外国リートについて、資産内容やパフォーマンス/予想配当の推移をJリートと比較し、2026年の見通しを考えます。


外国リートの2026年見通しの画像はこちら >>

1. 外国リート(円換算値)は2024年高値を更新している

 2025年に入って以降、Jリートのパフォーマンスは顕著に改善してきましたが、外国リートはどうでしょうか? 図表1は外国リートの円換算値(灰色)、米ドルベース(赤色)、および、Jリート(青色)の過去2年ほどのパフォーマンスです。


 外国リートは、円換算値と米ドルベース共に2025年4月初めに今年の安値を付け、その後に回復、円換算値については2024年後半に付けた高値を更新しました。


 一方、米ドルベースでは回復が鈍く、2024年後半に付けた高値を一時更新しましたが、その後調整しています。円安米ドル高が後押ししたものの、外国リート自体は回復が鈍いようであり、Jリートに対しては劣位にあるようです。


[図表1] 外国リートとJリートのパフォーマンス推移
外国リートの2026年見通し
期間:2023年12月29日~2025年12月5日、日次外国リート:S&P先進国リート指数(除く日本)、Jリート:東証REIT指数、共にトータルリターン(出所)Bloombergのデータを基に野村アセットマネジメント作成

2. 外国リートとJリートは中身が大きく異なる

 外国リートとJリートでは、その中身(業種別構成比)が大きく異なります。


 図表2はNEXT FUNDSの外国リートとJリートの業種別配分ですが、Jリートがオフィス中心(複合・総合型はオフィス中心)なのに対し、外国リートは、店舗(ショッピングセンターなど)、工業(物流など)、ヘルスケア(病院施設など)、データセンター、集合住宅など、幅広い分野に分散しています。


 Jリートは主力のオフィス市況の影響を大きく受けるのに対し、外国リートは景気全般の影響を受けやすいと思われます。また、外国リートの約8割は米国リートなので、米国景気全般の影響を受けやすいとみることも可能でしょう。


 その米国景気ですが、K字型経済(富裕層とそれ以外の層の二極化が進んだ経済)などの課題はあるものの、全般としては底堅く推移しているとみられており、安定的な拡大が期待できると思われます。


[図表2] 外国リートとJリートの資産内容(業種別配分)
外国リートの2026年見通し
外国リート:NEXT FUNDS外国REIT・S&P先進国REIT指数(除く日本・為替ヘッジなし)連動型上場投信Jリート:NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信共に2025年11月末時点(出所)野村アセットマネジメントHPより

3. 米国リートは2026年以降に緩やかな成長へ回帰

 外国リートの中心を占める米国リートは2026年以降に緩やかな成長路線に回帰すると予想されます。図表3は、米国リート指数と同12カ月先予想配当(利回り4%相当)の推移です。米国リート指数は予想配当(利回り4%相当)の周辺をたどりながら推移してきたことが分かります。


 配当の推移ですが、2020年のコロナショックで落ち込んだ状況からは急速に回復しましたが、その後、直近にかけては成長ペースに鈍化が見られ、それに連動してか、近年の米国リート指数の上昇も鈍っていたものと思われます。


 一方、今後の予想を見ると(点線部分)、直近よりも成長ペースが加速する予想になっており、2026年以降のパフォーマンス改善が期待できます。


 配当利回りについても過去平均並みの水準にあり、特段の割高感もないことから、2026年の米国リートのパフォーマンスは期待できると考えており、米国リートが8割を占める外国リートも同様に期待できるのではないでしょうか。


 [図表3] 米国リート指数と同12カ月先予想配当(利回り4%相当)の推移
外国リートの2026年見通し
期間:2010年12月31日~2025年12月5日、日次(点線は2年先の予想)・米国リート:FTSE NAREIT All Equity REIT指数・グラフの期間のFTSE NAREIT All Equity REIT指数の平均配当利回りは約4%(12カ月先予想配当に基づく)です。配当推移(配当利回り4%相当から算出(配当÷0.04))を赤線で表示しています。・点線部分の予想は12月8日時点のBloomberg予想に基づく。(出所)Bloombergのデータを基に野村アセットマネジメント作成

<関連銘柄>
NEXT FUNDS 外国REIT・S&P先進国REIT指数(除く日本・為替ヘッジなし)連動型上場投信(証券コード:2515)
NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信(証券コード:1343)


<当資料で使用した指数と著作権等について>
■「S&P Developed ex Japan REIT Index (Total Return)」(S&P先進国REIT指数(除く日本、配当込み))は、S&P Globalの一部門であるS&P Dow Jones Indices LLC(「SPDJI」)の商品であり、これを利用するライセンスが野村アセットマネジメント株式会社に付与されています。Standard & Poor’s®およびS&P®は、S&P Globalの一部門であるStandard & Poor’sFinancial Services LLC(「S&P」)の登録商標で、Dow Jones®はDow Jones Trademark Holdings LLC(「Dow Jones」)の登録商標であり、これらの商標を利用するライセンスがSPDJIに、特定目的での利用を許諾するサブライセンスが野村アセットマネジメント株式会社にそれぞれ付与されています。当ファンドは、SPDJI、Dow Jones、S&Pまたはそれぞれの関連会社によってスポンサー、保証、販売、または販売促進されているものではなく、これら関係者のいずれも、かかる商品への投資の妥当性に関するいかなる表明も行わず、S&P Developed ex Japan REIT Index (Total Return)の誤り、欠落、または中断に対して一切の責任も負いません。
■配当込み東証REIT指数(「東証REIT指数(配当込み)」といいます。)の指数値及び東証REIT指数(配当込み)に係る標章又は商標は、株式会社JPX総研又は株式会社JPX総研の関連会社(以下「JPX」といいます。)の知的財産であり、指数の算出、指数値の公表、利用など東証REIT指数(配当込み)に関するすべての権利・ノウハウ及び東証REIT指数(配当込み)に係る標章又は商標に関するすべての権利はJPXが有します。JPXは、東証REIT指数(配当込み)の指数値の算出又は公表の誤謬、遅延又は中断に対し、責任を負いません。本商品は、JPXにより提供、保証又は販売されるものではなく、本商品の設定、販売及び販売促進活動に起因するいかなる損害に対してもJPXは責任を負いません。
■FTSE NAREIT オール エクイティ リート インデックスは米国のREIT市場の動向を表す指数であり、指数に関する全ての権利はFTSEおよびNAREITに帰属します。


(阪井 徹史)

編集部おすすめ