F1フォトグラファー対談 特別編(全3回)

 F1の現場に30年以上足を運び、撮影を続けるベテランフォトグラファーの熱田護氏と桜井淳夫氏。ふたりの2025年シーズン前半戦のベストショット15枚をコメントとともに紹介する。

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中団グループに埋もれる角田裕毅、ピリピリしていない王者争い....の画像はこちら >>

第9戦スペインGP「レース終盤まで表彰台を狙えるポジションを走行していましたが、タイヤ戦略を外して5位でフィニッシュし(※その後、ペナルティで10位に降格)、悔しそうにマシンを降りるマックス・フェルスタッペン。ドライバーズ王座の5連覇は難しい状況ですが、まだまだ勝つことをあきらめていません」(撮影/熱田護)

中団グループに埋もれる角田裕毅、ピリピリしていない王者争い...F1 2025年前半戦を象徴するベストショット15枚【撮影/熱田護&桜井淳雄】
photo by Sakurai Atsuo

第1戦オーストラリアGP「2013年から12シーズン在籍したメルセデスを離れ、今シーズンからフェラーリに移籍したルイス・ハミルトン。開幕前のテストの時からドライビングに苦労していましたが、シーズンに入ってもメルセデス時代の速さやキレは戻っていません」(撮影/桜井淳雄)

中団グループに埋もれる角田裕毅、ピリピリしていない王者争い...F1 2025年前半戦を象徴するベストショット15枚【撮影/熱田護&桜井淳雄】
photo by Atsuta Mamoru

第9戦スペインGP「カタルーニャ・サーキットで予選アタックを行なう角田裕毅。速いドライバーはマシンがコースから半分はみ出るぐらいまで攻めているのですが、レッドブル移籍後の角田はそこまで攻められていません。コースで見ていても、乗りづらいマシンなんだと感じます」(撮影/熱田護)

中団グループに埋もれる角田裕毅、ピリピリしていない王者争い...F1 2025年前半戦を象徴するベストショット15枚【撮影/熱田護&桜井淳雄】
photo by Sakurai Atsuo

第3戦日本GP「レッドブルのデビュー戦となった日本GPの角田。特別カラーの白いレーシングスーツに身を包み、スタート前にF1の会長兼CEOを務めるステファノ・ドメニカリと三笠宮彬子女王殿下と談笑していました」(撮影/桜井淳雄)

中団グループに埋もれる角田裕毅、ピリピリしていない王者争い...F1 2025年前半戦を象徴するベストショット15枚【撮影/熱田護&桜井淳雄】
photo by Atsuta Mamoru

富士スピードウェイTPCテスト「ハースのウェアを着たトヨタの豊田章夫会長が姿を現わすと、ドライバーやエンジニアが次々と集まって談笑し、すごくいい雰囲気でした。F1は人と人とのつながりで盛り上がっていくスポーツ。ハースとトヨタの提携はいい方向に進んでいると確信しました」(撮影/熱田護)

中団グループに埋もれる角田裕毅、ピリピリしていない王者争い...F1 2025年前半戦を象徴するベストショット15枚【撮影/熱田護&桜井淳雄】
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第8戦モナコGP「モンテカルロ市街地コースは近年の大型化したF1マシンで追い抜きはほぼ不可能と言われ、スタート直後の1コーナーが最大の勝負所になります。ランド・ノリスは地元のシャルル・ルクレールとのブレーキング勝負を制し、ポール・トゥ・ウインでモナコGPの勝利を手にしました」(撮影/桜井淳雄)

中団グループに埋もれる角田裕毅、ピリピリしていない王者争い...F1 2025年前半戦を象徴するベストショット15枚【撮影/熱田護&桜井淳雄】
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第12戦イギリスGP「F1出走239戦目にして初めての表彰台を獲得し、喜びを爆発させるニコ・ヒュルケンベルグ。この瞬間は彼やザウバー(ステーク)の人間だけでなく見ているファンもうれしかったと思います。しかも地元のハミルトンをやっつけて表彰台ですから、僕も感激しましたね」(撮影/熱田護)

中団グループに埋もれる角田裕毅、ピリピリしていない王者争い...F1 2025年前半戦を象徴するベストショット15枚【撮影/熱田護&桜井淳雄】
photo by Sakurai Atsuo

第8戦モナコGP「昨シーズン、地元出身のルクレールが優勝したモナコGP。今シーズンは2回のピットストップが義務化され、エキサイティングなレースになることが期待されましたが、例年と変わらない追い抜きのない展開となりました。

