エヌビディアの四半期決算は、売上・利益ともに市場予想を上回りました。株価は時間外取引で上昇し、市場にはひとまず安心感が広がりました。
※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の土信田 雅之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「 エヌビディア好決算でAI相場「第2幕」は来るか? 」
エヌビディア決算、売上高・利益とも市場予想上回る
今週の19日(水)の米国株市場の取引終了後に、世界中の投資家が注目する米半導体エヌビディア(NVIDIA)の決算(2025年8-10月期)が発表されました。
売上高・利益ともに市場予想を上回り、米国株市場の時間外取引(アフターマーケット)では、エヌビディアの株価が約5%上昇。これを受けた20日(木)の日本株市場でも、ソフトバンクグループの株価は前日比で1.89%高、アドバンテストは同8.80%高、ディスコは同6.87%高、レーザーテックは同6.17%でした。エヌビディア決算の通過によって、株式市場は一定の安堵(あんど)感でポジティブに反応した格好です。
では、エヌビディア決算によって、このままAI相場は上昇し、「第2幕」を迎えることになるのでしょうか?
そこで、まずは今回のエヌビディア決算の概況を簡単に整理してみます。
<図1>米エヌビディアの売上高、純利益、売上高および純利益成長率の推移
上の図1は、エヌビディアの四半期ごとの売上高や純利益を棒グラフで表し、前年同期比の成長率を折れ線グラフで示したものです。
折れ線(成長率)グラフの推移に注目すると、売上高成長率はかつての200%超えの増加から、今回は62%増、来期見通しでは約50%増へと徐々に低下傾向にあり、一見すると成長が鈍化しているようにも見えます。ただし、棒グラフ(売上高・純利益の実額)は着実に過去最高を更新し続ける見通しとなっています。
当然ながら、売上規模が巨大になれば、成長率が下がるのは「大数の法則」的に不可避ですし、「売上600億ドルで50%成長」が生み出す利益額は、過去の「売上100億ドルで200%成長」よりもはるかに大きくなるため、エヌビディアに対する市場の評価軸が「成長速度」から「実際に稼ぐ利益の実額」に変化していくと思われます。
また、最大の懸念だった次世代チップ(Blackwell)について、「生産はフル稼働しており、次の四半期(第4四半期)だけで数十億ドル(数千億円)売り上げる」との強力な見通しが示されたことも安心材料となりました。
これにより、AIを背景とした半導体需要の強さが確認され、しばらくは業績の成長が続いていく見方が強まったと言えます。
市場の初期反応と「選別」の始まり
では、決算発表直後の株式市場はどう反応したのでしょうか?
<図2>2025年11月19日(水)の米時間外取引(アフターマーケット)の状況
上の図2は、2025年11月19日(水)の米時間外取引(アフターマーケット)でAI・半導体関連銘柄がどう反応したのかについてまとめたものです。
冒頭でも述べた通り、決算を発表した当事者のエヌビディアは5.08%上昇し、株式市場の初期反応としては良好でしたが、関連銘柄の反応はおおむね上昇しているものの、一様ではないことが分かります。
例えば、「ハイパースケーラー」と呼ばれる大手テック企業を見ると、マイクロソフトが19日(水)の通常取引の終値比で1.35%高、アルファベットが同じく2.39%高、アマゾンが1.88%高、メタ・プラットフォームズは1.64%高となっており、エヌビディア決算の波及効果としては、上値の伸びはイマイチと言えます。
また、パランティア・テクノロジーズは4%を超える上昇となりましたが、直近の高値からは20%以上も下落していたこともあって、買い戻しが入りやすい状況だったと考えられます。
<図3>米主要AI・半導体関連銘柄のPEGレシオの状況(2025年11月19日時点)
上の図3は、11月17日のレポートでも紹介した、米主要AI・半導体関連銘柄のPEGレシオの状況です。
2025年11月17日: エヌビディア決算でAI相場の反撃はあるか?金融株の上昇は続く?
