草なぎ剛が主演する月10ドラマ「終幕のロンド —もう二度と、会えないあなたに—」(カンテレ・フジテレビ系)が、13日から放送がスタートする。本作は草なぎが演じるシングルファーザーで遺品整理人の鳥飼樹が、遺品整理会社の仲間と共に仕事に向き合いながら遺品に刻まれた“最期の声”に耳を傾け、残された者へのメッセージを届けるヒューマンドラマ。
-最初に本作の台本を読まれたときに、どのような印象を持ちましたか。
草なぎさんが演じる鳥飼樹さんや私が演じる御厨真琴も含めて、登場人物それぞれに寄り添った脚本で、人間の繊細な日々が描かれたすてきな作品になると思いました。遺品整理を依頼する側もされる側も、それぞれがさまざまな人生を抱えていて、人は何歳になっても、いろいろなことを学んで軌道修正しながら自分を見つめていくのだなと感じました。
-ご自身の役柄や、草なぎさんが演じる鳥飼樹との関係性をどのように捉えて演じていますか。
私が演じる御厨真琴は、複雑な家庭環境などのマイナスなものを抱えながらも、幸せになりたくて一生懸命に生きている女性です。その幸せの見つけ方が“幸せな結婚”や“子どもを産むこと”だったり、自分軸ではなく、どこか他責で不器用な人だと思います。そんな日々を過ごす中で、理屈ではなく心を許して自分を見せることができる樹さんと出会って、自分にとって本当の幸せは何なのかと向き合ったり、成長して見つけていく役です。
-主演の草なぎ剛さんと共演された感想はいかがですか。
草なぎさんは私にとって学生の頃からの大スターなので、最初にお会いしたときはとても緊張したのですが、私や共演者の皆さんが緊張しないように、くだけた雰囲気で接してくださって、草なぎさんのさり気ない気遣いを感じています。包み込んでくださるような優しさがありますし、人の痛みがとても分かる方なのだろうなと先輩として尊敬しています。役を演じるときも同じで、どのようなアプローチをしても受け止めてくださりますし、恋愛パートの撮影シーンでは私のことをパッと受け止めてくださったり、身体能力の高さも感じるので、精神的にも肉体的にも頼れる存在です。
-本作は「遺品整理」がテーマで、ドラマを見た視聴者も生や死について考えさせられる作品になると思います。この物語を通じて“死ぬこと”や“生きること”について、考えたことがあれば教えてください。
今回の作品に携わることで“死ぬときに何が残るのだろう”ということをより深く考えるようになりました。たとえお金がたくさんあって、物質的な物が豊かであっても、人間は本来もっとシンプルなことを幸せとして求めていて。“死”というものを意識することで、自分の中の大切なものが、より明確にシンプルになるのかなと思います。遺品整理は言葉なき言葉だと感じましたし、遺品整理という仕事や生と死というものを通じて、人にとっての本当の幸せや優しさは何かということをたくさん教えられました。
-「終幕のロンド」という音楽に掛けたタイトルについて、どのようなイメージを持っていますか。
登場人物たちがそれぞれの「人生の終幕」と向き合って、愛や家族など自分にとって大切なものを見つけていくというテーマが詰まっていると思います。草なぎさんがロンド=円舞曲(同じ旋律を繰り返す楽曲形式)というのは、“幕が下りた瞬間から、また始まることだ”“自分らしい終幕を見つけることから新しい人生が始まる”とおっしゃっていたのが印象的で、この作品にぴったりのタイトルだと思いました。
-まもなく放送がスタートします。最後に視聴者へのメッセージをお願いします。
人は人生を重ねて大人になっても、トライ&エラーしながら生きていくのだと思います。
ドラマは10月13日からカンテレ・フジテレビ系でスタート(毎週月曜22時放送)。
(取材・文/小宮山あきの)