サマースプリントシリーズ第4戦のGIII CBC賞(中京・芝1200m)が8月10日に行なわれる。
過去10年の結果を振り返ってみると、1番人気はわずか1勝。
一方で、伏兵の台頭が頻繁に見られ、6番人気以下の馬が過去10年で10回も連対を遂げている。「荒れる」傾向が強いレースで、中日スポーツの大野英樹記者もこう語る。
「夏場のハンデ重賞らしく、ひと筋縄とはいかない一戦です。一昨年は3連単の配当が49万円超え、昨年も1番人気のキタノエクスプレスが馬群に沈んで波乱の決着となりました」
2020年には3連単で240万円超えというビッグな配当が飛び出しており、過去10年で10万円を超える配当が5回も生まれている。まさに穴党垂涎の一戦と言っても過言ではない。
波乱が起こる要因としては、大野記者が言うとおり、夏場のハンデ戦であることが第一だが、ここ数年は施行条件が何度も変わっていることもあるだろう。本来の舞台は中京競馬場だが、京都競馬場や阪神競馬場の改修工事に伴って、2020年は阪神競馬場で、2021年と2022年は小倉競馬場で開催されてきた。加えて、施行時期も7月初頭開催だったのが、昨年から8月中旬の開催に変更され、予想の難解さが増している。
こうした状況を踏まえて、大野記者は「今年も昨年に続いて酷暑の8月開催となり、"格よりも出来"がモノを言うレースになりそうです」と語り、2頭の穴馬候補をピックアップした。
「まず注目したいのは、エイシンワンド(牡3歳)です。昨夏のGIII小倉2歳S(芝1200m)を制した"夏巧者"。
その後は結果が出ていませんが、管理する大久保龍志調教師は前走のGIII北九州記念(7月6日/小倉・芝1200m)についても、『状態はよかった』と振り返っています。同レースでは、好位で運びながら結果は12着。直線で前が壁になり、まともに追えなかったのが痛恨でした」
その前走は、およそ5カ月の休み明けだったことも影響したのだろう。しかし今回は、一度叩いて、舞台も2戦2勝と相性のいい中京・芝1200m。大駆けの可能性は大いにある。大野記者が続ける。
「今回は状態がさらに上向きで、大久保調教師も『前走よりワンランクよくなっている』と胸を張っていました。調教においても、猛暑を苦にせず、輝く馬体を披露。久々の戴冠への現実味が増しています」
大野記者がオススメするもう1頭は、ドロップオブライト(牝6歳)だ。昨年のレースでも6番人気で勝利を飾って、波乱の立役者となった。
「昨年のレースを勝って以降、白星から遠ざかっていますが、この馬も"夏馬"らしく気配は急上昇中です。
前走の北九州記念では6着に敗れていますが、同馬も馬群のなかで動けなかったことが響きました。うまくさばくことさえできれば、上位争いは十分に可能です」
ドロップオブライトも、中京・芝1200mは4戦2勝と好相性。それだけに、「相性のいい舞台で一変があっても不思議ではありませんよ」と大野記者の鼻息も荒い。リピーターの活躍も目立つ一戦ゆえ、再び高配当の使者となってもおかしくない。