米国はもういくつか戦争をやって借金だらけになり、最後の最後は1年物の米国債が10年国債に変わる債務再編成の可能性がある。昔のブラジル方式だ。
われわれは債務危機へと向かっている!?
現在、ソブリン債務危機が進行している兆候が見受けられる。特に西側諸国では国債市場への依存度が高まる一方で、膨大なプリンティングマネー(紙幣増発)によって市場が不安定になっている。2021年以降、米国の長期金利は約6倍に上昇し、日本の長期金利は約30倍に上昇した。
米国10年国債金利(月足)
日本10年国債金利(月足)
アラン・グリーンスパン元米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、「米国はどんな債務にも対応可能であり、その理由は(金本位制でないため)必要に応じて通貨発行ができるためである」と述べている。
従って、今のところデフォルト(債務不履行)はしないで、インフレを通じて債務の実質負担を軽減する戦略が導入されている。これは日本も米国も同じである。当然、通貨の劣化(購買力の低下)や個人資産価値に影響が及んでいる。金融抑圧による円安でインフレが進行し、インフレ(円安)で日本株や不動産は上げている。
ドル円(月足)
日経平均CFD(月足)
民主主義諸国に住む多くの人が「自分たちは不可侵の自由を享受しており、その自由が全体主義・共産主義・独裁主義体制を打倒してきた」と考えてきた。しかし、現在明らかになっているように、それは大いなる勘違いなのである。
「人は自由と幸福のどちらかを選ぶとすれば、圧倒的大多数が幸福がよいとする」(ジョージ・オーウェル)が、その幸福も「放漫財政」と「暴走中央銀行」のマッチポンプ政策による幻覚にすぎない。
債券王のジェフリー・ガンドラックは、「終わりのない借金による計画が人々をゴールドへと駆り立てている。連邦政府が財務省の債務再編を余儀なくされるのではないかと心配している。私の基本シナリオは、長期金利が、影響を無視しがたい水準に達するまで上昇し続けるというものだ。そして私はそれが約6%前後になると考えている。長期金利が約6%まで上昇すれば、人々は計算を始め、この金利費用が2兆ドルを超える方向に向かっていることに気づき始めるだろう。これは耐えがたいものだ。そこで債務の再編の概念が始まるかもしれない。つまり、ソフトデフォルトを行い、クーポンレートを履行しないのだ。そうなると、数世代にわたって資金を借りることができなくなるだろう。なぜなら、これらの長期債の価格が崩壊し、誰も長期債を発行するのを信頼しないからだ。しかし、これは皮肉にも解決策の一部になるだろう。
ゴールドCFD(週足)
筆者も指摘してきたように、米国はもういくつか戦争をやって借金だらけになり、最後の最後は1年物の米国債が10年国債に変わる債務再編成の可能性がある。昔のブラジル方式だ。米国債の現在価値は急落し、オーバーナイト金利は急騰する。それが米国の帝国としての終わりとなるだろう。ローマ帝国も英国も、帝国の終わりは借金だ。
政府によるインフレで資産が目減りしないように守ろう!
投資家で作家のダグ・ケイシーは、インフレについて、人々の倫理基準をむしばむ要因になるとして次のように述べている。
「経済学とは、人間が生き残るためにどのように生産し消費するかを研究する学問である。一般の人々は経済学についてあまり理解していないかもしれないが、道徳については直感的に理解している。通貨の価値が下がると、人々は盗まれたと感じる。特に、政府や大企業のトップといった「エリート」が富を蓄積しているのを見ればなおさらだ。エリートは国の道徳的規範を定める存在であり、インフレから利益を得る立場にもいる。
魚は頭から腐ると言われるが、国も同じである。通貨インフレは、暴力、革命、そして市民社会そのものの転覆につながる」
ダグ・ケイシーはインフレが深刻な社会的、文化的衰退につながった歴史的な事例として次の事例を挙げ、またそこからの教訓として、以下を指摘している。
「通貨の破壊は必ず社会的な混乱を引き起こす。なぜなら、生産に携わる人々は通常、貯蓄を自国通貨で保有しているからだ。しかし、自国通貨が破壊されると、彼らが生涯をかけて築き上げてきたものの大部分も失われてしまう。インフレは文明社会の根幹を揺るがす。
第二次世界大戦後、蒋介石政権が崩壊した大きな理由の一つがインフレだった。そして、中国共産党が通貨管理において比較的有能であったのも、まさにこのインフレが大きな理由である。第一次世界大戦後のドイツのワイマール共和国はマルクを完全に崩壊させ、インフレが引き起こした社会不安は1920年代を通じてナチスと共産主義者の間の街頭暴動につながり、その後1933年の民主的な選挙を経てナチスが勝利を収めた。
一部の国では慢性的なインフレに悩まされており、その結果、政府転覆の試みが絶えず行われている。真の富を生み出すことが困難になると、ある種の人々が政治の世界に引き込まれる。彼らは、モノを生産するのではなく、政治権力によって富を得られることに気づくのだ。
通貨が不安定な国が、社会的、経済的、政治的に不安定になるのはそのためである」
