【勝率、連対率で注目の種牡馬は?】

 8月17日(日)、札幌競馬場で3歳以上馬によるGⅡ札幌記念(芝2000m)が行なわれる。

 JRA夏シーズン唯一となるGⅡ以上のレース。実績馬も最大斤量58kgで出走できるため、過去に多くのGⅠ馬が出走している。

2019~2021年はブラストワンピース(有馬記念)、ノームコア(ヴィクトリアマイル)、ソダシ(桜花賞など)と3年連続でGⅠ馬が勝利。昨年も、皐月賞馬ジオグリフが2着に入っている。

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 今年も、昨年の桜花賞馬ステレンボッシュが出走するが、このレースは実績通りに決まらないことも多く、人気薄馬の好走も多数。その要因は、秋のGⅠを最大目標に置いている実績馬が目一杯に仕上げないこともあるが、時計のかかる洋芝馬場で、東京や京都などのコースとは適性が異なるということも大きい。

 そういった馬場の適性を判断するのに重要になってくるのは、やはり血統だ。今回は札幌・芝2000mの種牡馬成績をもとに分析していきたい。

 過去約10年の成績を見ると、勝利数はディープインパクト18勝、ハービンジャー15勝、ハーツクライ13勝と続くが、勝率や連対率で目立つうちの1頭が、40戦5勝、2着4回で勝率12.5%、連対率22.5%の成績を残しているモーリスだ。モーリス産駒は札幌記念に限ると4戦し、2022年ジャックドール、2024年ノースブリッジの2勝。勝率50%という優秀な数字を残している。

 今回出走するモーリス産駒はアルナシーム(牡6歳、栗東・橋口慎介厩舎)。今年のGⅢ中山金杯(中山・芝2000m)、昨年のGⅢ中京記念(小倉・芝1800m)の重賞2勝を挙げている実力馬だ。

 札幌では出走がないが、同じ北海道地区で洋芝の函館では、2歳7月に芝1800mで新馬勝ち。

4歳時と今年のGⅢ函館記念(芝2000m)ではともに6着に入っている。6着は評価しにくいが、4歳時はオープンに昇格したばかりの本格化前で、前走の今年の函館記念はトップハンデ59kgと、敗因は比較的はっきりしている。

 前走は最小でも他馬より2kg重い斤量だったが、今回、牡馬は一律で58kg。前走、函館記念を勝ったヴェローチェエラは56kgで3kgの差だったのが、札幌記念では同斤量になる。これは大きい変化だ。

 アルナシームは血統も優秀だ。叔父にはシャフリヤール(GⅠ日本ダービー、GⅠドバイシーマクラシック)、アルアイン(GⅠ皐月賞、GⅠ大阪杯)と2頭のGⅠ馬がいる。シャフリヤールは6歳時の昨年も、有馬記念2着などGⅠで好走していたように、長きにわたりトップクラスで活躍していた。現在6歳のアルナシームもチャンスは十分だ。

【キタサンブラック産駒も同コースで好成績】

 もう1頭はココナッツブラウン(牝5歳、栗東・上村洋行厩舎)を推す。同馬の父キタサンブラック産駒はモーリス同様、出走数こそ多くないが、札幌・芝2000mでは22戦して3勝、2着1回で勝率13.6%、連対率18.2%と好成績だ。

 ココナッツブラウン自身も札幌では好成績で、2戦して1勝、2着1回。

勝利した3歳時の1勝クラス(芝1800m)は3馬身差の快勝で、2着は前走GⅢクイーンS(芝1800m)のアタマ差2着。上がり3F34秒0と、メンバーのなかで最速の鋭い差し脚を見せるなど内容は非常に優秀だった。

 2走前の準オープン戦、錦S(京都・芝1600m)では2馬身半差の完勝。ここ2戦の内容は本格化を感じさせるもので、2000mは初となるが狙ってみたい。

 以上、今年の札幌記念はモーリス産駒アルナシーム、キタサンブラック産駒ココナッツブラウンの2頭に期待する。

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