BCリーグ ドラフト候補 前編
2025年のプロ野球ドラフト会議が10月23日に行なわれる。悲喜こもごものドラマがまた今年も繰り広げられる。
2007年に創設されたルートインBCリーグも、これまで多くの選手をNPBに送り出してきた。9月には活発にBCリーグ選抜とNPBファーム交流戦が組まれ、多くのスカウトが訪れて最終的な評価が下される。
今年BCリーグで頭角を現し、ドラフト候補と目されている選手たちを紹介したい。
【リーグNo.1左腕】
■冨重英二郎(とみしげ えいじろう)2001年6月1日生まれ・神奈川県出身 投手
(178cm/78kg 左/左 国際武道大→バイタルネット→神奈川フューチャードリームス)
シーズン成績:10試合 防御率2.01 3勝2敗 53回3分の2 奪三振 62 奪三振率10.40
今季のBCリーグ最有力投手。社会人を経て独立リーグに飛び込んできた左腕は、今春から常に注目を浴び続けた。大学、社会人時代はあまり目立たない投手だったが、オフのトレーニングで体を変えた成果がボールに表れていた。
「除脂肪体重を増やしました。体重を増やしすぎると投げ方が変わってしまうので、体脂肪率は変えず、筋肉量を増やしました」
特に、最速151キロのストレートの強さは圧巻だ。カットボールに似た軌道になるそうで、スカウトも高く評価する。BC神奈川の高木勇人選手兼任コーチ(元巨人・西武)は、春先のストレートを「後ろから見ると怖いくらいだった」と表現した。
独特のストレートを中心に、スライダー、カットボール、フォークなどの変化球を効果的に使い、8月16日の時点で防御率は0.24と、強打者の多いリーグでは異次元の数字を叩き出した。昨年は登板がなかったため、高木コーチが球数や登板間隔を管理し、それに合わせた調整を指導した。
夏場に出力を落とし、失点を重ねたために最終的な防御率は2.01まで悪化したものの、最終登板となった9月21日のリーグチャンピオンシップでは、6球団の編成陣の前で150キロのストレートを見せた。
精神面での波が少ないことと、思考力の高さも印象的だが、自分では意外にも「なまけもの」だと言う。
「目標がないとだらけた生活になってしまう。目標があれば、それに向かって一直線にできるんです」
今の目標はNPBに行くことか、と問えば、「NPBで活躍することです」と即座に答えた。支配下での指名もあり得る逸材。BC神奈川から初のNPB入りは濃厚だ。
【骨折しても盗塁王】
■桃次郎(遠藤桃次郎/えんどう・ももじろう)2002年9月21日生まれ・神奈川県出身 外野手・内野手
(170cm/65kg 右/左 白鴎大学→栃木ゴールデンブレーブス)
シーズン成績:55試合 打率.354 69安打 二塁打4 盗塁42 得点圏打率.425 OPS.866
BC随一のスピードスター。盗塁42はリーグトップで、打っても.354の高打率を残した。ヒットはほぼ単打だが、シーズン通してコンスタントに打ち続けた。
「調子の悪い時こそ、ボテボテのゴロで内野安打になったりするケースが多かったので、不調になることはなかったです」
足の速さは本物だ。しかも、シーズン中に足の小指を骨折していたというから驚く。
「7月に右足の小指にデッドボールが当たって骨折しました。1試合しか休んでないんですが、すごく痛くて、痛み止めを飲みながら試合に出ていました」
足が最大の売りで、盗塁でも「一歩目」を一番大事にしているだけに、「その時が一番苦しかった」と振り返る。だが、そのうえで42の盗塁を積み上げた。
「足が痛い時は、二盗より三盗を狙ってました」
リーグ戦では同じ相手と何度も対戦する。対策も講じられていくが、自分もデータを見ながら相手の対策を練っていく。
「対策されるなかでヒットや盗塁をどう重ねていくか、自分で考えながらできたので、そこは成長した部分だと思います」
チームメイトで大ベテランの川﨑宗則(元ソフトバンクほか)には、リードの方法などを教わったという。山下徳人監督(元ロッテ)を始め、BC栃木の充実した首脳陣から教わることも多かった。
【信濃の万能内野手】
■日下部由伸(くさかべ・よしのぶ)2001年12月26日生まれ・山形県出身 内野手
(176cm/75kg 右/左 富士大学→信濃グランセローズ)
シーズン成績:58試合 打率.314 70安打 7本塁打 45打点 長打率.480 OPS.896
大卒2年目の、俊足強打の内野手。守備位置はシーズン通してショートを守り続けたが、BC選抜戦ではサードでも好守備を連発した。9月24日には西武の三軍を相手に3安打。二塁打も放ち、打点も挙げている。
「昨年はケガで出遅れたりしてフルで出られなかったので、今年は冬に体作りをして、シーズンを通して戦える体を作るという目標でやってきました。全試合スタメンで出られたのはチーム唯一なので、それを達成できたのが一番だったと思います。シーズン中は体がきついと思うことはありませんでした」
体重を10kg増やしたことで長打も増え、塁打数は55→107と倍近くになっている。打てない時期、不調などはなくコンスタントに打ち続けてきた印象だ。
「そこも課題にしていたところです。悪い時でもチームに貢献できたと思います」
また、「三振の少なさ」も強みのひとつ。今季は58試合で15だった。
「調子が悪くとも(ヒットを)1本はなんとか打つ。NPB戦など初見の投手でも対応できる、という自信を持ってやってきています」
成長を続ける23歳は、BC選抜戦からフェニックスリーグへと飛び、最後まで走り抜ける。
(後編:BCリーグ新規参入チームから、いきなりの指名もある? スカウト注目の投手・野手をチェック>>)










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