アルファベットの2025年12月期3Qは15.9%増収、9.5%営業増益。AIオーバービュー、AIモードで検索広告の伸びが回復、ユーチューブ広告も伸びが回復しており、グーグル・クラウドも好調が続いた。
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著者の今中 能夫が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「 決算レポート:アルファベット(自社製AI半導体「TPU」の外販を始める) 」
毎週月曜日午後掲載
本レポートに掲載した銘柄:アルファベット( GOOGL 、 GOOG 、NASDAQ)
1.アルファベットの2025年12月期3Qは15.9%増収、9.5%営業増益。
アルファベットの2025年12月期3Q(2025年7-9月期、以下今3Q)は、売上高1,023.46億ドル(前年比15.9%増)、営業利益312.28億ドル(同9.5%増)となりました。
増収率は、今2Q13.8%を上回る伸び率になりました。営業増益率は一桁に止まりましたが、これは、欧州委員会の罰金関連35億ドル(グーグル広告について競争排除的な行為があったため、2025年9月に欧州連合(EU)の競争関連法による罰金29.5億ユーロが科せられた)で販管費(一般管理費)が増加したほか、ユーチューブ向けコンテンツ取得費用、減価償却費、その他の技術インフラ運用費用(以上売上原価)、研究開発費(販管費)が増加したことによるものです。
セグメント別に見ると、グーグル・サービスは、売上高870.52億ドル(前年比13.8%増)、営業利益335.27億ドル(同8.7%増)となりましたが、欧州委員会の罰金35億ドルを除くと20.0%増と順調に伸びました。
グーグル・サービス売上高の中身を見ると、最も売上高が大きいグーグル検索他(検索広告)は、565.67億ドル(同14.5%増)となり、今2Qの同11.7%増から増収率が上向きました。
ユーチューブ広告は102.61億ドル(同15.0%増)となり、これも今2Q13.1%増から伸び率が上昇しました。優秀なレコメンデーションシステムにより、動画視聴時間が伸びオンラインショッピングに貢献したこと、NFLの試合のようなアルファベットが購入する独自コンテンツを強化したこと、Gemini、Veo(グーグルのAI動画生成ツール)などによるクリエーターへの支援などが、広告出稿の増加に寄与しました。
また、グーグル・サブスクリプション、プラットフォーム&デバイスは、売上高128.70億ドル(同20.8%増)となりました。今2Qに続き、ユーチューブ・プレミアム、ユーチューブ・ミュージック、グーグルワン(有料のクラウドストレージサービス)などの有料会員が増加しました。
グーグル・クラウドは、売上高151.57億ドル(前年比33.5%増)、営業利益35.94億ドル(同84.6%増)と好調でした。生成AI開発会社だけでなく、一般の大手企業のAI利用が増加しており、エンタープライズAI(企業向けAI)がグーグル・クラウドの業績を牽引しました。新規顧客、大口取引も増加しました。2025年9月末受注残は1,550億ドル(前年比82%増、2025年6月末比46%増)と大きく伸びました。
その他のベッツは、売上高3.44億ドル(同11.3%減)、営業損失14.26億ドル(前年同期は11.16億ドルの赤字)と営業損失が拡大しました。自動運転子会社「Waymo」による自動タクシー事業が進んでおり、まだ赤字ですが今後が期待されます。
地域別に見ると、全地域向けの伸び率が高くなりました。特にアジア・太平洋地域の伸びが高くなりました。
設備投資は、今2Q224.46億ドル、今3Q239.53億ドルと増加しました。設備投資の2025年12月期会社予想は前回予想の850億ドルから910~930億ドルへ上方修正されました。会社側は2026年12月期の設備投資は大幅に増えるとしています。これはグーグル・クラウドの受注残急増に対応するものと思われます。
なお、アルファベットの四半期ベースの営業キャッシュフローに対して、設備投資は平均してみると過度な水準ではありませんが、今後の動きを注視する必要はあると思われます。
表1 アルファベットの業績
表2 アルファベットのセグメント別業績(四半期)
表3 アルファベットの地域別売上高
グラフ1 米国の大手IT売上高動向:四半期
グラフ2 クラウドサービス大手3社のクラウドサービス売上高
グラフ3 米国の大手ITの営業キャッシュフロー動向:四半期
グラフ4 米国の大手IT設備投資動向:四半期
グラフ5 米国大手ITの営業キャッシュフロー設備投資比率
グラフ6 アマゾン・ドット・コムの設備投資/営業キャッシュフロー
グラフ7 検索エンジンの世界シェア
2.今期、来期と順調な業績が続こう。自社製AI半導体「TPU」の外販を開始した。
グーグル・サービスの伸び、グーグル・クラウドの好調は今4Q、来期も続くと予想されます。
また、アルファベットの最新型生成AI「Gemini3」の評価が高いことは、グーグル・サービス、グーグル・クラウド両方の事業にとってプラスになると思われます。
アルファベットは自社開発のAI半導体「TPU(テンソル・プロセッシング・ユニット)」の第7世代「ironwood」をグーグル・クラウドの顧客向けに外販します。まず、大手生成AI開発会社、アンソロピックに最大100万個、数百億ドルの「ironwood」を提供する計画です。これは2026年から納入される模様です。また、メタ・プラットフォームズとも商談中の模様ですが、成約すれば2027年に納入する模様です。
楽天証券では、アルファベットの2025年12月期を売上高4,010億ドル(前年比14.6%増)、営業利益1,300億ドル(同15.7%増)、2026年12月期を売上高4,720億ドル(同17.7%増)、営業利益1,680億ドル(同29.2%増)と予想します。2025年12月期は欧州委員会への罰金があったため前回予想から営業利益を下方修正しましたが、2026年12月期は上方修正しました。
なお、2026年12月期のグーグル・クラウド事業の予想の中に、TPU50万個、110億ドルを織り込みました。エヌビディアの「Blackwell」のベースモデルである「B200」が日本では約700万円(税抜き)、ドル換算で約4.5万ドルなので、「ironwood」の価格をこの半分の約2.2万ドルと仮定しました。
表4 アルファベットのセグメント別業績(年度)
3.今後6~12カ月間の目標株価を、前回の250ドルから400ドルに引き上げる。
アルファベット(GOOGL)の今後6~12カ月間の目標株価を、前回の250ドルから400ドルへ引き上げます。
楽天証券の2026年12月期予想1株当たり利益(EPS)12.26ドルに、AIを組み込んだグーグル検索、グーグル・クラウドの今後の成長とTPU外販開始によるインパクトを考慮して、想定株価収益率(PER)30~35倍を当てはめました。
中長期で投資妙味を感じます。
本レポートに掲載した銘柄:アルファベット( GOOGL 、 GOOG 、NASDAQ)
(今中 能夫)

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