11/11にかけて15営業日連続上昇し史上最高値を更新したボベスパ指数。ブラジル株式市場好調の要因と今後の展望に迫ります。


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1. ブラジル・ボベスパ指数が15連騰

 ブラジル株式市場の代表指数であるボベスパ指数が、2025年10月22日~11月11日にかけて15連騰し(15営業日連続上昇)、史上最高値を更新しています。15連騰はおよそ30年ぶりの快挙とのことで、ブラジル株式市場に大きな変化が起こっている可能性があります。


 図表1は、過去2年程度のボベスパ指数とブラジルの政策金利の推移ですが、2024年9月~2025年6月に7会合連続で続いた利上げが7月の会合で停止された頃から株価上昇の勢いが増したように見えます。


 利上げは停止したのでしょうか? 次なる政策変更は利下げなのでしょうか?


[図表1] ブラジル・ボベスパ指数と政策金利の推移
上昇が続くブラジル株は買いなのか?
期間:2023年10月2日~2025年11月13日、日次(出所)Bloombergのデータを基に野村アセットマネジメント作成

2. インフレ鎮静化で利上げ停止、年明けにも利下げか?

 ブラジル中央銀行が利上げ停止を決定した背景にはブラジルのインフレが鎮静化してきたことがあげられます。


 図表2はブラジルの消費者物価指数(CPI)の推移ですが、今年4月分の前年同月比+5.53%をピークに鎮静化しており、翌5月分が同+5.32%に減速しました(6月10日発表)。インフレ鎮静化を受けて6月の中銀会合では利上げ幅を0.25ポイントと、前回5月会合の0.50ポイント、前々回3月の1.00ポイントから縮小しました。


 そして、6月分のCPIも同+5.35%(7月10日発表)と前月並みとなったことを確認し、7月の会合では利上げを停止しました。


 その後、9月、11月の会合でも政策金利は据え置かれ、その間もインフレが落ち着いていたことからか、11月会合では声明文が微妙に修正され、その修正について市場では「利下げ局面入り」との思惑が広がり、年明けには利下げが開始されるとの期待が広がっているようです。


 また、直近の10月分のCPIは同+4.68%まで減速しており、中銀目標レンジ上限の+4.5%にかなり近づいてきたことも市場の利下げ期待を高めたようです。


[図表2] ブラジルCPI(消費者物価指数、IPCA)の推移
上昇が続くブラジル株は買いなのか?
期間:2023年1月~2025年10月、月次(出所)Bloombergのデータを基に野村アセットマネジメント作成

3. 米国株式市場からの資金流入の可能性も

 ここへ来てブラジル株式市場が好調に推移している要因として、米国株式市場から資金が流入しているとの観測もあります。


 図表3は、ブラジル・ボベスパ指数と米ハイテク株中心のNASDAQ-100指数の株価収益率(PER、12カ月先予想ベース)の推移です。


 人工知能(AI)関連株式の上昇などによって、NASDAQ-100指数のPERが上昇して図表3の2023年来のレンジの高値圏にある一方、ボベスパ指数のPERは業績が堅調に推移しているにもかかわらず(Bloomberg予想では、2025、2026年と7~8%程度の増益予想)、絶対水準で1桁と低位にあります。


 こうした状況を受けてか、代表的な米国上場の上場投資信託(ETF:iShares MSCI Brazil ETF)に資金が大きく流入するなど(発行済株式数が年初来で4割増)、割安なブラジル株式へ海外資金が流入している様子もうかがえます。


 こうした流れが続けば、ブラジル株式に限らず、割安感がある世界中の株式市場には資金流入のチャンスがあると思われ、今の流れはしばらく続くかもしれません。


 今回のブラジル株式の15連騰は、「単なる株高」と見るのではなく、インフレ鎮静化、利下げ転換期待、海外からの資金流入、業績も堅調に推移など、複数の要因がそろった「構造的な上昇」と見る向きもあるようです。連騰後だけに目先の調整はあるでしょうが、中長期的には期待をもって見て良いのではないでしょうか。


[図表3] ブラジル・ボベスパ指数とNASDAQ-100指数のPERの推移
上昇が続くブラジル株は買いなのか?
期間:2023年1月2日~2025年11月13日、日次PERは12カ月先予想ベース(予想はBloomberg予想)(出所)Bloombergのデータを基に野村アセットマネジメント作成

<関連銘柄>
NEXT FUNDS ブラジル株式指数・ボベスパ連動型上場投信(証券コード:1325)


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(阪井 徹史)

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