シリーズ累計500万部を突破する、東川篤哉による大ヒット小説「謎解きはディナーのあとで」が、舞台オリジナルストーリーで音楽劇として上演される。原作は、毒舌執事とお嬢様刑事が繰り広げる軽快なやりとりと本格的な謎解きが話題となり、2011年にドラマ化もされた。

今回の音楽劇で、毒舌執事・影山を演じるのは上田竜也。お嬢様刑事・宝生麗子を玉井詩織、御曹司警部・風祭京一郎を橋本良亮が演じる。上田と橋本に本作への意気込みや舞台での初共演への思いなどを聞いた。

-舞台での共演は本作が初となります。共演の楽しみを聞かせてください。

上田 A.B.C-Zの中で(橋本とは)唯一あまり絡みがなかったですし、舞台に後輩と一緒に出演するということがこれまであまりなかったので、新鮮な気持ちですし、ワクワクしています。有名な小説を原作にしていて、ドラマも話題になった大きな作品なので、今、どんどん舞台モードになっています。これまで積み上げてきた作品のイメージを損なわないように、舞台も良いと思っていただけるように頑張らないといけないなと思っています。

橋本 上田くんがおっしゃったように、がっつりご一緒するのは初めてなので、後輩として緊張感もありますが、共演が決まってすごくうれしかったです。どういった形になるのか、今は楽しみが大きいです。櫻井(翔)くんがドラマに出演されていたことは知っていましたが、見れていなくて。お話をいただいて、映画もドラマもアニメも拝見しました。

-ご覧になった感想は?

橋本 (本作の演出の)河原(雅彦)さんが「風祭役は橋本くんがいいんじゃないか」とおっしゃってくださっていたそうですが、その理由がアニメを見てなんとなく分かりました。昨年、舞台でこういうキャラクターを演じる機会があったんですよ。もしかしたら、それでお話をいただけたのかなと思いました。

-上田さんはドラマや映画はご覧になりましたか。

上田 僕も当時は、それほどがっつりは見ていませんでしたが、もちろん知ってはいました。ただ、今、何をもって影山という人物を作っていけば良いのか、すごく迷っていて。原作を読んだ方がいいのか、ドラマをしっかり見直した方がいいのか。それで、今は映像を見るよりも原作を読むところから始めています。

-お二人はこれまであまり絡みがなかったそうですが、橋本さんは上田さんにどんな印象がありましたか。

橋本 僕はA.B.C-Zに加入する前からKAT-TUNのバックでお仕事させていただいてきましたが、当時はあまり話しかけられないようなオーラを感じていました。僕の中では、KAT-TUNの中で一番話しかけられなかったです。なので、今、後輩とめちゃくちゃ仲良くされているのが信じられないです(笑)。

あの上田くんが! って。でも、話しかけられはしなくても、キラキラの上田くんをずっと見てきたから、こうして一緒にお仕事をさせてもらうのは本当に光栄なことですし、すごく楽しみです。

-上田さんから見て、橋本さんの成長ぶりはいかがですか。

上田 本当にすごいなと思います。才能の塊なんだろうなと。橋本に限らず、僕たちがデビュー当時に付いてくれた子たちがデビューしたり、羽ばたいて、個人としてもグループとしても頑張っているのはすごくうれしいです。僕たちの事務所には、本当に才能のある子たちがたくさんいて、みんなが努力しているのを再確認します。

-今回、橋本さんと一緒にお芝居をすることに対してどのようなお気持ちですか。

上田 今までの後輩たちとは別の枠に(橋本は)入るんじゃないかなと思います。舞台は特別なところがあるんですよ。稽古を通して壁がたくさんあって、それをみんなで話し合って乗り越えていく。そんな特殊な環境の中で過ごすので、他の仕事より絆はより強固になる印象があります。

-先ほど、橋本さんが「自分がなぜこの役に選ばれたか分かった気がした」とおっしゃっていましたが、上田さんはいかがですか。

上田 全く分かりません(笑)。でも、なぜかこうした役をいただくことが多いんですよ。以前に河原さんとご一緒したときも、ずっとニコニコしている役でした。ただ、あくまでも役なので、「なんで、僕なんだろう?」とは僕自身はあまり考えないタイプです。こうしたすばらしい作品に出演させていただけるのはありがたいことなので、原作やドラマのイメージを崩さないように仕上げていけたらと思っています。

