甲子園名門校の歴代ベストナイン~智辯和歌山編
8月5日に開幕した第107回全国高等学校野球選手権大会。これまで高校野球の歴史に名を刻んできた伝統校から甲子園初出場を果たした新鋭校まで、49の代表校が揃った。
これまで「強打の智辯」として数々の記録を打ち立て、全国にその名を知らしめてきた智辯和歌山。その40年の歴史をひも解けば、強烈な印象を残した選手たちの姿が次々とよみがえる。数ある名場面とともに思い出される名選手たちから、珠玉のベストナインを選んでみた。
智辯和歌山 歴代ベストナイン
1 (右)西川遥輝
2 (二)黒川史陽
3 (左)喜多隆志
4 (中)池辺啓二
5 (一)武内晋一
6 (三)林晃汰
7 (捕)中谷仁
8 (遊)清水昭秀
9 (投)中西聖輝
【打てる捕手の宝庫】
1985年春の甲子園初出場から40年。高嶋仁前監督が礎をつくり、教え子の中谷仁監督が受け継いできた智辯和歌山は、全国でも名だたる強豪の一角として揺るぎない地位を築き上げている。
今年準優勝を果たした春のセンバツでは、これまでに17回出場し、優勝1回、準優勝4回の実績を誇る。一方、今回で28回目の出場となる夏の甲子園では、優勝3回、準優勝1回を記録している。春夏合わせた通算勝利数は74勝に達し、これは歴代10位の成績である。その輝かしい戦績の裏には、数多くのスター選手たちの活躍があった。
人材が多すぎてベストナインの選定は頭を悩ませるばかり。各ポジションとも多くの候補が争うなかで、なんとかひとりずつに絞り込んでみたい。
ピッチャーの選考は後回しにして、まずはキャッチャーから。
そのなかで、やはり現監督の中谷に敬意を表してマスクを任せる。実際だれが正捕手を務めても大きな差はなく、強力打線の中軸に座るだろう。
内野手は、1年夏から中軸を打ち、2000年夏優勝の5番打者・武内晋一(早大~ヤクルト)がまずファースト。つづいてセカンドは2017年夏から5季連続出場を果たし、19年は主将を務めた黒川史陽(楽天)。そしてサードは2年時の2017年夏、3年時の18年春に本塁打を放った林晃汰(広島)と現役NPB組が並び、ショートには1997年夏の優勝時に4番打者兼救援投手を務めた清水昭秀(法大~日本通運)を選出する。
またファーストの2番手には2008年夏に1試合2ホーマーの坂口真規(東海大~巨人)が控え、そのほか佐々木勇輝(法大)、堤野健太郎(慶大)、勝谷直紀(帝塚山大)もベンチで腕を撫す。

【外野手は甲子園を沸かせた天才打者トリオ】
外野手は1997年夏の優勝メンバーの喜多隆志(慶大~ロッテ)、2000年夏優勝の池辺啓二(慶大~JX−ENEOS)、さらに1年時の2008年夏にデビューし、甲子園4季出場の西川遥輝(ヤクルト)の「天才打者」トリオを並べよう。
控えには、2000年夏優勝時に3ホーマー&救援投手と奮闘した山野純平(龍谷大)、06年夏に大会4ホーマーの広井亮介(関西国際大)、1年夏から3季連続出場の細川凌平(日本ハム)ら豪華な顔ぶれが並ぶ。
最後に残ったピッチャーだが、エースは2021年夏優勝のエースで今秋ドラフト候補の中西聖輝(現・青学大)に託したい。
歴代エースたちのなかでは、2年時の1996年春に準優勝の高塚信幸(近鉄)は故障に泣いて大成せず。
また、野手兼任で活躍した清水昭秀、山野純平、本田将章(早大~明治安田)や、94年春優勝の松野真人(帝京大)、2002年夏に1年生で準優勝した滝谷陣(近大~日本新薬)、2年時の2008年に春夏8強の左腕・岡田俊哉(中日)らはブルペンで待機させたい。
将来への期待値も込めてエースに推す中西はいまが伸び盛り。智弁和歌山歴代ナンバーワン投手に成長を遂げる可能性は十分にある。