2025年7月「負債1,000万円未満」倒産状況


 2025年7月の負債1,000万円未満の倒産は、今年最多の57件(前年同月比12.3%減)に達した。
 3月の31件を底に、4カ月連続で前月を上回り、2月(52件)以来5カ月ぶりの50件台に乗せ、増勢が顕著になっている。


 2025年1-7月累計は307件(前年同期比5.8%減)で、月平均43.8件で推移している。

 産業別では、10産業のうち、増加が建設業、小売業の2産業で、減少が製造業、卸売業、不動産業、運輸業、サービス業他の5産業。農・林・漁・鉱業と情報通信業は前年同月と同件数、金融・保険業は前年同月と同じくゼロだった。

 円安が続き物価高が長引くなか、人手不足や人材確保のための人件費の高騰が重なり、多くの企業で収益が圧迫されている。
 負債1,000万円未満の倒産の主体である小・零細企業は、金融支援への依存度が高く、コロナ禍の資金繰り支援などで過剰債務に陥っている企業もある。低収益で返済原資を捻出できない企業も少なくないなかで、2024年6月に終了したコロナ借換保証の返済も本格化する。
 コストアップに見合う価格転嫁ができず、経営改善が遅れた企業を中心に、市場からの退出を迫られる小・零細企業は、今後も増加する可能性が高い。

※本調査は、2025年7月に全国で発生した企業倒産(法的、私的)のうち、企業倒産集計(負債1,000万円以上)に含まれない負債1,000万円未満の倒産を集計、分析した。

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