YouTube登録者数41万人を超える節約系YouTuber・くらまさん。現在は資産1億円を突破。
くらまさんプロフィール
「見えない格差」におびえた学生時代。「大二病」で失った貯金80万円
トウシル:くらまさんが運営するYouTubeチャンネル「倹者の流儀」は、2026年3月に登録者数が41万人を突破しました。節約系YouTuberとして確固たる地位を築かれていますが、そもそもの話、なぜそこまでお金に対してストイックな姿勢を持つようになったのでしょうか。その原点から教えてください。
くらまさん:僕の原点は、大学進学の際に背負った384万円の奨学金です。高校3年生の時にその額を借りると決めてから、ずっと心のどこかにお金に対する重い悩みがありました。
大学では、奨学金を借りている人と、借りていない人が半々くらい。僕は借りている側だったので、周りを見ては「俺は借金してこの大学に来ているけど、あいつらは無借金なんだな」という格差を強烈に意識していました。
トウシル:その「格差」というのは、具体的にどのような場面で感じたのですか?
くらまさん:親の所得、あるいは育ってきた地域の違いですね。
トウシル:学生時代は、どのような生活を送られていたのでしょうか。
くらまさん:最初は節制して過ごそうと思っていたんですよ。卒業後の返済があることが分かっていたので、必死にアルバイトをして一時は80万円くらいまで貯金できました。大学生としては結構頑張った方だと思います。しかし、結局それを維持できなかったんです。
トウシル:大学生で80万円の貯金はかなりスゴイですよね。なぜ維持できなかったのでしょう?
くらまさん:「周りに合わせなきゃいけない」という強迫観念に負けてしまったんです。実家暮らしで奨学金も借りていない友人と同じようにお金を使わないと、コミュニティーに残れないような気がしていました。
トウシル:ああ、確かに格差を感じるシーンは多そうですね…。
くらまさん:さらに、お金をつぎ込んだのが服です。おしゃれに敏感な時期で、デートに行くならいい服を着なきゃいけないと思い込んでいました。それから飲み代。学校終わりに飲みに行って、「昨日飲みすぎて二日酔いだわ」なんて言うのが、自分の中で「イキっている」というか、かっこいいことだと思っていました。
典型的な「大二病(大学2年生が拗らせる自意識高めの症候群)」ですよ。結局、卒業する頃にはあんなに苦労してためた80万円はほぼゼロ。借金384万円だけが残った状態で、社会に出ることになったんです。
月収7万円からの再出発。初詣で決めた人生のやり直し
トウシル:卒業後、すぐに就職されたのですか?
くらまさん:いえ、ちゃんとしたところに就職しようと公務員試験を受けたんですが、全部落ちてしまい、そのまま大学を卒業してニートになりました。あの時期は本当につらかったですね。高卒で働いている地元の友達は、もう結婚して子どもがいる人もいます。
トウシル:その生活はいつまで続いたんでしょうか。
くらまさん:さすがにまずいと思って、フリーターとしてコンビニの夜勤と介護施設での仕事を掛け持ちで始めました。しかし、月収は多い月でも7万~8万円程度でした。ダブルワークをしているので勉強時間も確保できず、また公務員試験に落ちる…という悪循環を繰り返していました。
トウシル:借金があって、収入も少ない。その状況から抜け出したきっかけは?
くらまさん:2017年の末、20代も半ばを過ぎて「このままだと一生、お金の奴隷として終わる」という恐怖がピークに達したんです。2018年1月1日、初詣のタイミングで「絶対に正社員になって、お金をためて、自分の人生を変えてやる」と誓いました。今思えば、その日が僕にとっての第2の誕生日だったのかもしれません。
マクロ視点で世の中の構造を読み解く。家賃5,000円を実現した仕事選び
トウシル:おお、ついに再起が始まりますね! まずは何から始めたのですか?
くらまさん:徹底した「マクロ要因の分析」です。
トウシル:ホテル業界と節約に、どのような関係があるのでしょうか。
くらまさん:ホテル業界は、寮や住み込みの制度が非常に充実しています。今の職場を選んだ最大の理由は、福利厚生で家賃が5,000円まで抑えられるからです。
トウシル:5,000円!? それはスゴイ!!
