2025年7-9月期は12%減益も予想上振れ、原油価格の軟化局面で抵抗力

現地コード 銘柄名 00883

中国海洋石油


(CNOOC)


株価 情報種類

20.02HKD
(10/31現在)


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 中国最大のオフショア石油開発会社、CNOOCの2025年7-9月期の純利益は前年同期比12%減、前四半期比2%減の324億元と、BOCIの予想を6%上回った。主にトレーディング利益の上振れによるもの。

生産量の小幅減と単位コストの増大が、前四半期比の減益要因となった。


 BOCIは原油価格の軟化とコスト増を理由に、続く10-12月期については前四半期比21%の減益を見込む。一方、2025年12月通期決算に関しては予想純利益を1%上方修正。目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。


 7-9月期の石油・ガス生産量は前四半期比1%減の1億9,370万BOE(石油換算バレル)。台風で操業停止となった中国オフショアに加え、アフリカ、カナダなど海外の一部地域で生産量が縮小した。その影響もあり、単位当たり営業費用と総費用は同15%、5%増。原油の実勢価格は7-9月期に1バレル=66.6米ドルと、1%上向いたものの、前四半期比での減益は避けられなかった。


 1-9月期の累計では、石油・ガス総生産量は前年同期比7%増の5億7,830万BOE。同社が設定した通期の生産量見通し(中央値)の75.1%を消化した。純利益は13%減の1,020億元だった。


 続く10-12月期の純利益について、BOCIは前四半期比21%減を見込む。

世界的な原油の供給過剰を受け、ブレント原油の平均価格が同8%安の1バレル=63米ドルにとどまるとの予測が背景。同社が例年10-12月期に、多額のコストを計上する傾向にあることも合わせて反映させた。


 BOCIは原油価格の軟調が向こう2年にわたって続くとしながらも、同社の利益は底堅く推移すると予想。その理由として、低コストと生産量の拡大により、価格低下の影響をある程度カバーできるとした。配当性向は今後3年間、45%で推移するとみて、現在株価の配当利回りは5.9-6.6%の魅力的な水準にあるとしている。


 BOCIは主に利益と配当に関する予測の修正に伴い、目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。新たな目標株価に基づく2025-27年の予想平均配当利回りは、これまでと同じ5%となる。


 一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、原油価格急落の可能性と、予想外にコストがかさむ可能性を挙げている。


(Bank of China int.)

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