東京エレクトロンの2026年3月期3Qは、15.7%減収、41.8%営業減益。AI半導体を含む先端ロジック向け、DRAM向け、NAND向けのいずれも半導体製造装置需要が強い。

各分野から納入前倒しの要請もある模様。会社側は2026年3月期業績予想を小幅上方修正。来期は業績好調が予想される。楽天証券の前回の目標株価を引き上げる。


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「 決算レポート:東京エレクトロン(DRAM向け、AI向けの製造装置需要が強い) 」


毎週月曜日午後掲載


本レポートに掲載した銘柄: 東京エレクトロン(8035、東証プライム)


1.東京エレクトロンの2026年3月期3Qは、15.7%減収、41.8%営業減益。

 東京エレクトロンの2026年3月期3Q(2025年10-12月期、以下今3Q)は、売上高5,520.47億円(前年比15.7%減)、営業利益1,161.40億円(同41.8%減)となりました。今期はもともと通期で減益予想でしたが、前3Qの業績水準が高かったため今3Qは大幅減益となりました。


 半導体製造装置(新規装置)のアプリケーション売上高を見ると、DRAM向け(HBM向けを含む)は今2Q1,229億円から今3Q1,386億円に増加しました(会社側開示の半導体製造装置(新規装置)売上高と売上構成比から楽天証券計算。以下同様)。

不揮発性メモリ(NAND型フラッシュメモリなど)は同637億円→308億円、ロジック・ファウンドリ・その他は同2,685億円→2,157億円へ減少しましたが、会社側は一時的調整としています。また、フィールドソリューション(スペアパーツ、改造案件等)は同1,603億円→1,616億円と堅調でした。


 地域別売上高を見ると、韓国向けは今2Q1,325億円→今3Q1,497億円へ増加しました。DRAM向けが増加したと思われます。台湾向けは同1,197億円→1,119億円と高水準横ばいでした。ファウンドリ向けが堅調だったと思われます。一方、中国向けは同2,541億円→1,755億円へ減少しました。ロジック、メモリとも今2Qまで高水準の半導体製造装置調達が続いてきたため反動が出た模様です。北米向け、日本向けも減少しました。


表1 東京エレクトロンの業績
決算レポート:東京エレクトロン(DRAM向け、AI向けの製造装置需要が強い)
株価 41,030円(2026/2/6)発行済み株数 458,405千株時価総額 18,808,357百万円(2026/2/6)単位:百万円、円出所:会社資料より楽天証券作成注1:当期純利益は親会社株主に帰属する当期純利益。注2:発行済み株数は自己株式を除いたもの。

表2 半導体製造装置のアプリケーション別売上構成比と売上高(新規装置のみ)
決算レポート:東京エレクトロン(DRAM向け、AI向けの製造装置需要が強い)
単位:%、億円出所:会社資料より楽天証券作成。注1:売上高は会社公表の売上構成比から楽天証券計算。注2:2021年4-6月期からは新収益認識基準。注3:端数処理のため合計が合わない場合がある。

表3 東京エレクトロン:半導体製造装置の地域別売上高
決算レポート:東京エレクトロン(DRAM向け、AI向けの製造装置需要が強い)
単位:億円出所:会社資料より楽天証券作成。注1:端数処理の関係で合計が合わない場合がある。注2:2021年4-6月期からは新収益認識基準。注3:2023年4-6月期よりFPD売上高を含む。

2.今4Qは業績回復へ。会社側は2026年3月期を小幅上方修正した。

 今3Qは前年比、今2Q比とも大幅減収減益となりましたが、会社側は今4Qは今3Q比で業績回復を見込んでいます。

メモリではDRAM不足に伴ってDRAM設備投資が活発になっています。NAND向けも回復する見込みです。ロジック・ファウンドリ向けもAI半導体を含む先端ロジック向けに設備投資が増加する見込みです。また、全ての分野で製造装置納入の前倒し要請がある模様です。


 今3Qまでの業績と今4Q見通しから、会社側は2026年3月期通期業績予想を、前回の売上高2兆3,800億円(前年比2.1%減)、営業利益5,860億円(同16.0%減)から、売上高2兆4,100億円(同0.9%減)、営業利益5,930億円(同15.0%減)へ小幅上方修正しました。


 楽天証券では、2026年3月期を売上高2兆4,500億円(同0.8%増)、営業利益6,100億円(同12.5%減)、2027年3月期を売上高2兆9,500億円(同20.4%増)、営業利益7,900億円(同29.5%増)と予想します。2026年3月期予想は前回予想と同じですが、各分野で半導体製造装置需要に勢いがあるため、会社予想に対して上乗せになると予想しました。また2027年3月期は好業績を予想し、前回予想を上方修正しました。


 リスクはAI半導体向けです。オープンAIのような大手生成AI開発会社の設備投資、大手クラウドサービス会社の設備投資が適正なのかどうかという疑問が株式市場にあります。これはAI半導体需要を通じて半導体製造装置需要に影響する問題なので、注視する必要があります。ただし、ロジック半導体全体では、最先端CPUへの設備投資も活発なので、AI半導体向け設備投資が調整した場合でも一部は最先端CPU向けの投資で吸収できると思われます。


表4 半導体製造装置のアプリケーション別売上構成比と売上高(新規装置のみ)(年度ベース)
決算レポート:東京エレクトロン(DRAM向け、AI向けの製造装置需要が強い)
単位:%、億円出所:会社資料より楽天証券作成。注1:売上高は会社公表の売上構成比から楽天証券計算。注2:2021年4-6月期からは新収益認識基準。注3:端数処理のため合計が合わない場合がある。

表5 東京エレクトロンの中国向け売上高
決算レポート:東京エレクトロン(DRAM向け、AI向けの製造装置需要が強い)
単位:億円出所:会社資料より楽天証券作成。予想は楽天証券。

3.今後6~12カ月間の目標株価を、前回の4万2,000円から5万1,000円に引き上げる。

 東京エレクトロンの今後6~12カ月間の目標株価を、前回の4万2,000円から5万1,000円に引き上げます。


 楽天証券の2027年3月期予想1株当たり利益(EPS)1340.3円に、成長性、リスクの両方を考慮して、想定株価収益率(PER)35~40倍を当てはめました。


 引き続き中長期で投資妙味を感じます。


本レポートに掲載した銘柄: 東京エレクトロン(8035、東証プライム)


(今中 能夫)

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