~2026年2月「賃上げ」に関するアンケート調査~
2026年度に賃上げを予定する企業は83.6%で、5年連続で80%台に乗せる見込みだ。
2025年度の82.0%を1.6ポイント上回った。ただ、賃上げ率は、全体で「5%以上」が35.5%(2025年8月実績値39.6%)、中小企業で「6%以上」が7.2%(同15.2%)と、前年度の実績値から低下した。
連合(日本労働組合総連合会)は、 2025年に続き、 2026年の春闘方針で賃上げ率を全体「5%以上」、中小企業「6%以上」を掲げるが、賃上げに「息切れ」する企業も増え、ハードルはさらに高まっている。
2026年度に賃上げを「実施する」企業へ、毎年賃上げを持続できるか聞いたところ、持続的な賃上げの見通しが立っていない企業は30.4%に達した。このうち、「毎年実施するのは難しい」企業が5.0%あり、道路旅客運送業や医療業などで高さが目立った。
一方、賃上げを「実施しない」企業では、コスト高騰と価格転嫁の難しさを理由に挙げる企業が多かった。また、「2025年度の賃上げが負担となっている」は、大企業が26.3%で、中小企業の14.3%を12.0ポイント上回った。
大企業は、ベースアップなどの人件費が固定的に増加する賃上げの実施率が高く、従業員も多いことで将来の退職金などを含め収益圧迫を招き、負担を強く感じる企業が増えているようだ。
厚生労働省によると、2025年の実質賃金(速報値)は前年比▲1.3%とマイナス幅が拡大した。連合は実質賃金の押し上げによる個人消費の回復を目指すが、現場では原材料費やエネルギー費の高騰が収益を圧迫している。とりわけ中小企業は価格転嫁が十分に進まず、賃上げ原資の確保に苦慮する状況もみられる。持続的な賃上げの実現には、企業の自助努力だけでなく、適正な取引価格の浸透や商慣行の見直し、税負担の軽減などによる事業環境の改善が不可欠になっている。
※本調査は2026年1月30日~2月6日にインターネットによるアンケート調査を実施。有効回答5,008社を集計、分析した。
※賃上げの実態を把握するため、「定期昇給」、「ベースアップ」、「賞与(一時金)」、「新卒者の初任給の増額」、「再雇用者の賃金の増額」を賃上げと定義した。
※資本金1億円以上を「大企業」、1億円未満(個人企業等を含む)を「中小企業」と定義した。
Q1.来年度(2026年度)、貴社では賃上げを実施しますか?(択一回答)
■「実施する」が83.6%
2026年度に賃上げを「実施する」と回答した企業は83.6%(5,008社中、4,190社)だった。
2025年度に賃上げを実施した企業の82.0%を1.6ポイント上回った。
規模別では、「実施する」は大企業が93.8%(372社中、349社)と9割を超えたが、中小企業は82.8%(4,636社中、3,841社)にとどまり、11.0ポイントの差が開いた。
産業別 10産業中、6産業で賃上げ予定が8割超
産業別で、「実施する」と回答した割合が最も高い産業は運輸業の93.4%(213社中、199社)だった。以下、製造業90.1%(1,255社中、1,132社)、卸売業85.3%(907社中、774社)、建設業85.2%(808社中、689社)、農・林・漁・鉱業84.0%(44社中、37社)と続く。
10産業中、「実施する」が8割を超えたのは6産業(前回4産業)。2025年8月実績値から構成比が低下した産業は卸売業(1.1ポイント減)のみだった。
一方、「実施する」の回答率が最も低かったのは、不動産業の58.3%(161社中、94社)で、唯一、6割を下回り、他産業と差がついた。業績変動が小さく社員数も少ない賃貸・管理業者などが多いことや、成果報酬等で対応する企業が多いことが影響していると考えられる。
以下、情報通信業74.3%(285社中、212社)、小売業74.5%(263社中、196社)、金融・保険業77.9%(59社中、46社)の順で実施予定率が低かった。
規模別の賃上げ予定率 運輸業を除く9産業で大企業が中小企業を上回る
規模・産業別では、大企業では農・林・漁・鉱業、情報通信業の2産業で賃上げ予定率が100%だった。また、建設業、製造業、卸売業、運輸業、サービス業他の5産業も実施予定率が9割を超えた。一方、中小企業は賃上げ予定率100%の産業がなく、9割を超えた産業は運輸業のみだった。
規模による賃上げ実施率の差が最大だったのは情報通信業で、「実施する」が大企業100.0%に対し、中小企業はワースト2位の72.4%(265社中、192社)と27.5ポイントの差がついた。