インフレによる金融、経済への影響から身を守る方法として、ダグ・ケイシーは以前からゴールドやその他の実物資産を活用することを議論してきた。一方で経済的な影響以外に、インフレの負の社会的、文化的、政治的影響から人々はどのように身を守ることができるのかについて、次のように述べている。
「最も重要なことは、スキルを身につけることだ。幅広く、かつ深く、多くのスキルを習得することで、どんな状況になっても、人々が求めるものを生み出すことができるようになる。では、何をすべきか?という問いに対しては、困難な時期に備えて、知的、精神的、肉体的、経済的、そして技能的な準備をすることだ。消費量よりも生産量が多い状況を作り出そう。余剰分は貴金属で貯蓄し、その資金を使って投資や投機を行う方法を学ぼう。政府によるインフレで資産が目減りしないように守ろう」
インフレが問題になっていても、負債が大きすぎて大幅な利上げ(インフレ・ファイト)はできず、中央銀行ができることは何もない。しかし、彼らは、市場を落ち着かせるために、かなりのショーを行っている。それは、タイタニック号が沈むときのオーケストラの演奏を少しだけ思い出させる。
米・イスラエル・イラン間の戦争は私たちが直面している世界大戦の一部に過ぎない
「今後待ち受ける事態に対処するために過去500年間に市場に影響を与えたあらゆる事象を研究してきた私から見ると、私には、多くの人々が、現在イランで起きているような、その時々で注目を集める事象に焦点を当て、それに反応する傾向があり、一方で、現在の状況や将来起こりうる事態を牽引している、はるかに大規模で重要かつ長期的に進行している事象を見落としているように思える。今日において最も重要なのは、米・イスラエル・イラン間の戦争は、私たちが直面している世界大戦の一部に過ぎず、それがすぐには終わらないということだ」
帝国のビッグサイクル(レイ・ダリオ)
「(ワンワールドを目指すグローバリストにとって、)多極化との闘いは人類との闘いである。彼らがそれを公然と宣言するとき、それは人類が団結するのを助ける。
リベラルなグローバリストの覇権は覆い隠されていた。トランプの覇権は公然として攻撃的である。どちらの場合も、人類には闘う以外に選択肢はない。グローバリストたちはトランプとその家族、そしてすべての支持者を羊のように虐殺するだろう。すべてをトランプのせいにして、彼を狂人だと宣言するだろう。 しかし、グローバリストはすべての完全破壊のサイクルが終わり、多極化の出現を防ぐためにさらに時間を稼ぐことができることを望んでいる。トランプは、苦悶の中で必死に世界覇権を維持しようとしているグローバリストたちの最後の武器であることが明らかになった。2028年までに、トランプはラテンアメリカと中東のすべての主権国家を粉砕し、ロシアとの戦争に勝利し、中国との戦争を開始しなければならない」
(アレクサンドル・ドゥーギン)
戦争は石油(エネルギー)の奪い合いである。イラン攻撃も中国の一帯一路(The Belt and Road Initiative)を阻止したい米国の「中国包囲網」の一部に過ぎない。中国の弱点は石油である。そのため、西側は中国に石油を供給しているロシアにも手を出したい。
イランにばかり目が向いているが、この文脈からは、最後は中国とぶつかることになるだろう。
中国の一帯一路構想
80年前にできた第2次世界大戦後の「世界秩序」はすでに終わりを迎えていたのだ。それがトランプになって見えやすくなっただけである。トランプは「約束を守らない」と皆が思っているので、外交にならない。好き嫌いは別として、中国やロシアの方が約束は守るだろう。
トランプが外交的な幻想を剥ぎ取り、米国覇権の生々しく残酷な本質を明らかにした。それがトランプの功績である。今年のトランプは帝国の終わりにふさわしい愚かな政策を連発し、後は「何ともならない状況」のなかで金もうけ (TACOトレード)に走っているだけだ。
4月8日のラジオNIKKEI「楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー」
4月8日のラジオNIKKEI「楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー」は、土信田雅之さん(楽天証券経済研究所 シニアマーケットアナリスト)をゲストにお招きして、「強気相場の罠(ブルトラップ)」「信用取引は大膨張」「この戦争がどう展開しようとも石油市場は後戻りできない」「プライベート・クレジット市場という金融ストレス」というテーマで土信田さんと話をしてみました。ぜひ、ご覧ください。
ラジオNIKKEIの番組ホームページ から出演者の資料がダウンロードできるので、投資の参考にしていただきたい。
4月8日:楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー
(石原 順)

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