今日のレポートは、12月13日のレポート(宇宙産業がおもしろい!日本企業はどこまで活躍できる?)の続編です。12月13日のレポートで宇宙産業の基礎知識を解説しました。
※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の窪田 真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「 宇宙産業がおもしろい!日本企業はどこまで活躍できる? 」
宇宙開発予算は米国が圧倒的
宇宙開発では、米国が圧倒的に強く、次いで欧州、ロシア、中国が先行しています。宇宙開発は、防衛(軍需)産業との関連性が高いため、防衛・宇宙関係予算が大きい米国がもっとも優位です。
<海外政府の宇宙関係予算>
日本の宇宙開発企業
日本は少ない宇宙予算の中でも積極的に宇宙開発を進め、成果をあげてきました。日本製ロケットで打ち上げた、日本製の人工衛星「ひまわり」「みちびき」など運営しています。国際宇宙ステーション事業にも参画しています。
宇宙産業は通信放送衛星、測位衛星、観測衛星などを通じて、私たちの日々の生活に不可欠な役割を果たしています。日本では宇宙航空研究開発機構(JAXA)を中心とした宇宙開発に、民間企業が幅広く参画しています。
以下は、宇宙産業で活躍している代表企業です(必ずしも推奨銘柄ではありません)。
<日本の宇宙開発の中核企業:2025年12月15日時点> コード 銘柄名 業種 株価:円 配当
利回り PER:倍 PBR:倍 1株
当たり
配当金:円 7011 三菱重工 機械 4,078.0 0.6% 59.5 5.5 24.0 7012 川崎重工 輸送用機器 11,905.0 1.3% 24.3 2.6 150.0 7013 IHI 機械 2,947.0 2.7% 25.1 5.8 80.0 6503 三菱電機 電機 4,808.0 1.1% 26.8 2.4 55.0 6701 NEC 電機 5,492.0 0.6% 29.8 3.7 32.0 9432 NTT 情報通信 155.4 3.4% 12.3 1.4 5.3 8058 三菱商事 総合商社 3,780.0 2.9% 20.2 1.6 110.0 8031 三井物産 総合商社 4,597.0 2.5% 16.1 1.6 115.0 出所:QUICKより作成、配当利回りは2026年3月期1株当たり配当金(会社予想)を12月15日株価で割って算出
以下、簡単に解説します。
【1】造船重機3社(三菱重工・川崎重工・IHI)
この3社が日本のロケット打ち上げで中核的役割を果たしています。
三菱重工業(7011) は、宇宙開発で国内最大手企業です。日本の主力基幹ロケット「H3」をJAXAと共同開発し、製造や打ち上げまで行っています。
川崎重工業(7012) はH3ロケットのフェアリング(大気圏通過時に先端部分を保護する重要部材)の開発・製造を行っているほか、人工衛星・宇宙ロボットなどさまざまな宇宙機器の研究開発を行っています。
IHI(7013) は、H3ロケットなどのエンジンの開発・製造を行うほか、さまざまな宇宙機器を開発・製造しています。低軌道の衛星コンステレーションを運用する事業では、英国企業2社と提携しました。2030年までに地表の観測データを集めるネットワークをつくり日英間の安全保障協力に役立てる計画です。
【2】電機2社(三菱電機・NEC)
この2社が、日本の人工衛星の開発・製造で中核的役割を果たしています。
三菱電機(6503) は、人工衛星システムの開発・製造を行っています。気象衛星「ひまわりシリーズ」、GPS補強衛星「みちびき」など開発・製造の実績があります。人工衛星に搭載される太陽電池パネル、アンテナ、通信中継器、バッテリーなどさまざまなコンポーネントの開発・製造でも高い技術力を有します。
また、衛星を打ち上げた後、その軌道制御、コマンド送信、データ受信などを行う地上管制システムの設計、構築、運用支援も行っています。さらに、宇宙から得られたデータを活用したソリューション開発にも注力しています。
NEC(日本電気:6701) も人工衛星の開発・製造を行っています。特に、小型・高性能の地球観測衛星に強みを有します。衛星をコントロールする地上システムの構築にも強みを持ちます。
【3】NTT
宇宙システムを利用した通信ネットワークを構築して、地上のネットワークが届きにくい山間部・海上や、災害時の通信を提供する計画を進めています。
【4】総合商社(三菱商事・三井物産)
三菱商事(8058) は、地球観測衛星データの活用事業に投資・参画し、農業、インフラ監視、防災などでのソリューション開発を進めています。また、宇宙ゴミ除去やロケット打ち上げなどに取り組む宇宙企業や、宇宙関連スタートアップへの投資・育成を行っています。
三井物産(8031) は、衛星通信サービス事業者への投資や自社の通信衛星を活用して、ブロードバンド通信、IoT通信、船舶・航空機向け通信などのサービスに対応しています。また、衛星打ち上げ支援や、宇宙データ解析サービスを手掛けているほか、さまざまな宇宙開発事業に参画しています。
宇宙産業の成長に期待
宇宙産業は既に通信、放送、GPS、天気予報ほか、私たちの生活に不可欠な重要な役割を果たしています。
近い将来、あるいは遠い将来、低軌道の小型衛星ネットワークで、通信、測位、観測が全て行えるようになれば、今は想像もつかない用途で、宇宙インフラが活用される時代になるでしょう。
もし2~3センチメートルの誤差で、全地球上の観測・測位ができるようになれば、地球上のさまざまな現場で活用できます。
農業、防災、環境保全に、宇宙データが重要な役割を果たすでしょう。
なお、今日のレポートは、宇宙産業における日本企業の活躍を解説する目的で作成しました。個別銘柄を推奨するものではありません。投資推奨は、また別の機会に執筆します。
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2025年12月13日: 宇宙産業がおもしろい!日本企業はどこまで活躍できる?(窪田真之)
(窪田 真之)

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