寄り付きに、前日の終値から大きく上昇、もしくは大きく下落して始まる際に生じる「窓」。チャートで買い時・売り時を計る投資家にとって大敵ともいえます。

この「窓」にどのように対処していけばよいのでしょうか。


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「窓」とはいったい何か?

 皆さんは、株式投資の用語で「窓」というものを聞いたことがあるでしょうか。「マド」とか「窓開け」「ギャップ」などと表現することもあります。


 窓とは、日足チャートであれば前日の株価より大きく上昇して始まる、もしくは大きく下落して始まることにより、前日の株価と当日の株価との間に生じる「すき間」のことを言います。


 例えば先日、価格が急落(その後回復)した銀先物に連動する上場投資信託(ETF)である 純銀上場信託(1542) を見てみましょう。1月30日の安値5万2,990円と2月2日の高値(終日ストップ安のため=終値)4万6,800円の間に差が生じていることが分かります。これが「窓」です。


 また、2月5日の安値4万0,630円と2月6日の高値3万7,340円も窓が開いていることが分かります。


朝起きたら急騰or急落!そんなときに出現する「窓」どう対処すればいい?
 

「窓」が生じる理由は?

 この「窓」が生じる理由は、上場株式やETFなどであれば、前日の大引け(15時30分)から当日の寄り付き(9時)までの間に生じた、株価の変動を及ぼす事象の影響が、当日の寄り付きにいっぺんに顕在化するからです。


 例えば典型例が決算発表後の株価の動きです。前日の大引け後に発表された決算内容が市場予想を大きく上回る好決算であれば、当日は寄り付きから買いが殺到し、大きな窓を開けて寄り付くことになります。


 逆に、決算内容が失望的な内容であれば、当日は寄り付きから売りが集中し、これも大きな窓を開けて寄り付く原因となります。


 また、全体的なものでいえば、前日の米国株が大きく上昇すれば、当日の日本株も窓を開けて寄り付く可能性が高いですし、逆に米国株が大きく下がれば、当日の日本株も窓を開けて前日より安く始まる可能性が高くなります。


 さらに、上述の純銀ETFのように、米国での先物市場の変動に影響を受けるものであれば、それが当日の寄り付きに顕在化します。

2月2日にストップ安比例配分となったのは、1月30日の夜に米国にて銀先物が1日で30%超も値下がりしたことを受けたものでした。


なぜ「窓」が生じると困るのか

 なぜ「窓」が生じると困るのか、それは特に筆者のように、株価チャートを用いて売買タイミングを計っている場合、売買がしにくくなるからです。


 例えばこんなケースです。


ケース1:「昨日、保有株の株価が980円に下落。25日移動平均線の1,000円を下回ったので本日売却しようとしたら、朝の寄り付きから売り気配となり、920円で売ることになった」


ケース2:「保有株の昨日の終値は1,020円。25日移動平均線の1,000円を超えているのでそのまま保有していたら、本日寄り付きから大きく売られ、930円で寄り付いた」


 本当なら、25日移動平均線を割り込んだ980円近辺で売りたかったものが、寄り付きから下方に窓を開けて寄り付いたことにより、980円よりかなり低い株価で売らされることになります。


 また、こんなケースもあります。


ケース3:「昨日、保有株の株価が980円に下落し、25日移動平均線の1,000円を下回ったので売却。しかし本日朝から買い気配となり1,100円で寄り付き、25日移動平均線を超えた」


 ルールに従い昨日25日移動平均線で売却したものの、本日は一転して朝から大きく上昇したため、買い直しも困難な状況になってしまいました。結果的に昨日売らずにそのまま保有しておけばよかった、という形です。


「窓」にどのように対処していけばよいのか

 株式市場が24時間365日は稼働していない以上、窓を完全に回避することは不可能です。


 ただ、例えば決算発表の直前の銘柄を買わないようにすれば、決算発表後に窓を開けて急落することはある程度避けられるはずです。


 また、よくあるのが朝方窓を開けて安く始まったものの、そこから切り返して株価が上昇するパターンです。


 窓を開けて安く始まったために想定より安く売らざるを得なくなっただけでなく、そこから切り返して株価が上昇することで、そもそも売却する必要がなかったということになり、二重の意味でダメージを負うことになります。


 これは絶対的な方法とはなりませんが、例えば朝から大きく窓を開けて下げて寄り付きそうな場合は、寄り付きで売却するのではなく、午前中いっぱい様子を見て、寄り付き近辺の安値を割り込まなければ売却せず保有する、といったような対処法も一案です。


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(足立 武志)

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