-それぞれの役との共通点はありますか。

上田 毒舌なところは共感できますね。割と何でも言ってしまうタイプなので、その“S加減”は共通しているのかなと思います。

-そうすると、影山は演じやすい役柄ですか。

上田 演じやすいと思います。身なりを整え、姿勢の良さを保って、マインドを変えずに見た目を変えていけば良いかなと。

-橋本さんはいかがですか。

橋本 風祭との共通点、全然ないですね。

上田 みんなが「ん?」と思うようなことを話し出すところが似ているよね(笑)。天然ってことだと思いますが。

橋本 うーん…でも、風祭は天然じゃないですから。本気でやっているんです。

上田 いやだから、(そういうところが)天然ボケなんだよ(笑)。似ているよ。

橋本 似てました! 共通点、見つけました(笑)。

-音楽劇と銘打った本作ですが、どのような形で音楽が入ってくるのでしょうか。

橋本 台本を読むと、歌があります。

上田 ミュージカルではないの?

橋本 ミュージカルではないです。

BGMとして音楽が流れているというイメージです。

-皆さんの歌唱シーンもあるのですか。

橋本 それはもちろん、ちょくちょくあります(笑)。歌います。アンサンブルの方と一緒に歌うシーンもありますが、ミュージカルではないんです。バックに流れていて、それに合わせて芝居していくという形だと思います。

上田 なるほど、そういう音楽劇なんだ。僕はまだ(取材当時)どんなものになるのか全く分からなかったのですが、今、謎が解けました(笑)。

-お互いの歌に対してのイメージを教えてください。

上田 橋本ってメーンボーカルでしょ? 

橋本 はい。

上田 やっぱり歌がうまいイメージです。

橋本 ありがとうございます。

上田くんはめちゃくちゃセクシーな声です。

上田 面白いやつだな(笑)。

橋本 KAT-TUNのバックに付かせていただいたとき、ソロもすごくセクシーな声で歌っていたことを覚えています。かっこいい曲も歌うので、上田くんの表現は幅広いなと思っていました。

上田 橋本は、堂々と歌っているイメージがある。その周りを塚田(僚一)がちょこちょこ(笑)。

橋本 あははは(笑)。アクロバットしていますね。ただ今回の舞台は、歌はあっても、芝居がメーンとなってくると思います。

上田 願わくば、そうした歌があることで、「舞台、難しいよね?」という人が来ても、面白いと思っていただける作品になればと思います。そもそも原作がすごく有名な作品で、それだけでも楽しんでいただけると思いますが、視覚や聴覚でも楽しんでいただけるものになったらより見やすくなるのかなと。僕は、これまでずっと「生きるか、死ぬか」という舞台が多かったですが、今回はそれがなさそうなので、そういう意味でも楽しみです。

-ところで、本作は、影山たちがヨーロッパを訪れ謎解きをするという物語ですが、お二人が行きたい国や行きたい場所を教えてください。

上田 僕はラスベガスに行きたいです。エンターテインメントの街、眠らない街で、ホテルにはジェットコースターもある。そういう場所に行きたいです。

橋本 いいですね。上田くん、ラスベガス行ったことありますよね?

上田 あるある。でも、かなり昔のことだから、20年経てばいろいろと発展していると思うんだよね。それで行ってみたい。ヨーロッパならスイス。仕事で行ったときに、景色がめちゃくちゃきれいだったんですよ。空気感も良かったし、スイスの女の子もかわいかった(笑)。

橋本 僕はヨーロッパのニースです。この間、恋愛リアリティー番組を配信で見て、その舞台がフランスのニースだったんです。街並みもきれいで行ってみたいと思いました。いつか街を歩いてみたいです。

-最後に、公演を楽しみにされている方にメッセージをお願いします。

上田 楽しい舞台になればいいなと思っています。皆さんにも推理してもらって、エンターテインメントに触れてもらって、一緒に楽しめたらと思います。公演を見終わった後に「めちゃくちゃ面白かったね、もう1回見たい」と思っていただける舞台を目指して頑張りますので、皆さん、ぜひ楽しみにしていてください。

橋本 今年はアニメも放送されて話題の作品なので、幕が開いたときにもっと話題になるように頑張っていきたいと思います。ドラマやアニメを見ていただいてからこれを見ても楽しめると思いますし、逆に舞台を見てアニメも見てみようかなと思う方がいたらそれもまたうれしいです。難しい物語ではないので、何も考えずに見て楽しんでもらえたらと思います。

(取材・文・写真/嶋田真己)

 音楽劇「謎解きはディナーのあとで」は、9月9日~23日に都内・日本青年館ホール、9月27日~10月1日に大阪・SkyシアターMBSで上演。

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