草なぎ剛が主演する月10ドラマ「終幕のロンド —もう二度と、会えないあなたに—」(カンテレ・フジテレビ系)が、10月13日から放送がスタートする。本作は、妻を亡くし、幼い息子を男手一つで育てるシングルファーザーで遺品整理人の鳥飼樹が、遺品整理会社の仲間と共に、ときに孤独死した方の特殊清掃や遺品整理から、依頼主と直接向き合う生前整理まで、さまざまな事情を抱えた家族に寄り添っていくヒューマンドラマ。
-本作の台本を読ませていただいたときに、自然と涙がこぼれました。台本を読まれて、草なぎさんはどんな印象を受けましたか。
自然と涙が出るような、すごくいい台本ですよね。僕が以前、出演させていただいたカンテレさんのドラマは戦争や復讐(ふくしゅう)を描いたシリーズでパンチがある作品だったのですが、今作は対照的で、温もりがあって、その余韻が後になって効いてくるような大人の魅力があるなと感じています。この作品が、ドラマ史に刻まれる“大人のドラマの第一歩”を踏み出す作品になると思っています。
-草なぎさんが演じる役・鳥飼樹について教えてください。
鳥飼樹はすごくおせっかいな人間で、人の仕事にも首を突っ込んでいろいろしてあげたり、人のことを思うがゆえに突き進んでしまうところがあります。今の時代は自分が良かれと思ってやったことが、余計なお世話と捉えられてしまうこともあるかもしれませんが、樹はそういった面で時代と逆行しているキャラクターで。さらに、台本を読んだ中でも、まだ分からないところもあって余白がある役なので、共演者の中村ゆりさんたちとお芝居をする中で湧き上がるリアルな気持ちを出していくことで、すごく魅力的な人になっていくんじゃないかなと思っています。
-作品のテーマである「死」を意識することはありますか。死ぬこと、生きることについて考えたことがあれば教えてください。
死は誰にでも訪れるものですし、この作品を通じて「死」をより意識するようになりました。僕がこの先長く生きていくのであれば、それはもっと深まっていくと思いますが、 “死の意識”というのは、すごくしていると思います。
-“いつ死んでも悔いがないように生きよう”ということでしょうか。
そういったすてきなことを言える人間でいたいですよね(笑)。でも、死は突然訪れるものだと思うんです。世の中に“必ず”とか“100パーセント”のことってあまりないと思うのですが、死ぬということは絶対に100パーセントですよね。それを少し意識していることで、日頃の行動が変わってくるのかなと思います。このドラマも、死というものをポジティブな面で意識できるような作品になればいいなと思っています。
-“死ぬときに何が残るんだろう”と、考えたことはありますか。
僕たちのような職業の人は、きっと自分が出演した作品が残りますよね。僕にとって作品は、命を懸けて皆で作っているものなので、そんな自分の遺伝子が刻まれた作品は、“終幕”を迎えても残り続けてくれると思います。
-本作で樹がひかれ合う相手・御厨真琴役を演じる中村ゆりさんの印象を教えてください。
中村さんには演技の中でも助けていただいています。中村さんと一緒だからこそ僕も揺れ動く気持ちが生まれて演技が良い方向に変わったり、自分の役が豊かになっていると感じています。
-最後に、作品を楽しみにしている方へのメッセージをお願いします。
初めて遺品整理人というお仕事の役に挑戦していますが、遺品からさまざまな人間のドラマや真実が解き明かされる瞬間が感動的です。そこに樹と真琴の大人のラブが入り混じって、皆さんに楽しんでいただける温かいドラマになっていると思います。見ている方が幸せを感じたり、新しい明日をまた一歩踏み出していけるなような気持ちが起こるドラマにしたいです。
ドラマは10月13日からカンテレ・フジテレビ系で放送スタート(毎週月曜22時放送)
(取材・文/小宮山あきの)