齊藤京子と水野美紀がW主演する10月期ドラマ「娘の命を奪ったヤツを殺すのは罪ですか?」(カンテレ・フジテレビ系)が、7日から放送がスタートする。本作はママ友いじめが原因で、娘を失った55歳の母親・篠原玲子(水野)が、見た目も声も変えて25歳の新米ママ・篠原レイコ(齊藤)に生まれ変わり、ママ友グループに潜入して加害者を道連れにしていく捨て身の復讐(ふくしゅう)劇。
-お二人が同一人物を演じるという奇抜な設定ですが、今作のオファーを受けた際の心境を教えてください。
水野 もうSFだなと思いました(笑)。整形でここまで変わることある!? という振り切った世界観の作品だと思いましたし、見た目は整形で25歳になっているけれども体力や中身は55歳という設定が新しいなと思って。アラフィフ世代のだるさや朝起きたときの体の重さみたいなものは、しっかりと齊藤さんに伝えていきたいなと思いました。
齊藤 私も“水野さんが演じる役が整形した後の人物”を演じると聞いたときは、どういうこと!? と驚きました。外見は私と同じ20代ですが中身が55歳という役は初めてなので、最後まで研究して頑張ります。
-撮影する上で楽しみにしているシーンはありますか。
水野 私は悲しみや怒りなど、さまざまな感情を爆発させるシーンがあるので、そのシーンは感情のデトックスになりそうだな、日頃のうっぷんが晴らせそうだなと思っています。
齊藤 私は中身が55歳という設定なので、時折老眼鏡をかけて裁縫をしたり、「もうヒールが大変だ」というせりふがあったりと“55歳らしいシーン”を演じるのが楽しみです。落ち着いた雰囲気を出すために喋り方を工夫する必要があるので、どんなふうにお芝居をしようかと、ずっと考えています。
-いじめをしたママ友への復讐シーンについて、こんな復讐があるの!? と思った場面などがあれば教えてください。
水野 どの回の復讐も手が込んでいるなと思いますね。復讐の動機はすごく明確ですし、敵が同情の余地がない完全なる敵キャラなので倒しがいがあります。復讐ものの作品がはやっていますが、こんなにスカッとする復讐劇はあまりないと思いますし、敵がはっきりと憎むべき対象になっているところが『アベンジャーズ』的な面白さがあると思います。
齊藤 全身整形をして悪の親玉に向かって敵を倒していく感じが面白いですよね。レイコがママ友たちをだまして信じ込ませ、ママ友たちがそのうそを素直に受け取ったらダメだったという、レイコの思うツボになっていくので、そのさまは、どの回の復讐もスカッとすると思います。
-お2人は同一人物であり、全身整形により年齢を偽って容姿を変える役どころですが、役衣装やヘアスタイルの面でこだわったことはありますか。
水野 私は設定が55歳の役ですが、衣装合わせのときに監督がものすごい特殊メークで私の顔を老けさせようとしていて(笑)、用意された衣装が70代の私の母親でもまだ着ないような衣装だったので「今の55歳はまだこの洋服がどこに売っているのかを知りません」と監督に伝えて。監督が考える55歳と自分が考える55歳をすり合わせる作業から始まって、地味過ぎず若過ぎず、双方が納得の行く中間地点の衣装に決まりました。
齊藤 私は整形した後の姿の役ということで全てが美しくなければならないので、髪型や衣装もより綺麗目に、若く見える衣装を選んでいただきました。私が普段は履かないようなミニスカートの衣装もあるので、この機会に楽しみたいと思います。
-齊藤さんと水野さんは初共演となりますが、お互いの印象を教えてください。
水野 齊藤さんはヒコロヒーさんとのトーク番組の印象があって、トークを回したり、頭の回転が早い賢そうな方というイメージがあります。
齊藤 そのイメージを崩さないように頑張ります(笑)。私は最初に水野さんとW主演と聞いたときから信じられない気持ちでいっぱいで。水野さんはテレビでずっと拝見していた大先輩ですし、バラエティー番組でも面白い印象があるので、ご一緒させていただけることが光栄ですし、撮影を楽しみにしていました。
-劇中では玲子が整形して生まれ変わりますが、お2人が生まれ変わりたいものはありますか。
齊藤 女の子って楽しいなと思っているのですが、男性も経験してみたいです。男性は全く違う生き物だと思うので、男友達との会話や、何も気を使わずに「行こうぜ」みたいな雰囲気が楽しそうだなと。男性のファッションも楽しんでみたいです。
水野 生まれ変わったら洋服を作ったり、絵を描いたり、1個のことを突き詰めるクリエーターや、1個のスポーツに打ち込むスポーツ選手をやってみたいです。今は女優業をやりながらプロデュースをしたり、ほかのこともいろいろやっているので、生まれ変わったら1つの職業を生涯貫くことをやってみたいです。
-最後に本作の注目ポイントを教えてください。
水野 復讐劇では珍しくスカッとできる作品なので、そこを楽しんでほしいです。
齊藤 水野さんと私が同じ役というのを忘れずに見ていただけたらうれしいです。見た目は違うけれど心は同じで、向かっている先も一緒なので、映像で見ると混乱することがあるかもしれませんが、そこも楽しみながら表面だけではないところも見ていただきたいです。
ドラマは、10月7日よる11時15分からカンテレ・フジテレビ系で放送スタート(毎週火曜よる11時~放送)。
(取材・文/小宮山あきの)