3月の倒産 3カ月ぶり900件超える、「人手不足」倒産が約1.7倍増


 年度末の2026年3月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が924件(前年同月比8.3%増)、負債総額は1,148億6,200万円(同16.5%増)だった。
 件数は、4カ月連続で前年同月を上回った。900件台は2025年12月(928件)以来、3カ月ぶり。

3月に前年同月を上回ったのは2024年3月(906件)以来となる。
 負債総額は、3カ月ぶりに前年同月を上回った。3月に1,000億円を超えたのは2022年3月(1,422億5,200万円)以来、2年ぶり。件数の増加に加え、前年同月になかった負債100億円以上の1件を含む同10億円以上が16件(前年同月13件)に増加し、負債を押し上げた。ただ、同1億円未満は708件(構成比76.6%)と倒産全体の8割弱を持続している。
 
 四半期別では、2025年4-6月期こそ2,533件(前年同期比3.0%減)と前年同期を下回ったが、その後は7-9月期2,639件(同6.2%増)、10-12月期2,671件(同3.0%増)、2026年1-3月期2,662件(同8.3%増)と年度後半に入り増勢が強まった。
 コロナ禍が落ち着いても過剰債務の解消が進まず、業績回復が遅れた企業は多い。ここに中東情勢の影響が広がりつつあり、貸付と借入返済のリスケ対応など、現実的な支援の徹底が急務になっている。

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・形態別件数:破産の構成比91.5%で、3カ月連続で90%台
・都道府県別件数:前年同月を上回ったのが21都道府県、減少が20府県、同数が6県
・負債額別件数:負債1億円未満の構成比76.6%、100億円以上が2カ月連続で発生
・業種別件数:織物・衣服・身の回り品小売業、金属製品製造業などが増加
・従業員数別件数:従業員10人未満の構成比は90.8%、3カ月連続で90%台
・中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)の構成比は、13カ月連続で100.0%
・「人手不足」関連倒産は、合計44件(前年同月26件)と約1.7倍に増加。内訳は、人件費高騰23件(同4件)、求人難17件(同13件)、従業員退職4件(同9件)
・「物価高」倒産は、69件(同56件)で、4カ月連続で前年同月を上回る
・「ゼロゼロ融資」利用後の倒産は31件(同41件)で、3カ月連続で前年同月を下回る


◇倒産データ分析:https://www.tsr-net.co.jp/news/data_analysis/index.html

産業別 10産業のうち、8産業で前年同月を上回る

 2026年3月の産業別件数は、10産業のうち、8産業で前年同月を上回った。
 最多はサービス業他の309件(前年同月比4.3%増)で、4カ月連続で300件を超え、前年同月を上回った。月次倒産に占める構成比は33.4%(前年同月34.7%)だった。
 このほか、運輸業29件(前年同月比20.8%増)が3カ月連続、建設業175件(同10.7%増)が2カ月連続、農・林・漁・鉱業14件(前年同月比40.0%増)と卸売業102件(同2.0%増)、小売業118件(同37.2%増)が2カ月ぶり、情報通信業46件(同2.2%増)が3カ月ぶり、不動産業33件(同37.5%増)が4カ月ぶりに、それぞれ前年同月を上回った。


 3月としては、不動産が2021年以来、5年ぶりに30件台に、サービス業他が初めて300件台になった。
 一方、製造業96件(同10.2%減)が3カ月連続、金融・保険業2件(同33.3%減)が2カ月連続で、それぞれ前年同月を下回った。


2026年3月の全国企業倒産924件
2026年3月 産業別倒産状況

2026年3月の全国企業倒産924件
主なサービス業他 倒産状況

地区別 9地区のうち、5地区で増加

 2026年3月の地区別件数は、9地区のうち、5地区で前年同月を上回った。
 北陸26件(前年同月比44.4%増)と近畿261件(同16.0%増)が3カ月連続、北海道20件(同17.6%増)と関東328件(同11.9%増)が2カ月連続、中国48件(同20.0%増)が2カ月ぶりに、それぞれ前年同月を上回った。
 一方、東北49件(同3.9%減)が2カ月ぶり、中部92件(同13.2%減)が4カ月ぶり、九州78件(同3.7%減)が9カ月ぶりに、それぞれ前年同月を下回った。
 四国は、前年同月と同件数の22件だった。

2026年3月の全国企業倒産924件
2026年3月 都道府県別倒産


※地区の範囲は以下に定義している。
東北(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島)
関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
北陸(富山、石川、福井)
近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
中国(広島、岡山、山口、鳥取、島根)
四国(香川、徳島、愛媛、高知)
九州(福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)

当月の主な倒産

[負債額上位5社]
1.(株)三河カントリークラブ/愛知県/ゴルフ場経営/120億円/民事再生法
2.(株)ルネッサンス/東京都/ホテル運営受託ほか/35億6,500万円/破産
3.(有)寺尾温泉/富山県/不動産賃貸業/34億5,900万円/破産
4.タイコウハウス(株)/愛知県/住宅建築工事/34億2,400万円/破産
5.アサヒフード(株)/栃木県/売店・食堂運営受託/30億円/破産

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