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Netflixシリーズ「ファイナルドラフト」大久保嘉人インタビュー 中編(全3回)

  Netflixシリーズ「ファイナルドラフト」は、賞金3000万円をかけ、「筋肉×サバイバル」で出場者25人のアスリートがしのぎを削るリアリティショーだ。
全8話。

8月12日から全世界に独占配信されている。

 今年4月から家族でスペイン・バルセロナに移住している元プロサッカー選手の大久保嘉人も「面白そうじゃん」――その直感で、同番組の出演を引き受けたという。

 はたして大久保は、過酷かつ熾烈な争いが繰り広げられる各ステージを生き残ることができたのか?

 全3回のインタビュー中編では「ファイナルドラフト」出演者との裏話や沸き起こった想いについて掘り起こした。

>>インタビュー前編を読む

【いちばん筋肉がすごかったのは......】

――25人の出演者たちで各ステージを戦ったわけですが、仲よくなったり、話し込んだりした人はいたんですか?

大久保(以下同)「出演者みんなと仲よくなりましたよ。誰が今回一緒かは、なんとなく知っていた人もおったけど、最初の雪山で合流する地点まではほとんど知らなくて。合流地点で、"(プロボクシング元世界3階級王者の長谷川)穂積さんもおるんや!"ってなりました。まあ、雪山はきついステージだったから、"とにかくついていかんと"って、それどころじゃなくて必死やったけど。みんな淡々と登っていましたが、自分は結構止まったりしながら、どうにかちょっと進んで、"まだ休めるかな"って。(最初のステージで)脱落するのはひとりなので、とにかく次のステージに進めるようにと考えていましたね」

――収録中に1日オフがあって、出演者同士で話す機会もあったとか。

「施設の中に温泉施設のようなものがあって、お風呂に入ったり、サウナに入ったりして。"どうして出演することにしたの?"とか、"次はどんなステージかな?"とか、みんないろいろと予想もしながら。穂積さんは『腰が痛いから、腹筋があったらキツい』って話していたんやけど......(笑)」

「ファイナルドラフト」出演のために体を作り直した大久保嘉人「現役復帰も考えた」「まだ、いけるかも」って
――裸のつき合いですね。みんな、鍛え上げられた肉体でしたか?

「自分も"見せる筋肉はつけた"と思って撮影に入ったんですけどね。

実際にみんなと会って周りを見渡したら、"こんなすごいの! これは勝てないやろ"と思いましたね(笑)」

――いちばん、筋肉ですごかったのは?

「クリさん!(栗原嵩・元アメリカンフットボール日本代表)。一緒にサウナ行って、めっちゃいい筋肉しているなって。俺、クリさん、ちょっとぼてっとした体の(柏木)陽介(元サッカー日本代表)が並んで座っているのがいい感じでしたね(笑)」

――実際に「ファイナルドラフト」を経験してみて、何が勝負の決め手になっていたと思います?

「根性かな......。それと、戦い方を見つけるとか。サッカー選手はあまり腕の筋肉は使わないから、そこはきついかもしれないですね。純粋なパワーとなると、総合的にはサッカーは弱いですから。そこは、野球選手やアメフト選手が強い」

――J1リーグ史上最多104枚のイエローカード、同じくJ1リーグ歴代日本人最多12枚のレッドカードの攻撃性は出なかった?(笑)

「そこはぜひ「ファイナルドラフト」を見てください(笑)」

【現役復帰は考えたよ】

――今回はリアリティショーだったわけですけど、現役を引退した大久保さんがそこまでメディアに出るのが好きとは思わなかったです。

「テレビもそうやけど、"いろいろやってみたい"という気持ちがあったから、オファーをもらったらすべて受けて、出演させてもらっていますね。サッカー選手としてずっとやってきたけど、テレビやこういった番組は違った裏側を見られるというか、今までにない経験をいろいろしたい部分もあって」

――やっぱり、ピッチでいちばんの脚光を浴びていたストライカーとして、そういう舞台に立ち続けたい?

「目立ちたいわけじゃないよ(笑)。いちばんは、子どもたち(長男から四男まで男の子4人)が喜ぶから。いちばん下の四男は、まだ8歳だからよくわかっていないかもしれないけど、(上の)3人はわかっていて、『父親がテレビに出る』っていうのを喜んでくれるから」

――番組出演の面白さ、エクスタシーは?

「見ている人が多いから、負けられない、と思うところですかね。サッカーは『とにかく俺が点を取ればいい』って思っていましたけど、テレビやこういう番組で頑張ることで、子どもたちも学校で鼻が高いだろうし。

それで頑張りたいって感じになっているんでしょうね」

――必死のトレーニングで鍛え上げて、現役時代ほどではなくても体を動かせるようになり、「現役復帰」を考えたりしなかったんですか? 最近はスポーツ全体で引退してから、もう一度戻ってくるアスリートも出てきました。

「現役復帰は考えたよ」

――すごい!

「今回のNetflixシリーズ「ファイナルドラフト」のために準備をして、"まだ、いけるかも"って思いました。そこからトレーニングも続けたし、サッカーも体力的には厳しいけど、その分経験値はあるんでね。ただ、やめてから4年が経つし、実際には難しいこともたくさんあるんだろうなとは思いましたね」

――「ファイナルドラフト」は面白い企画だと思いましたし、続編があればまた出演したい?

「考えておきます(笑)。目隠しを取って、最初にバンって出てきたあの雪山の記憶がかなりキツいから。あれは、もうやりたくないかも......。でも、チームで戦うとかはやってみたいかもね」

(>>後編に続く)

●Profile 大久保嘉人(おおくぼ・よしと)
1982年6月9日生まれ。福岡県出身。国見高卒業後、2001年にセレッソ大阪入り。J2に降格したプロ2年目からチームの主力として奮闘し、2004年にはスペインのマジョルカに期限付き移籍した。2006年にC大阪に復帰したあとは、ヴィッセル神戸、ヴォルフスブルク(ドイツ)、神戸と渡り歩いて、2013年に川崎フロンターレへ完全移籍。3年連続で得点王に輝いた。

その後は、FC東京、川崎F、ジュビロ磐田、東京ヴェルディ、C大阪でプレーし、2021年シーズン限りで現役を引退。日本代表では、2010年南アフリカW杯、2014年ブラジルW杯に出場。国際Aマッチ60試合出場、6得点。

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