長期積立投資が投資の王道と語られることが増えた今。長期では威力を発揮できるものの、短期間では大きな利益を期待できません。

では、短期間で大きな利益を目指すためには何が必要なのでしょうか。


20年も待てない投資家へ…短期間でしっかり利益を狙うための心...の画像はこちら >>

長期積立投資が市民権を得る時代に

 筆者が株式投資を始めたころ(1998年)、長期積立投資を行っている個人投資家は私の周りには皆無でしたし、実際少なかったと思います。投資信託はもちろんありましたが、今の様に種類は多くなく、さまざまなコストも高く、そもそも必ずしも長期積立投資ができる仕組みや環境になかったというのが実態でした。


 しかし、2024年(令和6年)スタートの新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)では、年間120万円までのつみたて投資枠は、まさに「積立投資」しかできないようになっているなど、今や長期積立投資が市民権を得た時代になったと実感します。


 さらには、長期積立投資こそが王道で、個別株投資はうまくいかない、といった声まで聞かれるようになり、27年前とは完全に逆の論調になったと感じます。


投資信託の長期投資は、短期間では大きな利益を期待できない

 投資信託の長期投資、特にここ約15年ほどは、世界中で株価指数が大きく上昇したこともあり、これが唯一の正解かのように発信する個人投資家も少なくありません。しかし、長期でならせば、インデックスファンドであれば年率のリターンは8%程度です。好成績のアクティブファンドでも、年率12%から13%程度です。


 仮にインデックスファンドを30年間保有し続ければ、年率リターン8%で計算して元本はおよそ10倍になります。


 しかし、保有期間が10年では、元本は2倍程度にしかなりません。これが複利の効果であり、投資期間が長くなればなるほど威力を発揮します。裏を返せば、短期間では大きな利益は期待できないのです。


 この15年ほどの上昇は、まれに見る好調なマーケット環境という幸運がもたらしたと捉えるのが賢明でしょう。


若くない個人投資家は20年、30年と待てない

 さて、筆者の周りの個人投資家には、60代、70代の方も少なくありません。


 確かにインデックスファンドや、優良なアクティブファンドを20年、30年と保有し続ければ大きなリターンは期待できるでしょう。

しかし、70歳の方が30年後に大きな資産を築いても、100歳になってからでは有効に活用することが難しいでしょう。


 そのため、3年や5年といった短期間で、できるだけ大きな利益を得たいというニーズが強く存在します。


 しかし、単に投資信託をバイ・アンド・ホールドしているだけでは、そのニーズに応えるのは困難です。


 ではどうすればよいのでしょうか。それは、投資信託をバイ・アンド・ホールドするだけでなく、個別株を、売買タイミングを図りながら運用することです。


 ただし、マーケットタイミングを計る運用は、失敗する可能性も高まり、不確実性が強まります。その結果、期待したような利益を得られない可能性もある点は承知しておく必要があります。


トレンドに乗ることで利益アップを目指す

 例えば、多くのアクティブファンドが投資銘柄として組み入れている半導体関連銘柄があります。


 この銘柄は昨年に高値を付けた後、1年足らずで株価は4分の1以下に下落しました。しかし企業価値が毀損(きそん)したり劣化したりするような状況ではないため、アクティブファンドはこの間もこの銘柄を保有し続けました。また、インデックスファンドはそもそもバイ・アンド・ホールドですから、当然ながらこの銘柄を保有し続けました。


 しかし、私たち個人投資家であれば、株価が4分の1になるのをただ黙って見ている必要はありません。株価が下落を始めた段階(例えば移動平均線割れ)で売却し、再び上昇を始めた段階(例えば移動平均線超え)で買い直すことで、バイ・アンド・ホールドよりも多くの利益を残せる可能性があります。

筆者もこの銘柄に関して同様の投資行動を行い、利益を確保できました。


個別株投資とファンドの長期投資の組み合わせでリスク軽減を目指す

 基本的に優良な銘柄を選んでバイ・アンド・ホールドするという考え方はファンドと同じですが、株価が下落している間は保有せずにいられるのが個人投資家の強みです。


 この場合、しっかりとした売買ルールを設け、上昇トレンドで利益を確保し、下降トレンドでは利益の目減りや損失の拡大を防ぐことが重要です。


 また、ファンドが投資対象としない小型株も個人投資家は購入でき、こうした銘柄は短期間で株価が5倍、10倍と急騰することも少なくありません。


 とはいえ、売買タイミングを図ろうとしても常に成功するとは限らず、銘柄選択の実力でファンドマネジャーなどのプロ投資家には個人投資家が及ばないのも事実です。


 従って、短期間で大きな成果を目指し、投資資金全てを個別株に投じるのではなく、ある程度の資金は長期投資に回し、失敗をカバーできる体制を整えておくことが重要だと筆者は考えます。


【動画で学ぶ】足立武志さんの株投資テクニック満載!

[動画で解説]株価下落と円高でNISAに損失!どんな対処をすればよい?


[動画で解説]配当金目的の投資、下落が続く株を買って大丈夫?


[動画で解説]成長株、割安株、高配当利回り株…どの株を選べばいい?


(足立 武志)

編集部おすすめ