2026年度上期は43%増益、貴金属業界における有力プレイヤー

現地コード 銘柄名 00590

六福集団国際


(ルック・フック・ホールディングス)


株価 情報種類

25.78HKD
(12/2現在)


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 宝飾品販売大手、六福集団の2026年度上期(2025年4-9月期)の純利益は前年同期比43%増と、BOCIの予想を上回った。業況全体の回復や製品ラインアップの拡充などが好決算に寄与した。

BOCIは同社がこの先数四半期にわたり、業界内でも堅調な業績を維持すると予想。


 さらに、中国本土以外での直営小売ビジネスの比率(2026年度上期に50%超)が高い同社にとっては、金製品に対する中国の増値税(VAT)改革が追い風になる見通しを示した。


 相対的な低在庫コストやヘッジ損失の抑制、香港・マカオでの売れ行き好調などが2026年3月通期決算にプラスとなるとの見方。目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。


 2026年度上期の売上高は前年同期比26%増の68億4,300万HKドル。純利益は43%増の6億1,900万HKドル。


 金価格の高騰、粗利益率の改善(前年同期2ポイント上昇して34.7%)、ヘッジ損失の相対的な抑制(3億8,400万HKドル)に加え、強力なコスト管理が奏功したとみて、BOCIは決算内容を高く評価。特に同業の周大福珠宝(01929)との比較では一種のサプライズになったと指摘している。


 上期決算を見る限り、同社は貴金属業界における強力なプレイヤー。製品別では人気俳優チェン・イーをアンバサダーに寄与した「DiaBling」コレクションが好調だった。また、フランチャイジーの製品仕入れ元を六福集団の本社にするという戦略変更が寄与し(以前は指定サプライヤー経由)、上期には卸売売上高が倍増した。


 経営陣は2026年度下期の粗利益率の堅調を見込み、上期を上回る可能性もあるとしている。

11月の新たなVAT政策に伴い、中国本土の金製品価格が上昇し、結果的に本土と香港・マカオとの製品価格差が拡大する見込み。これが本土消費者の香港・マカオへの渡航を促すとみられ、売上高全体の5割強(上期には56%)を香港・マカオが占める同社には有利となる。


 BOCIは2026-28年度の予想コア1株当たり利益(EPS)(ヘッジ損益調整後)を13-21%上方修正した。特に2025年半ば以降の売上高の好調や、記録的な金高騰を背景とした粗利益率の堅調見通し、強力なコスト管理などが理由。


 2027-28年に2024-25年のような金価格の高騰が起きなければ、一定の利益圧力が生じると前置きしつつも、現時点では2026年3月期の大幅な利益改善を予想している。


 また、2027年度予想株価収益率(PER)9.0倍を当てはめて目標株価を引き上げ、株価の先行きに対する強気見通しを継続。5.4%に上る2026年度の予想配当利回りも一部投資家には魅力的だとしている。


 一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、消費低迷の長期化、金価格の変動による粗利益率の低下、店舗出店数の計画未達、競争激化による販管費の増大、予期せぬヘッジ損失などの可能性を挙げている。


(Bank of China int.)

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