独禁法違反調査やAI脅威論が株価を圧迫、8月の再評価に期待

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(トリップ・ドットコム)


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 世界最大のオンライン旅行プラットフォーム、トリップ・ドットコムの2025年10-12月期決算は、非GAAPベースの純利益が前年同期比15%増の35億元と、BOCIの予想をわずかに下回った。BOCIは2026年も中核事業が勢いを維持し、前年比10%台半ばの増収を確保するとの見方。


 その一方、国内の独占禁止法違反に関する調査と罰金を巡る不透明感、収益安定化に向け海外展開ペースを調整する可能性、AIが市場シェアを奪う可能性――などが株価圧迫要因になるとみる。


 BOCIはうち罰金について、2026年に25億元を織り込んだが、その他の懸念の多くは過剰反応との見解。目標株価を引き下げながらも、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。


 10-12月期の売上高は前年同期比21%増の154億3,000万元、純利益は99%増の42億8,000万元と、BOCIの予想を上回った。一過性損益を除く非GAAPの営業利益、純利益は16%増の32億元、15%増の34億8,000万元と、予想をわずかに下回る数字。


 主に海外プラットフォーム「Trip.com」の急成長が影響したとみられる。「Trip.com」は10-12月期の営業利益率が推定で10%台前半のマイナス。「Trip.com」の売上構成比は約18%まで上昇しており、全体の利益率への影響はさらに高まる見通しという。


 経営陣によれば、続く2026年1-3月期の業績も堅調。旧正月休暇の国内ホテル予約やアウトバウンド、海外プラットフォームがいずれも前四半期の成長の勢いを維持した。


 ただ、市場が注目しているのは、独禁法違反に関する国家市場監督管理総局(SAMR)の調査。BOCIは過去の例から、罰金の確定には約6カ月を要し、罰金額は国内年間売上高の3~4%程度となる可能性を指摘。

4%を想定し、2026年に25億元との予測を組み込んだ。仮にそうなれば、2026年の非GAAP純利益を約13%押し下げるという。


 当局の調査に加え、2月には生成AIがオンライン旅行代理店(OTA)のバリューチェーンを崩壊させるとの警戒感が高まり、同社株価の下落を招いた。


 ビジネスモデルの見直しを迫られるとの疑念が浮上したわけだが、BOCIは消費者向けの旅行プランの生成AIアプリは現状、検索エンジンの代替品に過ぎないとして、トリップ・ドットコムの既存事業に取って代わる可能性に対して否定的。決済、顧客対応、アフターサービスといったインフラ基盤が同社の強みであり、他社の追随が難しい競争優位性だとしている。


 BOCIは同社株の次の再評価は8月になるとみている。SAMRの調査結果の開示見通しと4-6月期決算の発表が理由。罰金を反映させる形で、2026年の1株当たり利益(EPS)予想を下方修正し(2027年予想EPSは1.5%上方修正)、サムオブザパーツ(SOTP)方式に基づく米預託証券(ADR)とH株の目標株価を引き下げつつ、株価の先行きに強気見通しを継続した。


 レーティング面の潜在リスク要因としては、アウトバウンドなどの旅行需要の鈍化、海外旅行の規制強化、一段の競争激化(AIを含む)などを挙げている。


(Bank of China int.)

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