くらまさん:共益費や光熱費も含んで、居住にかかる支払いが5,000円です。敷金、礼金、保証金なしです。東京近郊で、月額6万円ではなく年間6万円で住めるという、今のインフレ社会ではあり得ない環境を手に入れました。
当時の給料が額面で約26万円でしたが、家賃がこれだけ低ければ、可処分所得は実質的に年収500万円以上のサラリーマンと同等になります。スキルも何もない自分が最短で資産を築くには、この「職種選びによる固定費ハック」しかありませんでした。
トウシル:東京近郊でそれは、もはや事件ですね…! このタイミングで一人暮らしを始めたんですよね。生活のスタイルは大きく変わったのですか?
くらまさん:そうですね。意図的に激変させました。コンビニ弁当をやめ、自炊を徹底し、副業を始めました。その副業も、節約に直結することを前提に選んでいます。
トウシル:節約につながる副業選び? 何か選ぶ基準でも設けたのですか?
くらまさん:判断基準は一つだけ、「生活費を下げられるかどうか」でした。例えば、飲食店で働けばまかないが出て食費が浮きますし、ドラッグストアで働けば生活必需品が社割で安く買えます。本業のホテルでの夜勤、その合間の飲食店バイト、さらにドラッグストア。これらを組み合わせることで、月の生活費を3万円程度まで押し下げました。
トウシル:本業では夜勤もされているんですね。夜勤も節約につながるんでしょうか。
くらまさん:実は、夜勤は最強の節約・貯金メソッドなんです。
トウシル:「人がやりたがらないこと」をやるメリット、ということでしょうか。
くらまさん:その通りです。夜勤をやりたがる人は決して多くありません。一方で求人はたくさんあり、僕のような経歴でも条件の良い職場が選べました。AIに代替されないエッセンシャルワークで、かつ人が嫌がる時間を引き受けることで、自分の市場価値を補ったんです。
休日は人混みを避けて、人が働いている時に自分は空いているカフェで過ごす。この逆張りの生活が、精神的にも経済的にも僕を救ってくれました。
「倹者の流儀」誕生。自分の人生をコンテンツに変えた瞬間
トウシル:その過酷とも言える生活の中で、YouTubeでの発信も始められました。なぜ発信しようと思ったのですか?
くらまさん:収入を安定させるために、労働以外の収入源を育てる必要があると思ったからです。お金がたまってきたタイミングでPCを買い、最初は主に政治の話をしていました。しかし、これが全くウケなくて…。当時は政治系のチャンネルは数える程度しかなかったので、自分なりに勝算はあったのですが、ふたを開けてみれば1年以上無収入でした。
トウシル:そこから、現在の「節約系」にシフトしたのは何がきっかけだったのですか?
くらまさん:ある時、知り合いに「去年、節約だけで300万円ためた」と話したらびっくりされたんです。「そんな人いないよ!?」と。自分にとっては当たり前の努力でしたが、世の中にはそれを「異常なまでの成果」と驚く人がいることに気がつきました。そこで節約のノウハウを動画にしてみたところ、一気に伸びました。
トウシル:おお、いよいよ「 倹者の流儀 」の誕生ですね! 当時の節約系のチャンネルの市場はどのような状態だったんでしょうか。競合も多かったんじゃないですか?
くらまさん:確かに多かったですね。ただ、主婦の方が運営する「家庭の節約」をテーマにしたチャンネルが大半で、独身男性が夜勤までして資産形成を追い求めるようなコンテンツは当時はありませんでした。
レッドオーシャンの中にあるブルーオーシャンを見つけたような気分でしたよ。当時、僕は顔出しこそしていませんでしたが、自分そのものをコンテンツにし、通帳の中身や節約生活を公開することで、他のチャンネルとの大きな違いを生み出すことができました。
トウシル:具体的な数字を赤裸々に公開したんですね。資産額が増えるたびに、視聴者も盛り上がったんじゃないですか?
くらまさん:300万円、500万円と増えていく過程は、まさにロールプレイングゲームのレベルアップのようでした。最初は奨学金におびえていた青年が、節約という武器一本で資産を築き上げていく様子は、リアルなドキュメンタリーに見えたんじゃないでしょうか。
そうして貯金を始めて3年が過ぎたころに、資産が1,000万円を突破しました。このタイミングで、僕はさらに資産形成を加速させるチャレンジを始めたんです。
トウシル:徹底した貯蓄で築いた1,000万円がどうやって1億円まで爆増したのか気になります! ぜひ後編で教えてください!
▼後編はこちら
「倹者」が行き着いた究極の分散。株・金・ビットコインの守りのポートフォリオ:節約系YouTuber・くらまさんインタビュー[後編]
(トウシル編集チーム)

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