【母系、父系ともにスプリンターの血を受け継ぐ本命は?】
8月24日(日)、札幌競馬場で3歳以上馬によるGⅢキーンランドC(芝1200m)が行なわれる。
このレースは、9月28日に開催されるGⅠスプリンターズS(中山・芝1200m)の前哨戦としても重要な一戦。2022年には、キーンランドCで2着だったウインマーベルが、スプリンターズSで7番人気から2着に入った。
また、ナムラクレアは23年に1着→1番人気で3着、24年は5着→4番人気で3着。3年連続で、キーンランドCをステップにした馬が好走している。1着ではなかった時でもスプリンターズSで馬券に絡んでいるため、どのように負けたかも注目のポイントだ。
それでは、血統的視点からレースを分析していこう。今回の出走予定メンバーには、このレースに縁のある血統馬が多く、主にそのポイントから見ていくが、筆者が本命に推すのはレイピア(牡3歳、栗東・中竹和也厩舎)だ。
同馬は、祖母クーヴェルチュールが2007年の勝ち馬という血統。クーヴェルチュールは「札幌・芝1200m」で3戦してすべて1着入線(2勝と、進路妨害による10着降着)と同条件を得意としていた。ちなみに母アンナトルテの現役時代の勝利数は1勝だったが、それが新潟・芝1200mというスプリンターだった。
父タワーオブロンドンも、2019年のスプリンターズSなど芝1200~1600mの重賞を5勝したスプリンター。2019年のキーンランドCは2着だったが、その後にGⅡセントウルS(阪神・芝1200m)、そして初のGⅠ制覇となるスプリンターズSと連勝した。
母系、父系ともにスプリンターの血を受け継ぐレイピアは、ここまで12戦4勝。重賞やオープン勝ちはないが、前走の会津S(3勝クラス、福島・芝1200m)を勝ってオープン入り。
札幌を含めた北海道地区での出走はないものの、小倉、阪神、福島で勝利とコースを問わず結果を出しており、戦法も逃げ差し自在だ。12戦のうち10戦が3着以内で、6着以下はなく、負けてもすべて勝ち馬から0秒6以内に入るなど安定した走りを続けている。思えば、祖母クーヴェルチュールが勝利したのも3歳時で、このレースが重賞初制覇だった。レイピアもそれに続いてほしい。
【対抗は半姉が短距離に強い牝馬】
もう1頭はナムラクララ(牝3歳、栗東・長谷川浩大厩舎)を推す。
半姉は前述のナムラクレア(父ミッキーアイル)で、2023年の勝ち馬。ナムラクレアはGⅡ阪神C(京都・芝1400m)など重賞5勝。GⅠで2着3回、3着2回という、短距離部門の現役トップホースの1頭だ。
一方のナムラクララは、ここまで7戦3勝。今年1月の紅梅S(中京・芝1400m)を勝ち、初めての1200mだった前走のTVh杯(函館・芝1200m)を勝利してここに臨む。
姉ナムラクレアも、3歳夏にGⅢ函館スプリントS(函館・芝1200m)を勝っているように、3歳時から本領を発揮する血統。
以上、今年のキーンランドCはクーヴェルチュールの孫レイピア、ナムラクレアの妹ナムラクララの2頭に期待する。