東京エレクトロンの2026年3月期2Qは11.2%増収、6.9%営業増益。業績堅調。

ロジック・ファウンドリ向けが堅調だったほか、HBMを含むDRAM向け、NAND向けが好調。地域別では韓国向け、中国向けが伸びた。2026年3月期会社予想は上方修正されたが、なお上方修正余地があろう。今後6~12カ月間の目標株価を引き上げる。


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「 決算レポート:東京エレクトロン(今2Qは業績堅調。会社側は2026年3月期通期業績予想を上方修正した) 」


毎週月曜日午後掲載


本レポートに掲載した銘柄 東京エレクトロン(8035、東証プライム)


1.東京エレクトロンの2026年3月期2Qは11.2%増収、6.9%営業増益。業績堅調。

 東京エレクトロンの2026年3月期2Q(2025年7-9月期、以下今2Q)は、売上高6,300.82億円(前年比11.2%増)、営業利益1,584.59億円(同6.9%増)となりました。今1Q決算発表時の会社予想、売上高6,004億円、営業利益1,433億円を上回りました。

活発な設備投資、研究開発費、採用の増加によって、営業利益率は今1Q26.3%から今2Q25.1%へやや低下しました。


 アプリケーション別売上高を見ると(表2)、ロジック・ファウンドリ向けが今1Q2,528億円から今2Q2,685億円へ堅調に伸びました(売上高は会社側開示の売上構成比より楽天証券計算。以下同様)。また、DRAM向けは同1,027億円→1,229億円、NAND等不揮発性メモリ向けは同395億円→637億円へ増加しました。DRAM向けはHBM向けを含むDDR5向けが増加しました(「DDR5」はDRAMの最新規格で、DDR5のウェハを8枚または12枚積層して今のHBMの主流である「HBM3e」を作る)。NAND向けはAIデータセンター向けに最新型NANDの需要が増加しました。


 地域別売上高を見ると、韓国向けが今1Q883億円→今2Q1,325億円へ増加しました。過去最高だった前4Q1,470億円に近い数字になりました。HBMを含むDRAM向け、NAND向け、ロジック・ファウンドリ向けのいずれもが増加したと思われます。台湾向けは同1,115億円→1,197億円と堅調でした。また中国向けは、同2,121億円→2,541億円と増加しました。会社側は下期の前倒しがあったとしていますが、中国半導体メーカーの設備投資が再び増加に転じている可能性もあります。


表1 東京エレクトロンの業績
決算レポート:東京エレクトロン(今2Qは業績堅調。会社側は2026年3月期通期業績予想を上方修正した)
株価 32,800円(2025/11/7)発行済み株数 458,403千株時価総額 15,035,618百万円(2025/11/7)単位:百万円、円出所:会社資料より楽天証券作成注1:当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。注2:発行済み株数は自己株式を除いたもの。

表2 半導体製造装置のアプリケーション別売上構成比と売上高(新規装置のみ)
決算レポート:東京エレクトロン(今2Qは業績堅調。会社側は2026年3月期通期業績予想を上方修正した)
単位:%、億円出所:会社資料より楽天証券作成。注1:売上高は会社公表の売上構成比から楽天証券計算。注2:2021年4-6月期からは新収益認識基準。注3:端数処理のため合計が合わない場合がある。

表3 東京エレクトロン:半導体製造装置の地域別売上高
決算レポート:東京エレクトロン(今2Qは業績堅調。会社側は2026年3月期通期業績予想を上方修正した)
単位:億円出所:会社資料より楽天証券作成。注1:端数処理の関係で合計が合わない場合がある。注2:2021年4-6月期からは新収益認識基準。注3:2023年4-6月期よりFPD売上高を含む。

2.会社側は2026年3月期業績予想を上方修正した。

 今2Qの業績を見て、会社側は2026年3月期通期業績予想を上方修正しました。それによると2026年3月期会社予想は、前回予想の売上高2兆3,500億円(前年比3.4%減)、営業利益5,700億円(同18.3%減)から、売上高2兆3,800億円(同2.1%減)、営業利益5,860億円(同16.0%減)へ上方修正されました。


 ただし、新しい会社予想は上期実績に対して従来の下期予想を加えたものとほぼ同じになります。


 一方、私はAI半導体向け中心に3ナノの増強、量産が始まったばかりですが需要が大きい2ナノの設備投資増加が予想されること、2025年10-12月期からHBMの最新型「HBM4」の出荷が開始され、2026年に本格出荷されること、それに伴いDDR5ウェハの増産投資が期待できること、NANDもAIデータセンター向けの需要が期待できるため、従来よりは高い水準のNAND向け設備投資が期待できることから、会社予想以上の業績があり得ると予想します。楽天証券では2026年3月期を売上高2兆4,500億円(同0.8%増)、営業利益6,100億円(同12.5%減)、2027年3月期を売上高2兆8,500億円(同16.3%増)、営業利益7,600億円(同24.6%増)と予想します。前回予想から上方修正します。


表4 半導体製造装置のアプリケーション別売上構成比と売上高(新規装置のみ)(年度ベース)
決算レポート:東京エレクトロン(今2Qは業績堅調。会社側は2026年3月期通期業績予想を上方修正した)
単位:%、億円出所:会社資料より楽天証券作成。注1:売上高は会社公表の売上構成比から楽天証券計算。注2:2021年4-6月期からは新収益認識基準。注3:端数処理のため合計が合わない場合がある。

表5 半導体製造装置のアプリケーション別売上構成比と売上高(新規装置のみ)(半期ベース会社予想)
決算レポート:東京エレクトロン(今2Qは業績堅調。会社側は2026年3月期通期業績予想を上方修正した)
単位:%、億円出所:会社資料より楽天証券作成。注1:売上高は会社公表の売上構成比から楽天証券計算。注2:2021年4-6月期からは新収益認識基準。注3:端数処理のため合計が合わない場合がある。

表6 東京エレクトロンの中国向け売上高
決算レポート:東京エレクトロン(今2Qは業績堅調。会社側は2026年3月期通期業績予想を上方修正した)
単位:億円出所:会社資料より楽天証券作成。予想は楽天証券。

3.今後6~12カ月間の目標株価を前回の3万2,000円から4万2,000円に引き上げる。

 東京エレクトロンの今後6~12カ月間の目標株価を、前回の3万2,000円から4万2,000円に引き上げます。


 楽天証券の2027年3月期予想1株当たり利益(EPS)1,291.4円に今後の成長性を考慮して想定株価収益率(PER)30~35倍を当てはめました。


 引き続き中長期で投資妙味を感じます。


本レポートに掲載した銘柄 東京エレクトロン(8035、東証プライム)


(今中 能夫)

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