ルクレールの母国GP連覇もならなかった」(撮影/桜井淳雄)

中団グループに埋もれる角田裕毅、ピリピリしていない王者争い...F1 2025年前半戦を象徴するベストショット15枚【撮影/熱田護&桜井淳雄】
photo by Atsuta Mamoru

第12戦イギリスGP「ダウンフォースを減らしたマシンで予選に臨み、ポールポジションを獲得したフェルスタッペン。しかし、決勝日は無常にも朝から雨。目まぐるしく変化する"ブリティッシュ・ウェザー"に翻弄され、5位に終わりました」(撮影/熱田護)

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第9戦スペインGP「チーム内では権力闘争が発生し、人材流出が続き、不振に陥ったレッドブル陣営。クリスチャン・ホーナー前代表とフェルスタッペン陣営の対立が噂となっていましたが、最終的にはホーナー氏が電撃解任され、フェルスタッペンは2026年もレッドブルで戦うことを表明しました」(撮影/桜井淳雄)

中団グループに埋もれる角田裕毅、ピリピリしていない王者争い...F1 2025年前半戦を象徴するベストショット15枚【撮影/熱田護&桜井淳雄】
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第5戦サウジアラビアGP「今シーズンは新人が豊作で、2輪王者のミック・ドゥーハンを父に持つジャック・ドゥーハンも鳴り物入りでアルピーヌからデビュー。しかし資金を持ち込んだフランコ・コラピントがレギュラーに昇格し、ジャックはわずか6戦でリザーブに格下げとなりました。これもF1の厳しい現実です」(撮影/熱田護)

中団グループに埋もれる角田裕毅、ピリピリしていない王者争い...F1 2025年前半戦を象徴するベストショット15枚【撮影/熱田護&桜井淳雄】
photo by Sakurai Atsuo

第13戦ベルギーGP「スパ・フランコルシャンの名物コーナー、オールージュに向かっていく角田選手。レッドブルに移籍したものの、中団グループに埋もれて、なかなか順位を上げられないという苦しい展開が続いています。まさに今の角田選手を象徴するカットです」(撮影/桜井淳雄)

中団グループに埋もれる角田裕毅、ピリピリしていない王者争い...F1 2025年前半戦を象徴するベストショット15枚【撮影/熱田護&桜井淳雄】
photo by Atsuta Mamoru

第11戦オーストリアGP「トラックリミット違反(コース外走行)を抑制するためにレッドブルリンクをはじめ、近年のF1サーキットではグラベルトラップが増えています。それでも予選ではドライバーたちは少しでもタイムを削るために限界ギリギシまで攻めていきます」(撮影/熱田護)

中団グループに埋もれる角田裕毅、ピリピリしていない王者争い...F1 2025年前半戦を象徴するベストショット15枚【撮影/熱田護&桜井淳雄】
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第11戦オーストリアGP「レッドブルリンクでのチームメイト対決を制したランド・ノリスはレース後、2位に終わったオスカー・ピアストリに笑顔で握手を求めました。王座争いを繰り広げるマクラーレンのふたりは驚くぐらいピリピリしていません」(撮影/桜井淳雄)

中団グループに埋もれる角田裕毅、ピリピリしていない王者争い...F1 2025年前半戦を象徴するベストショット15枚【撮影/熱田護&桜井淳雄】
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第8戦モナコGP「観客席から撮影したモンテカルロ市街地コースの名物カジノ・コーナー。コース脇には大型のクレーン車とともに多数のマーシャルと消防士が待機し、アクシデントに備えています。クレーン車とカジノの建物の奥に見えるのは地中海です」(撮影/熱田護)

終わり

前編から読む

【プロフィール】
熱田 護 あつた・まもる/1963年、三重県鈴鹿市生まれ。

2輪の世界GPを転戦したのち、1991年よりフリーカメラマンとしてF1の撮影を開始。F1取材は今年で600戦を超え、日本人最多取材回数を誇る。9月25日に『DRAMATIC CIRCUS F1カレンダー 2026』(デジタルカメラマガジン責任編集/インプレス)を販売予定で現在予約受付中。カレンダーのロゴと流し撮りをイメージしたステッカーとスマートフォン壁紙用画像が付いたAmazon限定版も発売。

桜井淳雄 さくらい・あつお/1968年、三重県津市生まれ。1991年の日本GPよりF1の撮影を開始。これまでに500戦以上を取材し、F1やフェラーリの公式フォトグラファーも務める。『スポルティーバ』や『週刊プレイボーイ』をはじめ、さまざまな媒体に写真を提供している。

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