PEGレシオとは、株価収益倍率(PER)を利益成長率で割ったもので、「PERに見合った利益を生み出しているか?」という視点で株価の割高感を探る指標になります。
19日(水)時点のパランティア・テクノロジーズのPEGレシオは4.69倍となっていて、他の銘柄と比べてもかなり割高と言えます。
パランティア・テクノロジーズの決算は11月3日に発表され、今回のエヌビディアと同様に業績・見通しともに良好な内容だったのですが、株価が下落で反応したのは、こうした割高感が影響したと思われます。
図3にもあるように、現在もパランティア・テクノロジーズの割高感が解消されたとは言い切れず、株価を戻すことはできても、再び高値を更新できるかどうかは微妙かもしれません。
従って、エヌビディア決算を通過した株式市場はひとまず上昇で反応していくことになりそうですが、AI・半導体関連銘柄に対する評価軸が、これまでの「AI関連ならば何でも上がる」全面高の状況から、利益の絶対額や割安度へとシフトしつつあることや、買い戻しから再び買い上がれるかを見極めていく必要があることを踏まえると、仮にAI相場の「第2幕」入りとなった場合、銘柄を選別しながら進んでいく展開を想定していく必要がありそうです。
AI相場はこのまま上昇?「第2幕」の構造
そこで、現時点では皮算用になるかもしれませんが、AI相場第2幕について、想定し得る焦点についていくつか考えていきたいと思います。
まずは、これまでも見てきたように、AI・半導体関連の「全面高」フェーズが終焉(しゅうえん)し、当面の間は業績や成果で銘柄が選別される状況になることが想定されます。
次に、関連銘柄の「中身」を見極めていくことが想定されます。
具体的には、これまでの相場をけん引してきた、データセンターやAI開発といった「インフラ」銘柄中心だった状況から、そのインフラをベースにAI環境を整える「プラットフォーム」銘柄や、実際にこれらのインフラやプラットフォームを活用して新たなビジネスを展開していく銘柄へと、同じAI関連であっても、物色される銘柄の中身が時間の経過とともに変化・拡大していくことになります。
従って、AI・半導体関連銘柄の中でも、業績を伴ったインフラ関連銘柄を「コア」に据えつつ、これから伸びてきそうな銘柄や出遅れ銘柄を「サブ」に取り入れるといった具合に、ポートフォリオを組んでいくことが今後の投資戦略として有効になってくると思われます。
あくまでも参考ですが、例えば「コア」銘柄としては、データセンターおよびAI開発に欠かせない企業(エヌビディアやブロードコムといった半導体製造や、製造過程に必要な装置を手掛けるアドバンテストやディスコなど)をはじめ、データセンター運営に必要な電力供給を支援する企業、さらに、データセンターを活用したクラウドサービスを提供して現段階で収益を上げている企業(マイクロソフトやアマゾンなど)を組み入れることが考えられます。
一方、「サブ」銘柄として、AIインフラを活用したサービスを提供し、今後の成長が期待される企業(アップラビンやサービスナウなど)や、AIの進化に伴うサイバーセキュリティへのニーズに応える企業(クラウドストライクなど)を組み入れることなどが考えられます。
<図4>米ナスダック総合(日足)とMACDの動き(2025年11月19日時点)
<図5>米SOX(日足)とMACDの動き(2025年11月19日時点)
もっとも、株価指数面に注目すると、ナスダック総合指数や半導体関連銘柄で構成されるSOX指数が19日(水)時点で50日移動平均線を下抜けており、トレンドの下落転換があってもおかしくない状況であるほか、SOX指数は10月29日の取引時間につけた高値(7,392p)から、11月18日の安値(6,479p)まで約12%下落しており、調整局面入りの目安とされる10%以上下落しています。
まずは、しっかりと株価を切り返すことができるか、そして、下抜けた2本の移動平均線(25日と50日)を回復できるかなど、上昇トレンドへの復帰を確認していく必要があります。
(土信田 雅之)

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