2025年7-9月期は赤字転落もほぼ予想通り、利益率の悪化圧力続く

現地コード 銘柄名 02015

理想汽車


(リー・オート)


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(11/27現在)


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 中国の新興EVメーカー、理想汽車の2025年7-9月期決算は売上高が前四半期比9.5%減少(前年同期比では36.2%減)。非GAAPベースの純損益は赤字に転落したが、「MEGA」リコールの影響を除けばほぼ損益分岐点と、おおむね予想通りだった。


 ただ、フリーキャッシュフローは過去最大となる89億元のマイナス。前四半期比での販売減による営業キャッシュ流入額の縮小などが響いた。続く10-12月期の納車台数に関する経営陣のガイダンスは月3万5,000-3万9,000台。買い替え補助金の段階的な終了に伴い、新エネルギー車(NEV)全体の需要減速が見込まれる中、BOCIは予想を上回る数字と受け止めている。


 ほかにバッテリーサプライヤーの切り替え完了に伴い、「i6」の月間生産能力が2026年初めには2万台に達するとの見通しがプラス材料という。同社の現在株価は2025年、2026年予想株価売上高倍率(PSR)で1.3倍、1.0倍の水準にあり、BOCIは今回、目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに強気見通しを継続した。


 支援材料として、2026年1-3月期以降の「L」シリーズの切り替えに関する具体的な情報の更新を挙げた。


 7-9月期の売上高は前四半期比9.5%減の273億6,000万元と、販売台数の減少率(16.1%減)より小幅の減収率だった。「MEGA」の販売比率の上昇などが背景。平均販売価格が27万8,000元へ6.7%上昇した。車両マージンは15.5%と前四半期比4ポイント悪化したが、これは「MEGA」リコール引当金11億元が響いたためで、この要因を除くと予想を上回る19.8%。


 ただ、10-12月期はLシリーズ向け販促費用の増大と「i6」の販売比率の上昇がマージンを圧迫する見込み。

経営陣は前期比3-4ポイントの低下を見込む。


 7-9月期の非GAAPの純損益は3億6,000万元の赤字。過去11四半期連続の黒字記録が途絶えた。ただ、「MEGA」リコール引当金を調整すると、実質的な損益は小幅の損失にとどまり、ほぼ損益分岐点付近。自社のガイダンスやBOCIの予想通りだった。


 BOCIは市場競争の激化と予想外に早く需要縮小に見舞われたLシリーズレンジエクステンダーEV(EREV)の不振を反映し、2025-26年の予想出荷台数を40万5,000台、53万台に下方修正。これに伴い、予想売上高を10-18%減額修正し、それぞれ1,137億元、1,473億元とした。


 また、低利益率の「i6」モデルの比率上昇による粗利益率の低下などを反映させ、非GAAPの予想純利益を45-46%下方修正し、32億元、52億元に設定。引き続き2026年予想PSR1.5倍を当てはめ、目標株価を引き下げた。


 経営陣は決算説明会で、レンジエクステンダーEVモデルの刷新やバッテリー供給の確保による「i6」BEV(純EV版)の増産を背景に、2026年の年間販売台数が新記録を達成するとの目標を再度表明。さらに最新の戦略失敗を踏まえ、向こう10年間に向けて「スタートアップモード」に回帰する方針を発表した。


 ただ、BOCIはこの戦略転換が製品競争力や業績に反映されるまでに、かなりの時間がかかるとの見方を明らかにしている。


(Bank of China int.)

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