独プーマ株29%取得で筆頭株主に、取得価格は予想より割安も市場は慎重か 

現地コード 銘柄名 02020

安踏体育用品


(アンタ・スポーツ・プロダクツ)


株価 情報種類

76.35HKD
(1/27現在)


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 中国のスポーツ用品最大手、安踏体育用品は1月26日、独プーマの株式29.06%を総額15億ユーロ(約122億元)で取得すると発表した。この取引は事前に予想されていたが、取得価格は市場予想より低く、安踏体育用品に有利な内容。


 BOCIはそれでも、取引自体の価値やその構造に関して、投資家が慎重姿勢を維持する可能性が高いとしている。プーマの業績回復への道のりは、安踏傘下のアメアスポーツや「FILA」とは異なり、より長期化する見込み。現時点では2026年、2027年の利益見通しへの影響は限定的とみて、目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。


 プーマ株の取得価格は総額15億ユーロ、1株当たりでは35ユーロ。ロイター社が1月初めに「1株40ユーロまで上昇する可能性」を報じたため、市場もこの水準を見込んでいたが、実際にはそれより低価格での取引となった(全額現金払い)。


 経営陣によれば、規制当局の承認を得るまでには最大6-8カ月を要する見込み。その後、取引が完了すれば、安踏は仏富豪のピノー家に代わり、プーマの筆頭株主(非支配株主)となる。


 安踏主体のコンソーシアムは2019年にアメアスポーツを完全買収、非公開化したが、今回はプーマの非公開化を検討していない。基本的に経営アドバイザーとして関与し、組織再編の権限は持たない。プーマは2026-27年に自社再建計画を進めるが、BOCIは安踏がプーマとのシナジーを発揮し、採算性改善を支援するまでには、おそらく3年以上かかるとしている。


 両社のシナジーの一つは、プーマの中国ビジネスの強化。プーマの売上全体に占める中国の割合はわずか7%と、他の国際ブランドを大きく下回る水準。

安踏としては自社のノウハウを発揮する余地が大きい。逆に、安踏側では新たな地域(欧米やアフリカ、インド)や製品カテゴリー(サッカーやカーレース)において、収益機会が高まるという。


 ただ短期的には、今回の計画は安踏の業績にマイナス。BOCIは「15億ユーロ支払い後の利息収入の縮小」と「プーマの赤字計上」が、安踏の2026年、2027年の利益を3%押し下げると予想。株主還元の強化という点でも、柔軟性が低下する可能性を指摘している。


 一方、安踏は2025年の独ジャック・ウルフスキンと今回の独プーマに続く買収や合併(M&A)を、今後さらに模索する可能性があるが、そうなれば、追加の資金需要が生じる。仮に新株発行増資や転換社債の発行に動けば、1株当たり利益(EPS)が希薄化リスクにさらされるため、短期的には投資家による慎重見通しが続く可能性が高い。


 BOCIは現時点では、同社の利益見通しと目標株価を据え置いた。2026年の予想自己資本利益率(ROE)が19%に上る点を考慮すれば、予想株価収益率(PER)で15倍未満の現在株価は魅力的との見方。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。


(Bank of China int.)

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