先週の日経平均は、5万9,000円台に乗せる場面もあり、日本株は突出した強さを見せています。3月も「独歩高」を持続できるかが焦点。
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著者の土信田 雅之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「 【テクニカル分析】今週の株式市場 日本株の「独歩高」を脅かす地政学リスクの影<チャートで振り返る先週の株式市場と今週の見通し> 」
最高値を更新してきた先週の日本株
先週末2月27日(金)の日経平均株価終値は5万8,850円となり、前週末終値5万6,825円比で2,025円高と大幅に上昇しました。
3月2日9時40分時点の日経平均は5万7,534円と、前週末終値比で1,316円安となっています。
<図1>日経平均の5分足チャート(2026年2月24日~2026年2月27日)
あらためて、先週の日経平均の値動きを図1の5分足チャートで振り返ると、いくつかの場面に分けられます。
まず、連休明けで迎えた24日(火)の取引は、前週末の米国株安や、トランプ関税をめぐる米連邦最高裁判所の違憲判決の影響など、相場環境は必ずしも良好ではなかったものの、日経平均は反発する動きを見せました。
前週末の株価下落による自律反発ねらいの買いや、日本の対米投資計画が継続する見込みを受けて、AIインフラ関連銘柄(電線株や半導体製造関連など)を中心に買われたことが背景にあります。さらに、先日の衆議院選挙を経て、政治的な安定感と期待感を評価する海外勢の買いも支援材料となりました。
週の半ばにかけては、最高値を更新していく動きとなりました。25日(水)の取引では、「AI脅威論」の一服で上昇した米国株市場の流れに乗る格好で一段高スタート。
翌26日(木)の取引開始直後の日経平均は5万9,000円台に乗せ、5万9,332円まで上昇する場面がありました。
もっとも、週末にかけては、株価上昇の早さや目先の利益確定売り、払拭しきれないAI脅威論の警戒もあって、売りに押されたものの、5万8,000円台後半の株価水準は維持する格好で一週間の取引を終えています。
このように、先週の日本株は先高観を印象づける中で取引を終えましたが、実際に、海外の株価指数と比べても日本株の強さが目立っています。
<図2>国内外主要株価指数のパフォーマンス比較(2025年末を100)(2026年2月27日時点)
図2は、2025年末を100とした、国内外の主要株価指数のパフォーマンスを比較したものですが、日経平均と東証株価指数(TOPIX)が「あたま一つ」抜き出ている様子が確認できます。
昨年末からの日経平均の上昇を月間ベースで辿っていくと、1月末は2,983円高、2月末は5,528円高となり、合計で8,511円高と、2カ月間で約16.91%上昇しています。
日本株の「独歩高」は続くか?イラン情勢の受け止めがカギ
そのため、目先はこうした日本株の「独歩高」を今後も続けることができるかが焦点になります。
3月相場入りとなる今週のスケジュールを確認すると、経済指標・企業決算ともに国内の注目イベントが少ない一方、海外では材料が多い週となります。
具体的に見ていくと、米国では2月分のISM景況指数(製造業・非製造業)をはじめ、6日(金)には月初恒例の2月雇用統計が公表されます。決算発表では、 ターゲット(TGT) や ロス・ストアーズ(ROST) といった小売関連、半導体関連の ブロードコム(AVGO) 、サイバーセキュリティ関連の クラウドストライク(CRWD) などの注目企業が予定されています。
さらに、中国では全人代(全国人民代表大会)が5日(木)から開幕します。
基本的には、日本市場はこうした海外市場のイベントに左右されやすい傾向にあります。
そのため、さすがに先週までの「日本株だけが強く上昇していく展開」を続けていくのはハードルが高いかもしれません。
さらに、今週の市場は先週末に軍事行動に発展したイラン情勢のインパクトを受け止めるところからスタートすることになります。
イランに対する米国やイスラエルの軍事行動のねらいとしては、「現政治体制の転換」や「指導者(ハメネイ師)の捕縛および殺害」、「核開発・保有の放棄」などが考えられます。
イラン側がハメネイ氏の死亡を報じたことで、目的のひとつを達成したと思われますが、今後のイランの政治体制を誰が主導権を握って進めるのか、ハメネイ体制派の抵抗がまだ続くのかなど、情勢は依然として不透明です。
実際に、イランによるイスラエル周辺諸国や中東の米軍基地などへの報復が行われています。もし戦闘が長期化したり、イラン国内の政治混乱が収まらない状況となれば、リスク警戒が高まっていきます。
とりわけ、ホルムズ海峡を船舶が航行できない事態になれば、サウジアラビアやイラク、UAE、クウェート、カタール、バーレーン産の原油の輸送に支障をきたすことになり、原油価格の動向には注意する必要があります。
<図3>WTI原油先物(期近)の動き(2026年2月27日時点)
仮に、原油価格が急騰した場合、足元で上昇していた日本株の下げ幅が大きくなることも想定されます。日本は輸入原油の約8割以上を中東に依存しているだけに、その影響を受けやすく、航空・運輸セクターや、石油を原料とする製品を手掛ける化学などには強い逆風となります。
<図4>日経平均(週足)と13週移動平均線乖離率(2026年2月27日時点)
図4は、日経平均の週足チャートと、13週移動平均線の乖離率の推移を示したものですが、過去を振り返ると、乖離率がプラス10%を超えてくると、過熱感が意識され、その後の株価調整を迎えやすいという傾向があります。
先週末27日(金)時点の乖離率はプラス10.58%で、過熱感が意識されやすい状況にあります。
また、節目の株価水準に注目してみます。日経平均が2万円台や3万円台といった「節目の株価」を突破してきた際には、「まず、節目の株価が抵抗となり、突破した後は、この節目が今度は支持(サポート)として機能して、さらに上の節目を目指す」という動きを、時間を掛けて形成していました。
しかし、4万円台と5万円台については、突破後に支持として機能した場面がみられません。さらに5万円台突破の際にも、株価の抵抗となっていた期間が比較的短くなっています。つまり、5万円台は「勢いに乗って突破したが、足固めはまだ」ということを意味します。
そのため、もし相場がかなりのリスクオフムードとなった場合、13週移動平均線(27日時点で5万3,218円)や、26週移動平均線(同5万0,489円)、52週移動平均線(同4万4,473円)などが、下値の目安として意識されることになりそうです。
こうした下値を探る動きについては、「イラン情勢がどのくらいの期間で収束するか?」がポイントになります。短期間(3カ月以内)の見込みであれば、影響が一時的という判断となり、13週移動平均線あたりまでが下値の目安となって株価が反発し、押し目買いの好機となりそうです。
反対に、事態がそれ以上に長引きそうな状況となれば、原油価格の上昇がもたらすインフレや景気減速懸念、そして、リスクオフムードによる安全資産への回避など、足元の相場見通しの前提(堅調な景況感と企業業績回復継続など)が崩れることになるため、あっさり5万円台を下回るところまで下落してしまうことも想定しておく必要が出てきそうです。
(土信田 雅之)

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