人材が競争力に直結する情報通信業では、高度な専門的技術を持つ人材の囲い込みや人材流出の防止のため、大企業では賃上げを行う意向が強い。一方、受託開発などが中心の中小企業では、価格交渉力の弱さから利益率が低い企業も多く、賃上げ原資の乏しさから賃上げを実施できない企業も少なくない。
Q2.来年度(2026年度)賃上げを「実施する」と回答した方に伺います。向こう5年先まで見通した場合、貴社は毎年の賃上げを実施できそうですか?(単一回答)
■今後賃上げを継続する意向の企業は69.5%
2026年度の賃上げを「実施する」見込みの企業へ、今後も毎年賃上げを実施できそうか見通しを聞いたところ、構成比の最大は、「おそらく(60%程度)毎年実施できる」で30.1%(4,042社中、1,220社)だった。次いで、「毎年実施できるか不透明」が25.4%(1,027社)で続く。
「必ず毎年実施できる」「高い確率で毎年実施できる」「おそらく毎年実施できる」の3つを合わせた今後賃上げを継続する意向の企業は69.5%(2025年2月調査65.3%)だった。
2025年2月調査では「毎年実施できるか不透明」の構成比が29.3%で最大だったが、この1年で5年先まで賃上げを継続する意向が高まった企業が増えた。
【産業・業種別】
産業別で毎年の賃上げを継続する見込みの企業は、構成比の最大が卸売業の74.0%。以下、不動産業73.6%、運輸業70.4%が続き、4産業で7割を超えた。
10産業全てで、賃上げを継続して実施する見込みの構成比が6割を超えた。
産業を細分化した業種別(回答分母10以上)で、継続実施見込みの構成比が最大だったのは「水運業」90.0%だった。以下、「倉庫業」が88.8%、「化学工業」が85.0%で続く。
「毎年実施するのは難しい」業種では、「道路旅客運送業」が21.4%で最大。バスやタクシーなどの「道路旅客運送業」は、公共交通機関として運賃が規制されていることに加え、観光業などの消費動向にも左右され、5年先までの賃上げ見通しが立たない企業が多いようだ。
2位には、同様に公定価格で診療報酬が決定する「医療業」が16.6%で続く。他業種に比べ売上拡大が難しく、コスト高騰分を吸収できず賃上げに二の足を踏む企業がみられる。
Q3.来年度(2026年度)賃上げを「実施する」と回答した方に伺います。賃上げする理由は何ですか?(複数回答)
■賃上げ実施理由は「従業員の離職防止」が80.3%でトップ
2026年度の賃上げを「実施する」と回答した企業へ賃上げする理由を聞き、4,053社から回答を得た。
構成比の最大は、「従業員の離職防止」の80.3%(3,257社)で、10産業すべてで構成比が最大だった。なかでも、後継者難などで人手不足が深刻な農・林・漁・鉱業が88.5%(35社中、31社)と高かった。
次いで、「物価高への対応」が65.5%(2,657社)、「新規採用を円滑にするため」が49.4%(2,005社)で続く。「業績向上分の還元」は30.5%(1,237社)、「業績見通しの好転」は5.9%(242社)にとどまり、業績アップや改善による賃上げより、人手不足に対応するために賃上げせざるをえない“先行投資型”の企業が多かった。
企業規模別では、「新規採用を円滑にするため」で大企業73.3%が中小企業47.2%を26.1ポイント、「労働組合の要請」で大企業15.0%が中小企業2.5%を12.5ポイント、上回った。
「その他」では、「最低賃金の上昇への対応」、「従業員のモチベーション向上」、「補助金受給の条件」、「公共工事の入札で加点が入るため」などの意見があった。
Q4.貴社で実施する賃上げの内容についてすべてお答えください。(複数回答)
■「ベースアップ」実施は5割超
賃上げを「実施する」と回答した企業に賃上げ内容を聞いた。4,079社から回答を得た。
最多は、「定期昇給」の75.4%(3,077社)。以下、「ベースアップ」の56.2%(2,296社)、「賞与(一時金)の増額」の41.0%(1,676社)と続く。
規模別では、「ベースアップ」は大企業の66.3%(339社中、225社)に対し、中小企業は55.3%(3,740社中、2,071社)で11.0ポイント、「定期昇給」は大企業85.2%(289社)に対し、中小企業は74.5%(2,788社)で10.7ポイント、それぞれ大企業が上回った。
