新たな海南島免税政策が追い風、2026年に業績改善見通し

現地コード 銘柄名 01880

中国旅遊集団中免


(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティーフリー)


株価 情報種類

72.80HKD
(12/1現在)


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 BOCIはこのほど、中国政府系の免税店運営会社、中国旅遊集団中免が11月28日に海南省三亜市で開いた投資家説明会に参加。その結果、11月1日に施行された新政策の下、免税の適用対象となる消費者層と商品が広がり、海南省の三亜市と海口市にある同社の大型免税施設が恩恵を受けるという確信を得たと報告した。


 この新政策はすでに、海南省事業の利用者数、売上高の押し上げに寄与しており、2025年1-9月に低調だった同社の業績が、2026年には好転するとの見方。また、営業指標の改善が続き、三亜市の大型免税施設の第3期建設が順調であれば、2026年も同社株の再評価が続く見通しを示した。目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。


 11月1日付の新政策のポイントは主に四つ。◇免税購入の対象を海南省経由で中国本土を離れる旅行者に拡大、◇対象品目を45種から47種に増やし、電子製品を対象に組み込む、◇海南省住民の離島時の購買も免税対象、◇中国の国産品6品目を免税対象とする。


 同社はこれを海南省の免税ビジネスの発展に向けた支援と受け止め、当局に対して一段の政策調整を求める方針。2025年12月には同省独自の税関が設置される運びとなっている。


 海南省の免税販売業務は2025年9月にプラス成長を回復したが、新政策の発効直後の11月第1週には明らかに客足が増え、小売販売額が約5億600万元に達したという。より多くの外国人観光客が免税対象となったことから、同社はロシア人(現時点でインバウンドの約40%を占める)を中心に2026年の一層の集客を見込む。


 また、消費志向の変化に対応するため、アップル製品などの電子機器や金製品、スポーツアパレルなどの品ぞろえを拡充。同時にディオール、イヴ・サンローランなど海外トップブランドとの関係を強化し、2026年には関連店舗網を増強する方針という。


 一方、旗艦プロジェクトの三亜国際免税コンプレックス(Sanya International Duty-Free Complex)第3期の建設はすでに後期段階にあり、2026年末の完成を予定する。

設備投資はすでにピークを越え、2027年には収益貢献を開始する見通しとなっている。


 7-9月期決算は前年同期比0.4%減収、29%減益と低調だったが、BOCIは本来閑散期に当たる10-12月期の業績を楽観している。日本とタイへのアウトバウンドの縮小を受けて海南島への国内旅行者数が増える見通しや、11月の新政策と12月の税関制度変更による客足の押し上げ効果などがその理由。


 7-9月期決算や最新の業績見通しのアップデートを受け、2025-27年の予想1株当たり利益(EPS)を11%下方修正しながらも、2026年の回復を予想。新政策を背景に、2026年末-2027年の収益改善期待が高まることで、同社株に対する再評価の継続が見込めるとした。


 2026年予想株価収益率(PER)30倍をベースに目標株価を引き上げ(2025年予想PERでは40倍相当)、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。


(Bank of China int.)

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