AI・クラウド投資で追い上げ、データセンター関連事業が成長エンジンに

現地コード 銘柄名 00762

中国聯合網絡通信香港


(チャイナ・ユニコム・ホンコン)


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9.12HKD
(12/3現在)


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 BOCIは通信大手のチャイナ・ユニコムが北京で開催した投資家ミーティングに参加し、同社のデータセンターの天津武清区インテリジェントコンピューティングセンターを視察。2025年10-12月期以降のAI計算能力に関する力強い需要が確認されたと報告した。


 中国での国産画像処理半導体(GPU)の供給ブームがこの先、AIクラウド計算サービス需要をさらに刺激するとの見方。同社の目標株価を据え置き、株価の先行きに強気見通しを継続した。中国の3大通信キャリアの中では、チャイナ・テレコム(00728)、チャイナ・ユニコム、チャイナ・モバイル(00941)の順で選好するとしている。


 チャイナ・ユニコムにとって、データセンター主導型のビジネスは収益成長の原動力となっている。クラウドインテリジェンス製品は10月までに、約5,000万元分の売上増に貢献し、AI関連収入は約1億1,600万元。BOCIの推計では、天津子会社(天津ユニコム)の主要事業収益の17.2%を占める規模だった。


 BOCIが視察した天津のデータセンターは北京のAIコンピューティング需要の拡大に対応するために建設した施設。容量の大部分はインターネット事業者やその他第三者向けで、自社利用分は今のところ限定的。


 チャイナ・ユニコムが保有するコンピューティング能力は約200 P(ペタ=10の15乗)フロップスで、うち約100 Pが大学や医療機関、残る100Pが省レベルの政府開発区のAIコンピューティング用に割り当てられている。


 このデータセンターは、2023年末までに引き渡しが完了した南キャンパス部分の設備投資額が21億6,000万元で、計画されたITロード(必要電力容量)は81MW。北部分は2025年末までに完工予定で、設備投資額は18億元、ITロードは108.48MWとなる。


 これまでのサーバーの入札結果を見る限り、チャイナ・ユニコムの2025年通期のクラウドコンピューティング向け設備投資額は180億元に上る見込み。

この数字はBOCIの予想を上回り、2024年実績比で28%増となる。


 BOCIは今回の投資家説明会において、10-12月を起点とするAI計算能力への強い需要が確認されたと報告。国産GPU利用の急拡大がこの先、AIクラウド計算サービスに対する需要を刺激する見通しを示している。


 BOCIは目標株価を据え置きながらも、同業他社と比較したチャイナ・ユニコムのバリュエーションの魅力が増しているとの見方。


 2025年下期のAI/クラウド投資の拡大効果と前年実績が相対的に低いというベース効果で、同社のクラウド・AIサービス収入が予想以上の伸びを示す可能性を指摘。3大通信キャリアにおけるチャイナ・ユニコムの優先順位を、チャイナ・テレコムに次ぐ2位とした。


 一方、レーティング面の潜在リスク要因として、BOCIはサプライチェーンの混乱がクラウドサービスと産業インターネット事業に影響する可能性、米国による金融投資に絡む制裁がバリュエーションに影響する可能性を挙げている。


(Bank of China int.)

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