~ 2025年「訪問介護事業者」倒産動向 ~
介護報酬のマイナス改定やヘルパー不足などで深刻な経営環境にある訪問介護業界の倒産が、2025年は91件(前年比12.3%増)で調査開始以来、過去最多だったことがわかった。3年連続で更新した。
政府は、2026年度の臨時改定で2.03%の引き上げと最大1.9万円の介護職員の賃上げを決定するなど、支援の意向をみせている。だが、コロナ禍のダメージも残り、苦境に陥っている訪問介護事業者も多い。一過性の支援が行き届いても、抜本的な改善策を見出せなければ倒産を抑制できない可能性も残る。
2025年の「訪問介護事業者」の倒産(負債1,000万円以上)は91件(前年81件)で、介護保険制度が始まった2000年の調査開始以来、過去最多を更新した。原因別では、売上不振(販売不振)が75件(構成比82.4%)と8割超を占める。また、求人難や従業員退職など「人手不足」関連倒産は13件判明し、最多だった2023年(11件)を上回った。
大手との競争や地域によっては人口の減少、ヘルパー退職による利用率の低下などが深刻だが、報酬のマイナス改定の影響も小さくない。このため、先行きが見通せない事業者が、再建より破産を選択するケースが多く、破産は86件(同94.5%)と過去最多だった。
事業規模では、個人企業他を含め資本金500万円未満が73件(同80.2%)、負債額1億円未満が81件(同89.0%)、従業員10人未満が79件(同86.8%)と、小・零細事業者が中心だった。
都道府県別では、最多が大阪府12件(前年比29.4%減)。
政府は総合経済対策の「医療・介護等支援パッケージ」で、ICT等のテクノロジー導入や経営の協働化などの取り組みの支援を発表した。だが、訪問介護は地域性や事業規模によって事業環境が大きく異なり、総花的な支援策だけでは難しいだけに今後の取り組みが注目される。
一方で、公定価格で価格転嫁ができないため、小・零細事業者は合理化も難しいのが実情だ。地域の実情を加味しながら、ヘルパー育成や退職防止、ICT導入など、きめ細やかな支援も欠かせない。
※ 本調査は、日本産業分類(細分類)の「訪問介護事業」の倒産を集計、分析した。
※ 調査開始は介護保険制度が始まった2000年から。

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