2025年4月、大阪・関西万博が開催された。事前の報道では、建設遅れや費用高騰、世論の冷めた視線など、逆風ばかりが目立ち、期待薄との声が支配的だった。
総来場者は約2901万7900人、運営収支は約230億~280億円の黒字が見込まれる。だが、総額が約9.7兆円に上る関連インフラ整備費は含まれず、入場者数には関係者もカウントされている。果たして、どこまで人気があったのか意見は分かれるが、会場建設費の国負担分を含めると国費負担の総額は約1647億円が見込まれ、運営収支をはるかに上回る。本当の意味での収支は、万博の遺産の長い時間をかけた有効活用にかかる。
また、パビリオンの建築費を巡り、下請の建設業者が元請業者を相手取り、未払いの工事費を求める民事訴訟が複数起こされている。
大阪・関西万博は「未来社会の実験場」をコンセプトとしていた。万博の年間チケットを購入し、20日間通った人は「異文化に触れる感動」、「各パビリオンでの体験」など、個人でも家族でも楽しめ、世界を知ることができたと語る。
短期間の消費だけで判断すれば慎重論が残るが、目に見えにくい効果が万博の真骨頂とすれば、その評価はこれからだろう。
盛況のなかで下請への工事費未払いも発覚

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