現代貨幣理論(MMT)は、過去一度も機能しなかった。18世紀初頭のフランス、西暦180~280年のローマ帝国、または19世紀と20世紀のワイマール共和国、ジンバブエ、アルゼンチン、ベネズエラを確認すれば分かるだろう。
債務問題の次には通貨の切り下げが続く
スコット・ベッセント米財務長官は1月28日のCNBCで、「米国は常に強いドル政策をとっている」と述べた。同時にベッセントは、「ドル/円相場に絶対に介入しない」と発言し、ドルが急騰、円が急落する場面があった。
ドル/円(日足)
ユーロ/円(日足)
ポンド/円(日足)
豪ドル/円(日足)
このベッセント発言は、トランプ大統領がドル安を明らかに歓迎した後に出てきた。27日火曜日にドル安による損失を懸念しているかどうか尋ねられたトランプ大統領は、「いいえ、素晴らしいことだと思います」と述べた。
トランプはなんでもばらしてしまう(債務問題の次には通貨の切り下げが続く。ルーズベルトは1933年に金本位制を離脱し、ドルを切り下げて前進した。ニクソンは1971年に同じことをした)ので、ベッセントも大変だ。とりあえず、火消しに動いたのだろう。
ドルインデックスCFD(日足)
米国の負債の始末は、いずれドル安誘導によって対処されるだろう。ドル安誘導(ドルの切り下げ)をすれば、米国の借金は他国のバランスシートに移すことができるからだ。ドルの価値を半分にすれば、米国債で調達している他国からの借金も半分になる。
トランプのドル安が素晴らしいという発言は、トランプの経済プラン(製造業を米国に戻し米国の負債を減らす)と整合的なのだ。
われわれは負債とインフレが超指数関数的に増加する時代の始まりに立っている。
3~4%の利回りでは短期債はともかく誰もリスクの高い長期債を保有しようとはしないだろう。西側諸国はグリーンスパン以来のバブル飛ばしの「後始末戦略」を続けているが、今回は巨大な地政学的リスクが加わり、債務レベルが持続不可能に近づいている中で、グレートリセットに戦争が使われる可能性が高い。
米国の連邦債務の予測
現在、市場で不思議なことが起きている。起こっていることの確率はほぼゼロだ。1週間で三つの6シグマイベントが発生した。日本超長期国債、シルバー、ゴールド…それらは統計的にはありえない相場となっている。
ゴールドCFD(日足)
シルバーCFD(日足)
【国は支出よりも前におカネを稼いだり借りたりせざるを得ない典型的な「家計」経済学の対象ではありません。そう認識することで、従来の経済学が一変するのです。
経済学の教授はさもありなんとし、大の大人が魔法のカネのなる木(マジカル・ミステリー・ツリー MMTの適切な定義)を信じているとは…。
私は言葉を失い、一瞬思考停止に陥った。普通、サンタクロースは思春期にいなくなる。もしケルトンが「MMTは米国の債務を他国のバランスシートに移すため、調整に必要な時間をかせぐのに考案された貿易戦争戦略である」と主張したならば、私はケルトン派にいくらか敬意を払うだろう。
だが、そのような謀略ではない。物価と資源の制約を除き、MMT擁護者たちは通貨を「発行している」政府が通貨をいくら使おうと厳密な制限はないと吹聴している。
では、富の格差など、こうした政策で引き起こされる不均衡についてはどうするのか。確実に続くことになる低成長についてはどうするのか。均衡政策についてはどうするのか。消費者物価指数によるインフレ示唆が遅すぎて債務累積の速度を落とせない場合はどうするのか。その間に起こり得る弊害を想像してほしい。
明らかにMMTでは必然的に、より良い世界――ただし私たち庶民よりもはるかに賢い学者様が計画した世界――を生もうとして、短絡的な愚策が次々と考案される。
そして、取り返しのつかない大失敗がもたらされるだろう】
出所:『2020年の書「MMTの世界で信仰を探して」』(ジョージ・カラヘリオス)
MMTは、過去一度も機能しなかった。
日本の政界でもMMTによる愚策が次々に考案されている。「機会費用の概念がない政府」に効率的な雇用創出など、あらゆることに資金を供給させるという考えは、全くもってばかげている。
長期金利は国家の信頼性の指標だ。将来の債務をインフレに大量に頼ることなく履行する能力である。それが今大きく揺らいでいる。その裏返しがゴールドやシルバーの暴騰だ。
日本10年国債金利(日足)
実質通貨(ゴールド)建てのダウ平均は2022年から50パーセント下落
レイ・ダリオは最近のインタビューで次のように述べた。
「お金(通貨)を減価させれば、すべてが上昇しているように見える。株式市場のブームは嘘だ…私たちは、経済の成長ではなく、ドルの死を目撃している。99%の人は何も知らない」
通貨を大量に印刷していることから、株式市場が大きく上昇する一方で、ゴールドの上昇は通貨の購買力が大きく下落していることを示唆している。米国も日本も資産価格を維持しつつ、通貨を下落させ借金の価値を下げる選択をしている。
ほとんどの投資家は、株価のピークを「価格」の観点から見ているが、「インフレ込みの実質価格」で相場を見なければいけない時代が到来している。
「ゴールドは貨幣である。それ以外のすべては信用だ」(J. P. モルガン)
1月28日のラジオNIKKEI「楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー」
1月28日のラジオNIKKEI「楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー」は、土信田雅之さん(楽天証券経済研究所 シニアマーケットアナリスト)をゲストにお招きして、「株式市場の展望と注意点(2つのシナリオ)」「ベッセントのレートチェックの舞台裏」「日本株も米国株も通貨安(インフレ)で上げているのか?」「2021年からゴールド建てNYダウは50%の下落」「分散投資の重要性」というテーマで話をしてみた。ぜひ、ご覧ください。
ラジオNIKKEIの番組ホームページ から出演者の資料がダウンロードできるので、投資の参考にしていただきたい。
1月28日:楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー
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大里 希世氏
経済レポーター
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(石原 順)

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