また、「新卒者の初任給の増額」は、大企業の実施率が39.5%(134社)に対し、中小企業は21.6%(809社)にとどまり、17.9ポイントと最大の差がついた。企業規模が大きいほど新卒採用に注力する姿勢が表れた。一方、大企業の構成比は、2025年8月調査(確定分)の47.6%と比較すると8.1ポイント低下した。
大半の選択肢で大企業が中小企業を上回るが、「賞与(一時金)の増額」は唯一、中小企業が41.4%(1,550社)で、大企業の37.1%(126社)を4.3ポイント上回った。中小企業では長期の人件費増に繋がるベースアップや定期昇給よりも、賞与(一時金)や手当ての増額で賃上げに対応している。
産業別では、10産業すべてで「定期昇給」の構成比が最大だった。
Q5.賃上げを「実施する」と回答した方に伺います。 賃上げ率(全体)は2025年度と比較してどの程度を予定しますか?(小数点第一位まで)
■「5%以上」は35.5%
Q1で「実施する」と回答した企業に賃上げ率を聞いた。2,310社から回答を得た。
レンジ別の最多は「3%以上4%未満」の32.5%(751社)。以下、「5%以上6%未満」が28.2%(652社)、「2%以上3%未満」が14.2%(330社)の順。
全体で「5%以上」と回答した企業は35.5%(821社)、中小企業で「6%以上」と回答した企業は、7.2%(2,143社中、155社)と1割に満たない。
連合は、2026年の春闘方針で昨年と同様全体5%、中小企業6%の賃上げ目標を掲げている。規模間の格差是正で、中小企業が全体目標を上回る目標を掲げているが、現状は厳しい状況だ。
産業別 農・林・漁・鉱業、運輸業の2産業で「5%以上」の賃上げ実施が4割以上
産業別では、賃上げ率「5%以上」の構成比の最大は、農・林・漁・鉱業の52.1%(23社中、12社)。次いで、運輸業が40.5%(106社中、43社)、情報通信業が39.6%(126社中、50社)と高かった。上位産業は人手不足が深刻な傾向が高く、高率の賃上げに踏み切る傾向がみられる。
賃上げ率「5%以上」の構成比が低かったのは、金融・保険業26.3%(19社中、5社)、小売業31.2%(96社中、30社)、製造業33.6%(650社中、219社)など。
Q6.来年度(2026年度)賃上げを「実施しない」と回答した方に伺います。理由は何ですか?(複数回答)
■「コスト増加分を十分に価格転嫁できていない」が44.7%でトップ
2026年度賃上げを「実施しない」と回答した企業へ理由を聞いた。730社から回答を得た。
構成比の最大は、「コスト増加分を十分に価格転嫁できていない」の44.7%(327社)だった。10産業のうち、卸売業、不動産業、情報通信業、サービス業他の4産業で構成比が最大になった。
僅差で「原材料価格・電気代・燃料費などが高騰している」が43.5%(318社)で続き、コスト高騰と価格転嫁の難しさを賃上げが実施できない理由に挙げる企業が多かった。
「受注の先行きに不安がある」は、中小企業38.8%(711社中、276社)で大企業26.3%(19社中、5社)を12.5ポイント、「既往債務の返済に影響を与える」は中小企業15.1%(108社)で大企業5.2%(1社)を9.9ポイント上回った。中小企業は業績向上の見通しが立たないことや過剰債務の返済が重荷となり、賃上げに実施に踏み切れない企業が多いようだ。
一方、「2025年度の賃上げが負担となっている」は、大企業が26.3%(5社)で、中小企業の14.3%(102社)を12.0ポイント上回った。大企業では、ベースアップや初任給の引き上げなど将来にわたり人件費が固定的に増加する賃上げを実施する企業が多く、負担感の強さから息切れを感じている企業が多くなった可能性がある。
Q7.連合は5%以上の賃上げを目標にしています。貴社は2023年度~2026年度の3年間のうち、5%以上の賃上げを何年間達成しましたか?(単一回答)
■「3年(全て)」建設業、卸売業、運輸業、情報通信業で構成比2割以上
過去3年のうち、「5%以上」の賃上げを達成した年数を聞き、4,619社から回答を得た。
構成比の最大は、「いずれの年も達成できていない」で40.1%(1,856社)だった。次いで、「1年」が21.5%(995社)で続き、「3年(全て)」と回答した企業は18.6%(863社)と2割を下回った。
産業別では、「3年(全て)」が2割を超えたのは建設業、卸売業、運輸業、情報通信業の4産業。農・林・漁・鉱業では、「いずれの年も達成できていない」が半数を超えた。

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