最近話題のCFD取引や、先物、FX、オプション取引をしている個人投資家の方も少なくないと思います。これらの税金はどのような扱いになっているのか、改めておさらいしてみましょう!


同じ税率でも株とは違う?先物、CFD、FXの税金を解説!の画像はこちら >>

先物、CFD、FX、オプションの税金の扱いはどうなっている?

 皆さんは、先物取引、CFD取引、FX取引、オプション取引といった、いわゆるデリバティブ取引(以下「先物等」)を行っていますでしょうか。


  • 先物取引:未来日付で、あらかじめ決めた価格で商品や金融資産を売買する契約を結ぶ取引。
  • CFD取引:差金決済取引。株価指数や原油・金などの現物を所有せずに売買できる。
  • FX取引:外国為替証拠金取引。ドルや円など異なる二つの通貨を売買することで利益(為替差益)を狙う投資。CFD取引の一つ。
  • オプション取引:未来日付で、指定した価格で「買う権利」または「売る権利」を売買する金融取引。

 これらの取引で利益が生じた場合、当然ながら納税の必要があります。


 先物などの取引で得られた利益は、「申告分離課税の雑所得」という取り扱いとなり、所得税・住民税合わせて20.315%の税率で課税されます。


 これは上場株式、債券、投資信託など(以下上場株式等)の売却で得られた利益である「申告分離課税の譲渡所得」に対して課される税率20.315%と同じ税率となっています。


 ただし、両者には「申告分離課税の雑所得」と「申告分離課税の譲渡所得」という違いがあるため、以下で解説するような点に注意が必要となります。


先物などの税金は「一般」「特定」という区別はない

 上場株式等は、一般口座と特定口座のどちらで取引するかを選ぶことができます(それ以外にNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)口座もありますが、今回のコラムでは割愛します)。


 一般口座および源泉徴収なしの特定口座は、売却益(譲渡所得)が生じた場合原則として確定申告が必要ですが、源泉徴収ありの特定口座であれば、確定申告は不要です。


 一方、先物等の売却益(雑所得)は、一般口座・特定口座といった区分は一切ありません。

また、利益に対して源泉徴収もされていませんので、原則として確定申告を行い、納税を行う必要があります。


 多くの個人投資家は株取引においては源泉徴収ありの特定口座を利用していると思います。確定申告不要なので、ご自身で何もしなくてもとがめられることはありません。


 ただ、これと同じ感覚で、先物等の利益について何もせず放っておくと、後日税務署から追徴課税がなされることになりますので、十分に注意をしてください。


 先物等の年間の利益の額については、証券会社の方で計算書が発行されるはずですので、それを用いて確定申告することが可能です。


先物などの損失も3年間の繰り越しができる

 上場株式等の売却で生じた損失(譲渡損)がある場合、確定申告をすることを要件に、最大3年間繰り越しができ、翌年以降の利益と相殺することができます。


 これにより、翌年以降の利益が生じた場合、節税効果を得られます。


 実は先物等の決済により生じた損失がある場合も同様に、確定申告をすることで最大3年間の繰り越しができます。そして翌年以降の先物等の利益と相殺することができるのです。


 ただ、上場株式等の売却益は「譲渡所得」、先物等の決済などによる利益は「雑所得」であり、所得区分が異なります。


 そのため、両者は別々に捉えて確定申告をする必要があります。


上場株式等と先物等の損益の通算はできないので注意

 また、同じ年に生じた上場株式等の損益と、先物等の損益の間で、損益通算することはできませんので注意してください。


 例えば2025年中に上場株式等で300万円の利益、先物等で200万円の損失が生じたとします。


 上場株式等と先物等は課税上のカテゴリーが異なります(前者は申告分離課税の譲渡所得、後者は申告分離課税の雑所得)から、両者を損益通算することができません。


 従って、上場株式等の利益については申告分離課税の譲渡所得として確定申告するか、源泉徴収ありの特定口座であれば申告しないという選択肢となります。


 一方、先物等については損失ですから確定申告しなくてもおとがめはありませんが、確定申告することにより翌年以降3年間損失を繰り越すことができ、翌年以降の先物等の利益と損益通算することができるのです。


 税率は同じだけれども、所得のカテゴリーが違う上場株式等と先物等。混乱することなく、両者を区別した上で必要な申告、手続きを行うようにしてください。


(足立 武志)

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