3月23日、東証REIT指数は終値1,914ポイント、予想分配金利回りは4.8%の高水準を記録しました。3月17日に発表された公示地価は、前年比+2.8%を記録し、5年連続の上昇となりました。
地価公示とは
まず地価公示について改めて、説明いたします。公示地価とは地価公示法に基づいて、国土交通省土地鑑定委員会が、適正な地価の形成に寄与するために、毎年1月1日時点における標準地の正常な価格を3月に公示するものです。
土地取引、不動産鑑定の目安となり重要な指標となっています。その価格が「公示地価」となります。国土交通省の地価公示のページでは場所ごとに個別の取引の実績を見ることもできます。まずは項目を絞って変動率で見ると概況を把握することができます。
全体動向と用途別指標
地価公示データによると2025年から2026年の変動率の全国的な上昇基調が鮮明ですが、用途別で見ると「商業地」の加速が際立っています。用途で整理すると以下のようになります。
・全用途平均:+2.8%
前年(2.7%)から上昇幅が拡大。35年ぶりの高水準
・住宅地:+2.1%
前年と同水準を維持。都市部中心に堅調な需要が継続している
・商業地:+4.3%
前年(3.9%)から拡大。インバウンドと再開発が牽引
<公示地価2025-2026年の変動率>
地域別の分析(二極化の変容)
これまでの「都市部のみ上昇」という構図から、現在は
(1)「大都市圏の加速」
(2)「地方四市の踊り場」
(3)「地方圏の拡大」
という新たな局面に入っています。
<地域別の全用途公示地価変動率の推移>
【1】「大都市圏の加速」:三大都市圏の独走
東京・大阪・名古屋の三大都市圏は全用途で+4.6%(前年4.2%)と、全国平均を大きく上回るペースで上昇しています。
東京圏 (+5.7%): 特に23区の住宅地は+9.0%と極めて高い伸び。都心回帰と共働き世帯の購買力が背景。
大阪圏 (+3.8%): 万博関連や再開発への期待から上昇幅が拡大。
【2】「地方四市の踊り場」:地方四市(札幌・仙台・広島・福岡)の減速
これまで全国を牽引してきた地方四市(平均+4.5%)は、上昇こそ継続しているものの、前年(5.8%)から伸び率が鈍化しました。要因としては地価高騰に伴う「買い控え」や、建築資材高騰による開発の精査が進んだためと考えられます。
【3】地方圏の拡大
地方圏(四市を除く)の全用途平均も+1.2%と上昇。特に観光需要のあるリゾート地(北海道、長野など)や、半導体工場等の進出に関連する地域(熊本、千歳など)で特異な上昇が見られます。
今後の注目ポイント
【1】 インバウンドと高度商業化
商業地の最高価格は21年連続で東京都中央区「山野楽器銀座本店」(1平方メートルあたり6,710万円、前年比+10.9%)。外国人観光客の回復により、浅草などの観光拠点では20%を超える上昇地点も現れています。中国からの観光客の減少や中東リスクなどのリスクは注視する必要がありますが、今年もインバウンドは大きな因子であることは間違いないと考えています。
【2】再開発プロジェクト
東京の港南エリア(+22.2%)や、福岡市中心部など、大規模な再開発プロジェクトが周辺地価を強力に押し上げています。不動産投資において再開発地区というのは注目されるエリアとなりますが、再開発された利便性を享受できる周辺地域にも強い需要がある結果と考えています。
【3】コストプッシュと二極化
建設費や労務単価の上昇(前年比+4.5%程度)が販売価格に転嫁されており、「利便性の高い好立地」と「それ以外」の格差がさらに広がっています。
【4】 金利の動向
金利動向の影響については日銀の金融政策変更に伴う住宅ローン金利の先行きが、今後の住宅地需要(特に地方)のハードルになる可能性があります。
【5】産業構造の影響
熊本県に建設されたTSMCの半導体工場や北海道(千歳)のラピダス関連企業、千葉県の大規模データセンターに見られるような産業構造の変化に伴う地価上昇が他の地方都市へ波及するかどうかが焦点です。
地価公示からみるJリート市場の戦略と今後の展望
中東情勢の悪化から株式は下落局面に入っており、Jリートも景況への不安から足元では売られてきていますが、配当込みの指数でみると底堅い動きとなっています。
<東証REIT指数 配当込みREIT指数>
結論から述べると、今回の地価上昇はJ-REITにとって含み益の拡大による財務健全化という強いプラス要因がある一方で、物件取得難易度の上昇と長期金利上昇、中東情勢による逆風とのせめぎ合いが続く局面といえます。
公示地価の大幅な上昇は、J-REITが保有する物件の鑑定評価額を押し上げます。2026年3月時点で、J-REIT全体の含み益率は平均30%に迫る勢いです。これは、帳簿上の資産価値よりも実際の市場価値が極めて高いことを意味します。
地価上昇により1口あたりのNAV(純資産価値)が増大します。NAVが増大した多くの投資法人が物件の売却を戦略的に活用しています。
売却益は分配金に含まれます。低利回りの築古物件を高値で売却し、その売却益を分配金に充当することで、内部成長(賃料上昇)の遅れを補う動きが目立ちます。
その他にも売却資金で有利子負債を削減し、より競争力の高い新築物件への買い替えを行うことで、将来の金利上昇局面に対する耐性を強めている動きも見られます。
前述のように今回の公示地価上昇の要因には建築コストの上昇も含まれています。これは、新築物件の供給抑制と既存物件の希少性向上につながります。Jリートの中でもセクターごとに賃料改定の傾向は異なります。
【1】オフィス・商業セクター
東京23区や大阪圏の地価が5~9%上昇していることは、テナントに対する賃料増額交渉の強力なエビデンスとなっています。特に変動賃料制を導入している商業施設や、インバウンド恩恵を受けるホテルリートにとって追い風だと考えています。
インヴィンシブル投資法人やジャパンホテルリートは、投資口価格がインバウンドと景気の両方に敏感なセクターであるため、価格は割安な分、予想分配金利回り6%以上と魅力的な水準だと考えています。
【2】物流セクター
地価上昇が著しい地域(圏央道周辺や地方中核都市)に拠点を構える投資法人は、将来の再契約時に高い賃料設定が可能になりますが物価に連動した契約をとる戦略をとっているGLP投資法人などは賃料上昇局面において契約満了前に賃料をより高く改定できています。
<参考銘柄一覧> コード 銘柄名 主な
投資対象 分配金利回り
(年率:会社予想) 【%】 投資口価格 【円】 8963 インヴィンシブル投資法人 ホテル等 6.34 59,700 8985 ジャパンホテルリート投資法人 ホテル等 6.84 75,600 3234 森ヒルズリート投資法人 オフィスビル 4.51 137,200 8951 日本ビルファンド投資法人 オフィスビル 3.57 137,800 8952 ジャパンリアル
エステイト投資法人 オフィスビル 4.14 122,400 3281 GLP投資法人 物流施設 4.95 134,700 3283 日本プロロジスリート投資法人 物流施設 4.26 90,100 3466 ラサールロジポート投資法人 物流施設 4.62 153,500 3292 イオンリート投資法人 商業施設等 5.21 129,900 3269 アドバンス・
レジデンス投資法人 住居 3.78 166,900 出所: QUICKより楽天証券経済研究所が作成。2026年3月23日の終値時点。予想分配利回りは会社予想から年平均にて算出
(茂木 春輝)

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