~ 2025年 倒産企業の「平均寿命」調査 ~


 企業倒産が2年連続で1万件を超すなか、2025年に倒産した企業の平均寿命は23.5年(前年23.2年)で、前年から0.3年延びた。前年を上回ったのは2年連続。
 業歴30年以上の老舗企業が2,899件(前年比2.1%増)と増え、平均寿命の延びにつながった格好だ。


 老舗企業は代表者の高齢化や事業継続などの課題が顕在化している。同時に、物価高やコストアップなどが急速に広がり、従来のビジネスモデルからの転換が遅れた老舗の脱落が寿命を押し上げている。
 産業別では、製造業や卸売業は過去15年間で最高を記録した。一方で、情報通信業、サービス業他、金融・保険業は17年台と新興企業の脱落が目立ち、業種による課題を抱えながらバラツキが広がっている。

 産業別の平均寿命は、最長が製造業の36.9年(前年35.9年)で、業歴30年以上の老舗が63.4%(同62.2%)と突出し、新興企業は9.8%(同10.2%)と唯一、1割を切った。一方で、最も短かったのは情報通信業の17.2年(同16.6年)で、変化が激しいIT業界を中心に、新興企業の参入、退出が激しいことを示している。  
 物価高や人件費上昇などで収益が厳しく、創業年に関係なく過剰債務などの課題を抱えた企業も少なくない。経験則に頼らず、現状をシビアに判断する経営方針が急務になったと言える。
※本調査は、2025年の全国倒産1万300件(負債1,000万円以上)のうち、創業年月が不明の1,298件を除く、9,002件を対象に分析した。
※業歴30年以上を「老舗」企業、同10年未満を「新興」企業と定義し、業歴は法人が設立年月、個人企業は創業年月で起算。

平均寿命は23.5年 2年連続で上昇

 2025年の倒産企業の平均寿命は23.5年で、前年の23.2年から0.3年延びた。業歴別では、30年以上の「老舗」が前年と同水準の32.2%、業歴10年未満の「新興」は29.2%(同30.7%)で3年ぶりに30.0%を下回った。
 物価高や人件費などが収益を圧迫し、企業倒産は増勢をたどっている。

「老舗」は代表者の高齢化や事業承継の遅れから、設備投資や事業転換に消極的な企業も残されている。過去の成功体験にこだわり、現状に固執するケースもある。一方で、「新興」は創業支援の後押しもあり、ソフトウェア業や飲食業などの設立が多い。ただ、資金不足、経験不足、能力不足などで事業が軌道に乗る前にとん挫するケースが多い。
 老舗企業は事業承継とビジネスモデルの転換、新興企業は資金と経験不足をいかに克服するかが、生き残りの課題に浮上している。

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平均寿命の最長は製造業の36.9年

 産業別の平均寿命は、10産業のうち、農・林・漁・鉱業、小売業、運輸業を除く、7産業で延びた。
 平均寿命の最長は、製造業の36.9年(前年35.9年)で、2年ぶりに前年を上回った。次いで、卸売業30.2年(同29.6年)、運輸業25.2年(同25.7年)、小売業23.5年(同24.1年)、不動産業22.7年(同21.5年)の順。
 製造業と卸売業は、2011年以降の15年間で最も平均寿命が長かった。
 一方、平均寿命の最短は、ソフトウェア開発などを含む情報通信業の17.2年(同16.6年)だったが、2年連続で延びた。
 コロナ禍は資金繰り支援策の下支えにより企業倒産は抑制されていた。しかし、コロナ禍後は、円安に伴う物価上昇や人件費の高騰などで収益悪化に追い打ちをかけている。

業歴を重ねても、過去の経験則から抜け出せず、経済環境の変化に対応できない企業が平均寿命を押し上げている。

倒産企業の「平均寿命」 23.5年に延びる 新興企業は沖縄が40%台で突出
主な産業別 倒産企業の平均寿命推移

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