Forecast」シリーズは発売直後から一貫して品薄。中古市場では100%のプレミア価格で取引されている。


 10-12月期には、9月下旬に発売した「Fresh-Baked Mini Cookies」と「Savor the Moment」の両シリーズが売上高の高成長を支える見込み。

こうした人気IPの多様化は、主力の「ラブブ」の人気低下に対する投資家の懸念を和らげる効果がある。


 トランプ米大統領が発表した「全ての中国製品に対する100%の追加関税の導入」(11月1日付)がそのまま実施されるかは不透明だが、BOCIは米中貿易摩擦の長期化を予想。それでも、ポップマートはマイナス影響を転嫁できるとみている。


 実際、同社は上期に、米国での価格調整に成功。自社製品への強い訴求力を証明した。同社はまた、米国での急速な需要増に対応するため、ベトナムへの生産移転を加速させている。


 BOCIはベース効果による段階的な収益成長率の減速を見込み、目標株価の算出ベースを2025年予想株価収益率(PER)38倍、2026年予想PER27倍に下方修正(修正前は45倍、32倍)した。その半面、7-9月期も急成長の勢いが続いたことで、2025年、2026年のコア純利益予想を20%、23%増額修正。目標株価を引き上げた。


 一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、過当競争と消費者の嗜好(しこう)の変化、ブランド価値の低下、人気IPの確保難の可能性に加え、関税引き上げやその他規制面の不確実性を挙げている。


(Bank of China int.)

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