国際情勢の変化を受け、「安全保障」が私たちの生活や経済に直結する課題となる中、日本政府は巨額の予算を投じて防衛政策を大きく転換させようとしています。その鍵を握るのが、AIやドローン、宇宙技術といった最先端技術を防衛に応用する「防衛テック」です。
防衛テックは国の安全を強化するだけでなく、新たな成長産業を生み出す一大投資テーマとして急速に注目を集めています。本記事では、防衛テックが注目される背景、政策を追い風に飛躍が期待される日本企業の強み、そして関連企業へ手軽に投資できる注目のETFについて解説します。
なぜ今「防衛テック」なのか?変化する安全保障と投資の潮流
「防衛」と「テクノロジー」の融合は、今に始まったことではありません。歴史を振り返れば、インターネットやGPS、電子レンジなど、私たちの生活に不可欠な技術の多くは防衛分野で開発され、民間へ活用されてきました。近年、この技術活用の流れに大きな変化が起きています。
AI、ドローン、サイバーセキュリティーといった民間発の先端技術が目覚ましく発展し、今度は防衛分野に活用されることで、従来の戦略を根底から覆す「ゲームチェンジャー」となりつつあるのです。
民間と防衛の両方で利用可能なこうした技術や製品は「デュアル・ユース技術」と呼ばれます。デュアル・ユース技術の普及は、防衛産業の構造そのものを変えつつあります。
かつての防衛産業が国と一部の重厚長大なメーカー主導の「完成品」中心だったのに対し、現在は完成品の背後にドローン、宇宙衛星、各種センサー、AIを含むソフトウエアなど、広範なサプライチェーンが広がっています。その結果、ハードウエアからソフトウエアまで、多様な技術レイヤーが融合した「面」で捉えるべき産業へと進化しているのです。
デュアル・ユース技術を軸とした産業構造の変化は、製造業を中心に多様な分野で世界トップクラスの技術力と幅広いサプライチェーンを持つ日本にとって、大きなビジネスチャンスとなり得ます。
日本の防衛テックが持つ強みと成長機会
日本の「防衛テック」が注目される最大の理由は、政府による強力な政策支援です。地政学リスクの高まりを受け、日本政府は防衛力の抜本的強化を打ち出し、防衛予算は2023年度の6.8兆円から2024年度には8.0兆円へと急増しました。
現在、2023~2027年度の5年間で総額43兆円規模の防衛力整備計画が進行中です。
政府は成長戦略においても、AI・半導体、造船、航空・宇宙、サイバーセキュリティーなどを重点分野に掲げており、「防衛テック」は安全保障と日本の成長戦略、両方の中核を担う重要施策と位置付けられています。
このような政策の追い風を背景に、日本が世界に誇る独自の強みを持つ分野として、主に次の三つが挙げられます。
1. 船舶
貿易量の99%以上を海上輸送に頼る日本にとって、造船業は安全保障の要です。政府も「海事産業強化法」などで強力に後押しし、艦艇建造能力の拡張などを進めています。
2. 宇宙技術
宇宙からのデータ観測は防衛に不可欠であり、同時に民生分野でも大きな価値を生み出すフロンティアです。小惑星探査機「はやぶさ」の成功など、日本は世界トップレベルの宇宙技術を誇ります。
3. 通信・サイバーセキュリティー
現代戦において通信システムは「神経系」に例えられます。日本は民生分野で培った小型・軽量化、高信頼性、高速・大容量通信といった世界トップクラスの通信技術を有し、防衛分野での活用が期待されています。
日本の防衛テック企業にまとめて投資できるETF
日本の防衛テックは、政府の強力な政策支援と独自の技術力を背景に、大きな成長ポテンシャルを秘めています。しかし、多様な関連企業の中から個人で投資先を選び出すのは簡単ではありません。
そこでご紹介したいのが、日本の防衛テック関連企業にまとめて投資ができるグローバルX 防衛テック-日本株式ETF(513A)です。
当ETFの大きな特徴は、投資対象の捉え方にあります。まず、AIやサイバーセキュリティーなど民間発の先端技術を防衛に応用する「デュアル・ユース」の潮流を捉えている点です。
そして、伝統的な重工業だけでなく、部品や素材、ソフトウエアなど、日本の製造業が誇る広範なサプライチェーンに属する優れた企業も投資対象としています。これにより、防衛費の増額や研究開発支援といった国の成長戦略の恩恵を中長期的に受ける企業群へ幅広く投資することが可能になります。
具体的には、サイバーセキュリティーや高度な軍事システムなど四つのテーマに沿って10~15銘柄を選定します。日本の産業構造の特性を反映し、最終製品メーカーだけでなく、その重要な部品などを製造する中核サプライヤーも対象に含めている点がユニークです。
構成銘柄には、潜水艦や護衛艦を建造する 三菱重工業(7011) のような伝統的な防衛関連企業に加え、サイバーセキュリティーの FFRIセキュリティ(3692) や、世界で唯一スペースデブリ(宇宙ごみ)除去サービスを手掛ける アストロスケールホールディングス(186A) など、新しい技術を持つ企業も含まれています。
また、航海計器のパイオニアである 東京計器(7721) や、ソナー技術に強みを持つ 古野電気(6814) 、防衛用通信衛星を運用する スカパーJSATホールディングス(9412) など、ニッチな分野で世界的な競争力を持つ企業に投資できるのも魅力です。
当ETFが連動を目指す指数のパフォーマンスは、世界的な地政学リスクの高まりや日本の政策変更への期待などを背景に、2024年に入ってから東証株価指数(TOPIX)を大きく上回って推移しており、市場の関心の高さがうかがえます。
民間の先端技術を防衛に取り込む「防衛テック」の流れはまだ始まったばかりであり、一過性ではない中長期的な国家の課題です。そのためこの分野への注目は今後も高まり続けるでしょう。
<投資リスク>
当ファンドは、値動きのある有価証券等に投資しますので、基準価額は変動します。したがって、投資元本が保証されているものではなく、これを割込むことがあります。信託財産に生じた利益および損失は、すべて投資者に帰属します。投資信託は預貯金とは異なります。基準価額の主な変動要因は、以下のとおりです。「株価の変動(価格変動リスク・信用リスク)」、「その他」※基準価額の動きが指数と完全に一致するものではありません。※基準価額の変動要因は、上記に限定されるものではありません。※くわしくは「投資信託説明書(交付目論見書)」の「投資リスク」をご覧ください。
<ファンドの費用>
ETFの市場での売買には、証券会社が独自に定める売買委託手数料がかかり、約定金額とは別にご負担いただきます。(取扱会社証券会社ごとに手数料率が異なりますので、その上限額を表示することができません。)保有期間中に間接的にご負担いただく費用として運用管理費用(信託報酬)がかかります。
Global X Japan株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第3174号 一般社団法人日本投資顧問業協会会員 一般社団法人投資信託協会会員
(Global X Japan)

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