保有株を売却するタイミングの一つに「噴き値売り」というものがあります。これは一体どういうものなのか、そして利益確定の方法としてこれが正解なのか、考えてみます。
「噴き値売り」とは何か?
保有株の売却についての考え方はさまざまなものがありますが、その一つに「噴き値売り」というものがあります。
これは文字通り、株価が短期間に大きく上昇して「噴いた」ところで売却して利益を確定する、という考え方です。
よくあるケースとして、決算発表やポジティブなニュースで急騰したときや、株価が順調に上昇することで買いが買いを呼んで大きく上昇するような場合があります。
この噴き値売り、売却のタイミングとして正しいものといえるのでしょうか?
「噴き値売り」が向く投資法と向かない投資法
これを考える際、株式投資の「時間軸」というものがポイントとなります。例えば「スイングトレード」のような、1~2週間程度の保有期間をイメージするのであれば、噴き値売りは絶好の売り時と考えてよいでしょう。
逆に、買った株を何年間も保有し続けて大きな利益を追求する「長期保有=バイ・アンド・ホールド」であれば、よほどの急騰でない限りは、株価が上昇してもそのまま何もせず保有を継続する、という判断になるでしょう。
筆者は、時間軸としては上記の二つの中間のような手法を採っているため、基本は上昇トレンドから下降トレンドへの転換、すなわち25日移動平均線割れで保有株は売却します。
ただ、短期間で株価が急騰した場合、その後25日移動平均線割れに至るまでに利益が大きく減ってしまう可能性が高いので、保有株の一部を売却することがよくあります。
25日移動平均線からのプラス乖離(かいり)率が30%以上になった場合に噴き値売りを検討する、というイメージです。
正解かどうか後になってみないと分からない
実は売り時というのは、今回ご説明している「噴き値売り」に限らず、正解かどうかは後になってみないと分からないという特徴があります。
噴き値売りのケースであれば、売却した後、ほどなくして株価が天井を付けて急落することもありますし、売却後もさらに株価が大きく上昇することもあります。
前者であれば、噴き値売りは成功した、と言えますが、後者であればもっと株価が上昇してから売ればよかった、という気持ちになるでしょう。
客観的なルールをいくらつくっても、売却した後株価が下がる場合と、さらに株価が上昇する場合が必ず生じます。
それだけ、売り時というのは非常に難しいものなのです。
「正しいか」ではなく「納得感があるか」で判断しよう
筆者は、売り時をルール化する際によく個人投資家の皆さんに伝えることがあります。
例えばスイングトレードであれば、「噴き値売り」というのは絶好の売り時のため、納得感もあるでしょうし、振り返ってみれば「正しかった」とも思えるでしょう。
一方、筆者が行っているような、もう少し投資の時間軸が長いスタイルの場合は、噴き値売りをした後の展開として、ほどなく下落するパターンと、さらに上昇するパターンの両方があり得ます。
このとき、「すでに満足できるだけの利益を確保できた」という気持ちになり、さらに上昇しても仕方ないと納得できるかどうかが、売り時を決める際のポイントになると思います。
もし「さらに上昇したら悔しい」と思うのであれば、これまで述べてきたことを踏まえ、もっと大きく上昇してから売るようにするのも一つの手です。もしくは保有株の2分の1、3分の1程度を売却すれば、さらに上昇しても残りの保有株で上昇を享受できます。
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(足立 武志)

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