神戸市に新たに完成した通年型アイススケートリンク「シスメックス 神戸アイスキャンパス」のオープニングセレモニーが6月20日に行なわれた。スペシャルプログラムとしてシスメックス所属のフィギュアスケーター4人がミニアイスショーを披露し、出演した地元出身の三原舞依(25歳/シスメックス)は「すごく幸せ」と語った。
【地元リンク完成に「夢が叶った」】
この日、ミニアイスショーでリンクに立った三原は、「途中で一瞬うるっときちゃって、最後まで滑りきれないかもって思うくらい。素敵なリンクと素敵な仲間と素敵なみなさまの前で滑れてうれしかったです」と笑顔を見せた。通年営業に加え国際規格を満たす新リンクは、三原や坂本花織らシスメックス所属選手の練習拠点になる。念願だったという地元リンクへの特別な思いをこう話した。
「建物が少しずつでき上がっているところをいつもチラッと見て、『あっ、外壁ができてる』とかって夢のような時間で。そして滑らせていただけて、大きな夢が叶いました。現役としていられる時間も限られてくるなかで、こうして練習をたくさん積める素敵なスケートリンクができて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです」
【苦境を支えた温かい言葉とサポート】
三原は近年、2022年四大陸選手権や2023年GPファイナルを制す成績をあげたが、2023−2024シーズンに右足首を疲労骨折。昨季は再起をかけて臨んだが、GPシリーズ2戦は7位と8位で、昨年12月の全日本選手権では右足首と股関節の状態悪化によりフリーを棄権している。
「すごく大変だったといえば大変だった。ケガの治療も含めいろんなことを考えながら過ごした時期ではあったけど......」
三原は全日本後の胸中を明かし、前を向けるようになった経緯をこう振り返る。
「悲しんでいる場合じゃないなと。スケートができること自体が、私にとってすごく幸せなことで、やっぱりスケートが大好きで長く続けてこられたし、本当にたくさんの方々のサポートのおかげでまた氷の上に帰ってくることができた。先生や家族、友だちもサポートしてくださいましたし、応援してくださるファンのみなさまからの温かいお手紙だったり素敵な言葉が私を支えてくれている。そのみなさまに恩返しができるようなスケートを新シーズンへ向けて新しいリンクでしっかり練習して、本番でお見せできたら」

【0.5歩ずつでも毎日成長】
オフシーズンは、ジャンプの練習ができない時期もあったが氷上へ立ち続け、徐々に調子を取り戻している。
「本当に小さいことから。
来季のプログラムは、ショートプログラム(SP)に2022−2023シーズンに使用した『戦場のメリークリスマス』を、フリーに2023−2024シーズンの『ジュピター』を選んだ。三原は、「まだ完成しきっていないプログラムの完成形をお見せできたらいいな」と思いを語った。

【元気いっぱいで走れるように】
来季へ向けては「絶対にケガを悪化させないようにすることが第一」と言い、抱負を語った。
「シーズン最後まで悔いなく。毎日しっかり練習を積んで試合に出て、というような日々を過ごしていきたいなと思っています。今のところそのベースができたと思うので、このまま練習を続けて、ジャンプの完成度を上げながら、プログラムに溶け込んだジャンプを取り戻していけるように。たくさん練習を積んで、しっかりケアもして、最後まで元気いっぱいで走れればいいなと」
この日の取材冒頭で「現役でいられる時間も限られる」と話した三原。一日一日、一瞬一瞬を大切に、フィギュアスケートに向き合っている。
