2025年度上半期(4-9月)の道路貨物運送業倒産は、件数が163件(前年同期比15.1%減)で、5年ぶりに前年同期を下回った。
負債総額は193億2,300万円(前年同期比6.9%減)で、3年連続で前年同期を下回った。
「人手不足」関連倒産は36件(前年同期同数)で、「人件費高騰」と「求人難」が各12件、「従業員退職」が7件、「後継者難」が5件だった。
燃料費の高騰などによる「物価高」関連倒産は、44件(前年同期59件)発生した。
燃料価格の高止まりや車両費等が高騰するなか、価格転嫁が徐々に浸透した結果、道路貨物運送業の倒産は小康状態にある。これを裏付けるように、「物価高」倒産の上半期倒産全体に占める構成比は26.9%(前年同期30.7%)と前年同期を下回った。ただ、重層的な下請け構造で、荷主等との価格交渉が容易ではない商慣習もあって、各種コストの上昇が先行。さらに、深刻な「人手不足」は受注機会の逸失も招き、業績が停滞している事業者に追い打ちをかけている。
こうした状況を打開すべく、2025年4月に「改正物流効率化法」、26年1月には適正な価格転嫁を図る「改正下請法」が順次施行される。ただ、生産性の向上と同時に労働環境や賃金の見直しを通してドライバーを増やすこと以外、抜本的な解決策は見いだせず、経営が疲弊し、時間的な余裕がない中小・零細企業を中心に、今後も倒産件数は一進一退を推移するものとみられる。

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